東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表(経:茂木良太)

2016年1月21日 (木)

こんにちは。経済学部2年の茂木です。

今週は今シーズン初の積雪で、通勤・通学もいつも以上に苦労されているかと思います。上の写真は大雪が降った、今週の月曜日に大橋付近で撮影した写真です。

それでは早速、最終発表に移りたいと思います。


(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。これまでのプレゼンに使ってないような写真があれば、それを掲載してもOKです。

私はこの展開ゼミの期間中に「ベビーリーフ」と「レッドキャベツ」の2種類の植物を栽培しました。

ここでは、育てた植物ごとに説明します。

まずベビーリーフについて、発芽までの早さにとても早く驚きました。というのも、これまで植物を生育してきたときは、いつも土の中に種を蒔いて土から芽を出したときになってようやく発芽したと自覚していたからです。ですが、今回は発芽するまではシャーレで育てました。種子から発芽する様子もよりはっきりと観察することができました。そして、発芽も種子をシャーレに蒔いて12日で発芽していたことから、発芽にかかる時間は予想よりも早いものでした。以上のことから、発芽まではそこまで苦労はしませんでした。

しかし、発芽してからの手入れにとても苦心しました。結果からいえば、展開ゼミの開講期間中に2度ベビーリーフを駄目にしてしまいました。その状況は11/16の記事1/15の記事を参照していただければお分かりいただけるかと思います。これらの記事から原因をまとめると、水のやり方・肥料やけ・株同士の間隔を十分に取らなかったなどが原因として挙げられると思います。水のやり方や肥料やけなど、植物がうまく育たない原因として聞いたことがあるものもあれば、株同士の間隔などというような、あまり聞いたことがないものもありました。聞いたことがあったとしても、実践してみるとうまくいかないということにも気づきました。これらの点からいくら知識としてあったとしても、思うとおりにはうまくいかないということを植物の生育を通して実感することができたと思います。

次にレッドキャベツについて、こちらは全体を通しての生育の早さに驚きました。生育期間が短いということから、展開ゼミの開講期間中に2回生育を行いました。

しかし、生育が早いということから、成長のさせすぎである徒長の状態にしてしまうことがありました。このことから、先のベビーリーフ以上に日々の微小な変化に気をつけなければならないと痛感しました。

2回目での生育の際には、生育時の光の有無で差が現れるかという実験を行いました(12/1の記事12/28の記事を参照)。実験の結果は実験前に予想していたとおり、光が当たった状態で生育すると伸長のスピードが遅くなるという結果になりました。

その他、2回ともレッドキャベツの生育を通して実感したことは、種を蒔いた量と実際に収穫できる量に大きな差があるということでした。私の考えでは、レッドキャベツのようなスプラウト栽培の植物では、種子からの発芽率は高いものであると予想しておりました。なぜなら、スーパーマーケットなどで市販されているスプラウトの植物は、根がぎっしりと生え、それに対応するかのように可食部も多いという印象があるからです。もちろん、スーパーマーケットで売られているほどうまく栽培できるとは思っていません。しかし、1回目と2回目で蒔いた種子の量は大きく違うはずなのに、実際に収穫できた量(本数)はそこまで差がないように思えました。根の生え方も十分ではなく、種子の量を増やした2回目では、発芽しないものや十分に生育しないものも見受けられました。効率よく生育していく上で、栽培の仕方に大きな差があるのだろうと考えられました。

以上、ベビーリーフとレッドキャベツの2種類の植物を栽培しましたが、いずれも栽培を始めるときに予想していた以上に栽培が難しいという印象がありました。


(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

私は経済学部の人間なので、ほとんど実験は行いません。しかし、発表の仕方に工夫するようになりました。ブログというこのゼミの発表の形式上、ただ、淡々と文章を書いていてはつまらないですし、自分の考えもうまく伝わらないでしょう。見づらくなってしまうことも考えられます。そこで、ブログを執筆する上で、写真を効果的に用いました。写真などといったツールを用いることによって、文章を読んだだけでは伝わりにくい微小な部分がよりはっきりと伝わるでしょう。

以上のことを踏まえ、プレゼンやレポートを作るうえで写真や図表の使用について意識するようになりました。ただ配置するだけではなく、どこにどのような写真を置けばより説得力が上がるかということが必要になってくると思います。今後もレポートやプレゼンなどの材料として図表を用いる際に図表の意味・効果的な配置に留意していきたいと思います。


(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。これまでの発表のHPを参照してもOKです。

この展開ゼミで、以下の3つを実感することができたと考えています。

第一に、この展開ゼミを受講しようと決意したときは植物を育てることが難しく、大変であるとは考えておりませんでした。しかし、こうして植物を育て、観察していくうちに思っている以上の苦労があるのだと痛感しました。例えば、先ほどベビーリーフがうまく成長せずに枯れてしまったときにはなぜうまくいかなかったのだろうかと考えることもありました。一方で、苦労ばかりではなく、喜びも感じることができました。これは収穫などといった、自分の育て方がうまく実を結んだときです。これらの感情の変化は単純なことであるとは思いますが、おそらく多くの農家の方も感じていることであると思います。今回のゼミではわずか4ヶ月で栽培している量もとても少ないですが、このゼミの期間中はそういった農家の方々の心情を少しは共感できたのではないだろうか思います。

第二に、植物を栽培していく上で観察眼が少しでも身についたのではないだろうかと考えております。どういったところに気をつければよいかということのヒントは初回のオリエンテーションで教えていただきましたが、実際の変化を認知し、どう対応していくかというのは各受講生に任されていたと思います。例えば、変化も発芽など目で見てわかるものあれば、土の乾き具合を実際に手で触ってみるもの、写真に収めてみて時系列で微小な変化を比較するもの、定規などの客観的な測定で認知できるものなど多様です。またその対応も多様で、土の乾き具合から水をあげるか否かという判断をすることにもつながります。つまり、観察眼は植物の栽培には不可欠なものであると考えられます。このような日々の変化を捉えて適切な処置を施すという観察眼を少しは養うことができたと思います。

