東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和3年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

浮かび上がる文字

2021.07.18

山形県立鶴岡南高等学校

伊藤さや

浮かび上がる文字

こんにちは。山形県立鶴岡南高校1年の伊藤さやです。
今日は私が友達と勉強するときによく使っているホワイトボードについて紹介します。
このことを投稿しようと思ったきっかけは写真のような現象が見られたからです。
(ノーマルは0分前ということです。)
ペンの文字がこのように浮き上がることはあるのかと思い、調べてみました。

皆さんはなぜホワイトボードの文字がが消えるのかご存知ですか。
消せる秘密はマーカーの着色剤に「顔 料」が、さらに、添加剤として「はく離剤」が使われているというところにあります。インクが付着した後、直後から溶剤が揮発し、その後着色剤と樹脂が結合して皮膜を形成します。この皮膜は、はく離剤があることでボード面から浮いた状態になり、はく離剤だけがボード面に付着している形となります。 それらは弱く接着しているため、その後、ホワイトボード用イレーザーや布などで拭くと、はく離剤とともに皮膜が剥がれ文字が消えるという仕組みです。

今回私がボードに垂らしたのは水です。書き終わってからの時間の違いによって大きな違いがあるのがわかると思います。書いて10分もたたない文字は垂らした水にすぐに溶けてしまいましたが、40分ほど経ったものは書いた文字が水に溶けることなく綺麗に浮きました。90分前に書いた文字は水を垂らしても変化はありませんでした。
このことからペンとホワイトボードは密接な関係にあり、時間の経過によって皮膜とはく離材が変化しているといえます。今度は他の種類のホワイトボードのペンでも試してみたいです。

参考 https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5212/