野菜としてよく食されているアスパラガスは、人間と同じく個体ごとに性が分かれている雌雄異株植物である。アスパラガスの仲間には園芸用の種もあり、最近は寄せ植えや生け花として目にする機会も増えた。これら園芸種には両性花をつける種が多く、 Asparagus virgatus もそのひとつである。
　私たちは植物の性分化の観点から雌雄異株と両性花の種が混在するこのアスパラガス属に興味を持ち、生殖器官（雄しべと雌しべ）の形成に関与する AGAMOUS-like 遺伝子の解析を行っている。これまでに、両性花の Asparagus virgatus から２つの AGAMOUS-like 遺伝子（AVAG1, AVAG2）を単離し、これらの遺伝子は生殖器官において原基の段階から器官が完成するまで発現していることを明らかにした。また、AVAG2 遺伝子は構造、発現の両面から子房の形成に関与する遺伝子である可能性が高いことを明らかにした（Yun et al. 2004: Yun et al. in press）。

Yun et al. (2004) Sex. Plant Reprod. 17: 1-8
Yun et al. (in press) Sex. Plant Reprod.

2004.7.6.