東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【その12】最終報告 2016_1/21 藤井和樹(理:藤井和樹)

2016年1月21日 (木)

 こんばんは。またもや藤井です。アルファルファと白菜を育てていた藤井です。おそらく読んでくださっている方の画面はもう藤井が書いた文章でいっぱいでしょう。申し訳ありません。頑張ってスクロールしてください。さて、最終報告をアップします。

(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、意外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。これまでのプレゼンに使ってないような写真があれば、それを掲載してもOKです

 栽培については、アルファルファ、白菜とも、しっかり収穫して味わうことができたので、全体としては及第点かなと思います。特にアルファルファについては、栽培条件を変えるという試行を行い、それに対して生育の差異と味の差異という(主観的ではありますが)結果を得ることができ、その結果をある程度の考察を持ってWeb上で発表できたことは『よかった』なと思いました。中間発表の際にも何名かの方が僕の記事に言及してくれたこと、渡辺先生が肯定的なコメントをくださったことから、ある程度『よかった』という評価をいただけたのかなと思います。 

 ただ、アルファルファは事前に計画を立てて栽培をスタートさせたのでうまくいきましたが、見切り発車的にスタートした白菜は、あまりいい結果とは言えませんでした。植物を育てることが初めてだったということもあり、水、肥料、温度などわからないことだらけでした。調べればよいのですが、面倒に思えてしまい、調べることもせずそのままだらだらと続けてしまいました。白菜が枯れることなく育ってしまったというのも原因かもしれません。植物の生命力に助けられたというか、甘えてしまたっというか。。。もっとうまく育てられたなと思います。結球せず、青菜のままだったので、まだまだ向上の余地は大きいと感じます。

 育てているときに、記録をつけることの重要性を実感しました。少なくとも水やりの有無とその日の天気は毎日つけていた方がいいなと思いました。しかし、なかなかこれが難しかったです。どんなことでも継続することは大切で、難しいですが、それは植物を育てる時でも同じですね。今度何かを育てる時は実験ノートを用意してみようと思います。

  それから、やっぱり生き物を相手にするのは難しいですね。アルファルファは一日で目に見えて水分がなくなっている日があったり、逆に夜帰ってきても潤いを保ったままの日があったりしました。なかなか『毎日同じ』という風にいかないのが難しいですね。写真を撮っていなかったのでブログには載せませんでしたが、11月中頃の冷たい雨の日に家に帰ってみると、ベランダに出していた白菜が元気なくしおれているというちょっとした事件がありました。寒さと日照不足が原因だろうと、すぐ暖房をつけた部屋に入れて、上からデスクライトで光を4時間ぐらい当て続けていると、みるみる元気になり、しまいには朝方よりも元気になりました。しおれていたのが元気になっていく様子はマンガみたいで面白かったのと同時に育てることの難しさを感じました。植物は生きているんだと感じる出来事でした。

(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

 この授業を通して学んだことの一つに、観察し、記録すること。またその結果を発表することの大切さがあります。今セメスターにあった自然科学総合実験と合わせて、観察と記録はscienceの根幹だなと思いました。そういえば自然科学総合実験のガイダンスで教授が「scienceは実験がすべてです。実験の保証しない理論はただの数式です。観察こそscienceです」とおっしゃっていました。この授業を通じて、少しその意味が分かった気がします。

 自然科学総合実験でも、観察が重要な実験がいくつかありました(もちろん数値を読んで解析することがメインのものもありましたが)。細胞の観察の時に細部まで観察するのは、皆がすることかもしれませんが、有機化合物の合成のときに、匂いや気泡の数までノートに記録していた人はそんなに何人もいないんじゃないかなと思います。後々必要になるかも入れないことはとりあえず記録しておこうというのは、この授業のたまものかなと思います

 また、これは全く観察と関係ない話ですが、「いま授業で盆栽育ててるんよね」というと、ほとんどみんな食いついてきてくれるのが、大阪出身の僕としては非常にうれしいかったです。ネタが増えたといいますか。。。「アルファルファ育ててる」「白菜が家で待ってる」2セメスターはこの話題でだいぶしゃべりました。とくに「俺が水道水飲んでおいしいおいしい言って育ってる横でアルファルファはミネラルウォーター飲んで育ってる」というのが一番うけました。できるだけオーバーアクションでアルファルファを批判するのがポイントです。話が逸れました。でも、人に話せる話題が増えたのはホントにうれしいです。(今度は、最終報告が4000字もあって終わらないと思った話で何日か過ごしたいと思います)

