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研究成果 (出版):温度と生命システムの相関学 (東海大学出版) (8/24)

2009.08.24

東北大に異動になってから、5年目ですが、その前の勤務地である岩手大時代から、日本学術振興会が公募していた21世紀COEプログラムに2004年度から採択されていました。東北大に異動になってからも、客員教授として同プログラムに参画し、この3月でプログラムが終了したことに伴い、その成果を出版物として発表しました。

同プログラムの趣旨は、温度という物理量が、生命活動に対してどのように影響し、どのような相互作用があるのか、ということを追求するものでした。近年の研究から、温度によって、ゲノムがいわゆるエピジェネティックな影響を受けると言うことも知られていますし、細胞内での情報伝達が重要と言うことも知られています。そこで、同プログラムでは従来の生殖の研究を温度という観点に対しても、発展させ、多くの論文などを発表できました。詳しくは、研究室の論文発表の頁をご覧ください。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/work.html

さて、この5年間の研究のまとめである出版物は、「温度と生命システムの相関学」 (東海大学出版)では、3名の共著者と「第9章 植物の生殖システム:低温下の遺伝子発現及び発現制御機構」を執筆するとともに、「あとがき −生命システムの温度応答反応の先にあるもの−」ということで、今後の本分野の発展、農工連携の拡大などを提案してあります。最近の温度と生命活動について、様々な観点から執筆がなされていますので、ぜひ、お読み頂ければ、幸甚です。

http://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01834-6
http://www.press.tokai.ac.jp/bookpub.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01834-6

まえがきを書いて頂いた・東京大学名誉教授・鈴木昭憲先生の文章の中に、宮沢賢治の「雨ニモマケズ手帳」の引用があります。
「・・・・サムサノナツハオロオロアルキ・・・・・」とあります。この文章は、まさに今年の低温で、イネの生長に対しておろおろした、研究室そのものでした。

この研究を活かして、おろおろすることないように、したいものだと思ったのでした。


わたなべしるす

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