ツユクサ(Commelina communis

 

ツユクサ(ツユクサ科)Commelina communis

 ツユクサ(Commelina communis)は道ばたや空き地などに普通に見られる1年草です。花をよく見ると花被は2層に分かれており、2枚の青い花弁と1枚の小さい白い花弁、そして3枚の透明ながく片から構成されています。  単子葉植物の花の多くはユリやチューリップのようにがく片と花弁の区別がない同花被花ですが、中にはツユクサやオオバナノエンレイソウのようにがく片と花弁の区別がある異花被花をもつ植物もあります。これらの異花被花植物は系統的には離れているので、同花被花植物からは独立に進化したと考えられます。花のABC モデルによれば、がく片はクラスA 遺伝子、また花弁の形成にはクラスA ・ B両遺伝子の働きによって決定されています。では単子葉植物における異花被花の進化にはABCモデルで働く遺伝子群がどのように関与しているのでしょうか?  私たちはツユクサとムラサキツユクサから、クラスB遺伝子を単離して発現解析を行った結果、ツユクサとムラサキツユクサにおける外花被のがく片形成にはクラスB遺伝子のうち DEF-like遺伝子が関与していることを明らかにしました(Ochiai et al. 2004) 。

Ochiai et al. (2004) Gene 343:253-262

2005.1.18.