タシロイモ科(Taccaceae

 

タッカ・カントリエリ (タシロイモ科) Tacca chantrieri(Taccaceae)
“ブラックキャット”

 タシロイモ科植物は熱帯から一部亜熱帯に分布し、根茎または塊茎をもつ多年草。タシロイモ属は多肉質の草本で、花は散形花序につき、2〜12枚の濃い色の総苞片に包まれる。長く伸びて目立つ糸状の器官は苞葉。花は両性で、6枚の花被片が部分的に合着し、2層に配列する。 Tacca chantrieriはタシロイモ科の中では観賞植物として最もよく栽培されている。東南アジア原産。現地では地下茎を食用としており、若い葉と花序はカレー料理に用いられる。
 この植物からは双子葉植物の雄蕊と花弁の器官決定に関与するクラスB遺伝子(TcAP3TcPI)が単離されている(Kramer and Irish, 2000)。当研究室ではこの植物と比較的系統的に近縁である単子葉のサトイモ(Ochiai et al. unpublished)や食用アスパラガス(Park et al.2003)からクラスB遺伝子を単離しており、これらの遺伝子は高い相同性を示している。

Kramer and Irish (2000) Int. J. Plant Sci. 161:S29-S40.
Park et al. (2003) Plant Mol. Biol. 51:867-875.