第三に、適切な改善策を探し出すということです。これは、前の観察眼の件と多少重複するところがありますが、うまくいかなかったところを早い段階で察知し改善するということが、植物の栽培で必要になってくると実感しました。この改善策を見つけ出すのも当人の技量にかかっていると思います。今回は、渡辺先生やメンターの方々のコメント・他の受講生の記事など、参考にできる情報が身近にあったため、この改善策を探すのもそこまで大変な作業ではありませんでした。しかし、本来は自分の力で適切な情報を探して処置をしなければならないので、難易度は上昇するだろうと考えられました。


(4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

このゼミでは、ブログという形で日々の活動を発信してきました。情報の受け手を選ばずに発信されてしまうということから、この展開ゼミの内容を詳しくわからない人にも説明しなければならないと考えていました。そこで、以下の2つについて特に留意して今日までブログを執筆してきました。

まず、誰にでも理解できるような客観的な指標を用いるということです。このゼミが始まるまでは、主観的な指標を用いて説明していたということがありました。しかし、それでは説得力の欠ける説明になってしまいます。まして、自分が行っている内容がまったくわからない人に説明したら尚のこと意味不明なものになってしまう恐れがあります。しかし、このゼミが始まってすぐのときに、渡辺先生が他の受講生へのコメントで定規などの客観的なスケールを用いるようにと指導していたのを拝見しました(10/8の畠山さんの記事)。定規などといった普遍的なスケールがあれば読み手もすぐに理解できるでしょう。このコメントを拝見した後からは、写真で発表する際に定規や硬貨などの客観的な指標を用いるようにしています。

次に、他の人の記事やコメントを参考にして自分の執筆した記事の説得力を増すということです。今回は、他の受講生も似たような活動を行っていて比較ができやすい点、ブログで参考にする記事のリンクなどを簡単に貼れるという点から、他人の記事を参考にしやすい形式であったのだろうと思います。やはり、情報の裏づけとなるような記事があるだけで、自分の書いた記事にも説得力が増えると思います。しかし、情報を引用・参考にする際の適切な手続きは守らなければならないということは肝に銘じておかなければならないでしょう。


(5) 以上の(1)~(4)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

最初に、今後の生活で生かしていきたいことについて2つ述べたいと思います。

まず、大学の授業に関して言えば、今回のこの特殊なゼミ形式は今後年次が上がるにつれて機会が増えてくる発表のときに役に立つはずであると考えています。これに関しては、先ほどの(4)でも述べた、どうすれば説得力のあるプレゼンになるのかということが生きてくると思います。(2)で述べたとおり、私は経済学部で理系の方々のように実験をする機会おそらくないでしょう。しかし、学部のゼミなどで発表する機会はあります。そのため、そのような発表の際にここで学んだことを生かしていきます。

その他、道端を歩いていて例えば花が咲いたであるとか紅葉が始まったであるとかそういった微細な変化にもより敏感になることができたと思います。これは、(3)の観察眼に関することです。身近な変化に気づけるということは日々の生活の満足度(QOL)が向上し、日々の生活がより充実できるかと思います。

そして、今回の展開ゼミの期間中にうまく育てられなかったベビーリーフを再挑戦したいと考えております。時期としては、温暖になる春ごろから栽培を始めようと検討しております。温暖になれば、温度や日光などの点で多少管理もしやすくなると思われます。今回のゼミでいただいたコメントを参考にして、今度こそ収穫できるように努めたいと思います。


以上で、最終発表を終わらせていただきます。丁寧にコメントしていただいた渡辺先生・メンターの皆様、そしてこの記事を読んでくださった方々にお礼を申し上げます。

短い間でしたが、とても充実したゼミになったと思います。ありかとうございました。

経済学部2

茂木 良太

コメント

経済学部・茂木さん

 遺伝の渡辺でございます。皆さんの最終報告に対して、コメントをと思っていたのですが、出張であったり、いろいろあって、せっかくのタイミングを逸してしまったこと、お許しください。投稿にあった積雪からずいぶんたち、路肩に雪が残っているくらいですね。

 さて、本題です。栽培にはずいぶん苦労されたようですね。ただ、いつもは種子を土に直接播くのをシャーレでやったことで、気がつかないことに気がついたのは、niceです。これからいろいろな活動をすると思いますが、その時、このことをふと思い出してみて下さい。意外なことをやってみることで、新しい気がつきがありますので。ちょうど、今が試験であったり、レポート提出で忙しい頃でないでしょうか。今回のことが少しでも役に立ったと思えることがあればよいですね。栽培を通じて、農家の方々の大変さを実感したり、観察眼を持つことの大切さを実感し、それを鍛えることもわかってもらえたのではないでしょうか。是非、何かを観察する、経済学部であっても、観察は大事だと思います。なにをか。。。ぱっと思いつかないのですが。経済も生き物と言われるように思いますので。。。

 あと、まさに「人の振り見て我が振り直せ」ということを実体験して、それを実行したことは、これからも是非、活かして下さい。大事なことですから。よいことはどんどん取り込んで。。。道ばたの自然の変化に気がつくようになったのは素晴らしいです。そんなことに注意が行くようになると、講義であったり、他の活動でも、注意力が向上していると思います。そんなことを講義で、ゼミで実感できれば、幸いです。

 わたなべしるす

旧展開ゼミ