(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。これまでの発表のHPを参照してもOKです。

 シラバスを読んでいるときに「育てるだけで2単位もらえるなんてめっちゃラクやん!!」と思って受講してみましたが、甘かったですね。毎日授業なのだから、大変なのは当然なのですが。。。特に、大学祭前や年末など、忙しい時に毎日の世話はかなりの負担でした。

 けれど、毎日観察していると、毎日変わっているものですね。色や大きさだけでなく、葉の張り方や角度も毎日少しずつ変わっています。水をあげた日、あげない日。寒い日、あったかい日。晴れの日、雨の日。それぞれでも朝と夜の差は違いました。それを報告できればよかったのですが、なかなか難しかったです。けれど、毎日変わっているんだよと知れただけでも、小さい変化でもしっかり観察すれば見えてくるんだよということが感じれただけでも、この授業を受講してみた価値が十分あったと思います。

 また、観察したことを、しっかり記録しておくことが大切ということも実感しました。観察も記録しておかなければ意味がないです。これからは実験でもしっかり記録をつけることを大切にしていきたいです。

 いずれにしても、毎日何かを続けるというのは大切だけど大変だなと感じる授業でした。

(4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

 これは授業の前から常々思っていたことですが、文章を書くというのは難しいですね。レポートであれば、事実を述べることが中心ですから、ある程度は書けますが、ことプレゼンとなると、経験がないことも相まって難しいです。とくに、中間報告や今回の最終発表のような長い文章になると、困ります。こんな長い文章を飽きずに読んでくれるのかなという気持ちになります。

 やはり、読んでもらう以上、読みたいと思える文章を、読んでよかったと思える文章を書きたいと思います。これはこの授業の前には意識することのなかったことでした。読み手の意識というのが、書き手にとって忘れてはならないことなのかなと思うようになりました。長い文章をWebで発表するという機会があって初めてわかったことでした。

 それから文章を書くといえば、これは僕が勝手に決めていたルールなのですが、できるだけアカデミックな文章を書こうと思っていました。アルファルファの記事では頑張ってみたのですが、白菜ではあきらめてしまいました。アカデミックに書きたいのなら、ある程度の訓練が必要かなと思いました。今までほとんどそういう文章に触れてこなかったので、これからは積極的に触れて行って、書けるようにしたいです。

 また、ほかの受講者の方の記事を見て感じましたが、書き方によってこうも受け取るときの感覚が違うのかとも思いました。読みやすいように読みやすいように書いている方の文章は読んでいて心地よかったです。逆に、あまり読み手を意識していない記事だと、短いものでも途中で飽きてしまうこともありました。うまい文章よりも、優しい文章の方がブログにはあっているのでしょう。

 こんなことを言っておきながら、僕の記事が皆さんに読みやすいと思って頂けたかは、甚だ疑問です。中間報告と最終報告では頑張ってみたのですが、 【その9】 【その10】 【その11】 は急いで書いてしまったので、すごく読みにくいと思います。すみません。やっぱり余裕をもって書かないとだめですね。反省です。

(5) 以上の(1)(4)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

 この展開ゼミを通じて学んだことで一番初めに思うのは、やはり観察の重要性ですね。見ると観るの違いも分かった気がします。僕もscienceを勉強していきたいので、この「観察する」ことを大切にしていきたいです。

 それから、記録することも大事だなと思いました。続けるのは大変ですが、少しずつやっていこうと思います。

 また、発表することの難しさも痛感しました。上でも述べましたが、読んでもらえるように書くのはなかなか難しいですね。事実をありのままに伝えることももちろん大切ですが、「読んでもらう」というのも、とくに不特定の人に向けて書く場合は同じくらい大事ですね。伝えることの大切さと難しさを忘れないようにしていきたいです。

