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福島県立福島高校でのSSH特別実験「バナナからDNAを抽出しよう」(10/16)

2009.10.16

 DNA、遺伝子というのは、いわゆるはやりの単語なのでしょうか。SSH実施高校で、大がかりに生物実験を引き受けたのは、今回が初めてかもしれません。

 福島高校では、年に1度、物理、化学、生物、地学の分野で異なる実験を1年生に体験してもらっているようです。昨年度も、実験をお願いされたのですが、予定が合わず、実施できませんでした。今年は、「バナナからDNAを抽出しよう」というテーマで実験を行いました。漏れ聞くところによると、希望者は80名を超えたとか。実験室の大きさの関係で、約半数の生徒さんである49名の生徒さんに実験を行ってもらいました。

 DNAをたくさん含んでいるということで、一般には、レバー、ブロッコリーなどを使ってDNA単離実験を行うようですが、昨年まで、本学の大学院生をしていた方に教えて頂き、バナナからも簡便にDNAをとれるということで、今回実施しました。核抽出液をフィルターでこすわけですが、プロトコールでは、コーヒードリップのフィルターを使うところ、濾紙を使って行いました。コーヒードリップのフィルターは、目が粗いので、核だけでなく、可溶性の繊維質も通過するようで、最後に、エタノールで析出させると、夾雑物が多く、DNAを溶かすことが難しいということを、以前に経験しました。そこで今回は、濾過に時間がかかるとは言え、濾紙を使って行いました。予想通り、時間はかかりましたが、きちんと析出して、DNAが溶けるということも体験してもらえました。

 何よりうれしかったのは、濾過に時間がかかった分だけ、DNAの析出を見たときの生徒さんの歓声でした。実験は時間がかかることが多いこと、失敗しても、リカバリーすればよいこと、うまくいったときの感動など、たくさんのことを学習してもらえたのではと思います。

 第1希望で、DNA単離実験を希望していたにもかかわらず、できなかった生徒さんにも、この感動を共有していただくために、また、福島高校に伺います。キャリア教育を行うということもありますので。
 
 とても有意義な1日でした。


わたなべしるす

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