アルストロメリア(Alstroemeria ligtu

 

アルストロメリア(アルストロメリア科)
Alstroemeria ligtu ssp. ligtu (Alstroemeriaceae)

 アルストロメリア (Alstroemeria) はユリ目 (Liliales) アルストロメリア科 (Alstroemeriaceae) に属する植物です。野生種は数十種あり、南アメリカの広い範囲に分布しています。春から初夏に花をつけ、根茎と種子で繁殖します。紫、赤、桃色、橙、黄色、白など、花色のバリエーションは幅広く、草丈も20 cmと矮性のものから1 mを越えるものまであります。花持ちがよく、華やかで独特の花は、切花やアレンジメントなどによく使われています。”ユリズイセン” ”インカのユリ” などの別名が示すように、小型のユリのような花をつけます。しかし、多くの他の単子葉植物とは異なり、幅広の外花被片と、スポットと呼ばれる斑点のある内花被片の2種類の花被片からなる左右相称花を持つことが特徴です。
 チューリップにおいて、外花被片でもclass B遺伝子の発現することによってユリのように二層の花弁状器官を持つ花が形成されるというmodified ABC modelが提唱されています(van Tunen et al. 1993, Kanno et al. 2003)。
 class B遺伝子の発現解析の結果、アルストロメリアでもmodified ABC modelが適用できることが明らかになりました。それに加えて、外花被片と内花被片では2種類のDEF-like遺伝子の発現パターンが異なっており、花被片の形態分化と何らかの関連を有する可能性が示唆されました (Hirai et al. 2007) 。

van Tunen et al. (1993) Flow. Newslett. 16: 33-38.
Kanno et al. (2003) Plant Mol. Biol. 52: 831-841.
Hirai et al. (2007) Plant Cell Physiol. 48(2): 310-321.

2011.2.**.