 それよりなにより、この講義を通じて最も深く感じたことは、「植物ってすごいってこと」です。中間報告でも書いた気がしますが、あんなに小さな種から、芽が出て、根が出て、葉が出てくるというのは感動です。不思議でなりません。あんなに小さなもののどこにそんなチカラがあるのでしょうか。育てて初めて実感しました。また、白菜を育てていて思いましたが、人間の僕が耐えられないような寒さなのに、彼らが平然と耐えているのも驚きでした。やっぱり不思議です。

 また、上でも書きましたが、この講義の事を人に話すと、大抵の人が興味を持ってくれます。日常会話でも散々お世話になったのですが、落研に入っているので、いつか(そんなに遠くないうちに)この講義の話をマクラに振ってみたいと思います。アルファルファがミネラルウォーターで育っている横で僕が仙台市の水道水を飲んでいる話はきっとうけると思います。(うけるといいなぁ)

 収穫していない植物の話ですが、実は種はアルファルファと白菜だけでなく、春菊も頂いていました。結局育てずじまいになってしまいました。もったいないので、今年育ててみようと思います。そのときはちゃんと下調べして、実験ノートも用意して臨もうと思います。白菜も、今度は結球するように挑戦してみたいです。

 長くなりましたが、以上で最終報告を終わります。読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。

 渡辺先生、沢山のアドバイスとコメントありがとうございました。もっとアカデミックに報告できればよかったなと、またそれを期待していただいていたのではないかと思います。平凡な内容に終始してしまい、申し訳ありません。けれど、一つ屋根の下で植物を育てるとい うのは、刺激的でおもしろい経験でした。楽しい講義でした。ありがとうございました。

 コメントをくださったスタッフのみなさん。いただいたコメントがモチベーションになりました。ありがとうございました。

 何とか期限までに間に合いそうでよかったです。自分で育てた野菜が食べれてよかったです。他に類を見ない面白い講義でした。それでは。

(1月21日18時20分追記 リンクをうまく貼れていなかった3か所を修正しました)

コメント

理学部・藤井さん

 遺伝の渡辺でございます。記録をつける。これは何をやっても大事なことなのですが、これから先の実験、研究ではさらに重要性を増すと思います。その時に、この展開ゼミのことを思い出してみて下さい。実験区を設定して、理系らしいゼミの展開は、拝見していて、興味深いものでした。実験ノートの重要性は、一昨年になりますかね。大事件があったのを思いだして下さい。ちょっと何というのは書きにくいですが、生物系の動物系のこんなことが。。。ということがあったと。その時、実験ノートの重要性は。あったと思いますので。有機合成での反応系で、あわ粒を数えたというのは、このゼミが活きた証拠ですね。素晴らしいです。感動です。

 関西人にとって、受けをとる、ぼけるというのは、大事なことで。わかります。その点、今回のことが話題になったのは、うれしいですね。あと、育てるだけで、2単位もらえると思ってくれたのも狙い通り。それが大変と気がついてくれたにもかかわらず、ちゃんとできるのがすごいことです。おもしろい文章とともに。あと、何を持ってアカデミックというか、難しいですが。。。確か、物理系だったので、余計にそう思うのかも知れないですが、十分、アカデミックです。この前の記事だったでしょうか。収穫の時に葉っぱの裏からの写真があったのは、niceだなと思いましたので。意外と、そんなところを見た学生さんがいなかったような。十分だと思います。

 物理をやる方から、生物はサイエンスでないというようなことを。細胞の中にどんな物質が何分子あるのか、記述できない。それでは、理解できないと。。。確かにと思ったことがあります。でも、そんな不思議な植物で遺伝子を1つこわすと、全然違う表現型になったりするわけで。なので、どのレベルで理解するかと言うことを、ちょっと理解できたのでは。それと、ぜひ、残りの種を栽培してみて下さい。あと、大事なこと。水道水とミネラルウォーターの落語、是非、聞きたいです。渡辺は、落研ではないですが、桂米丸、桂文珍等が好きです。このネタを使うとき、是非、このHPから広報して下さい。時間があえば、必ずいきますので。

 わたなべしるす

旧展開ゼミ