東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

悲劇の間引き でもおいしかった。(文:渡辺義宣)

2016年12月13日 (火)

こんにちは。今日はほうれん草の間引きについて報告します。

そろそろ間引きをしようと思っていた矢先、ほうれん草に思わぬ悲劇が起こり、急遽今日間引きしました。その悲劇が何かというと、誤ってほうれん草にハンガーを落としてしまったのです。20161213165537-78e748d29cf67464cd8e99a905f39e519ecb5f8e.jpg茎が折れてしまい、これはもう回復の見込みなしとみて、一本間引くことにしました。幸いもう一本は被害が少なかったので、栽培は続けられます。

間引いたのは紙で茎を補強した個体で、成長速度が一番早かったもの、残ったのは前の間引きの時一番将来性があった、中央の個体です。ちなみに「ほうれん草をほうれん草っぽくする作戦」は、補強したもののさらにもたれかかってきて、効果が見られなかったので、失敗に終わりました。もっと茎の上の方を補強すればよかったのかもしれません。余裕ができれば残った個体でまた挑戦してみたいと思います。

便宜上、間引いたものをA、残ったものをBとすると、Aは葉の数が17枚、草丈が約25㎝でした。いっぽうBの葉の数は14枚、草丈が約25㎝でした。配布されたプリントには、草丈が25㎝くらいになったら順次収穫してもいいと書いてありましたが、まだ剣葉もあまり生えていないので、Bはもう少し栽培を続けてみようと思います。

つづいて試食の報告に入ります。まずは小鍋にお湯を沸かし、ほうれん草を入れて1分弱茹でました。20161213173138-ae7a52660e52c2bd3c2f54aa57fc2ded642cf3bb.jpg茹でる前は色も薄く、青臭いにおいが強かったので、ちゃんと味があるか心配だったのですが、茹でているとみるみるうちに鮮やかな緑になり、安心しました。そのあと水でシメて水気をきります。まずは何も味付けせず食べてみると、なんとちゃんとほうれん草の味がしました。感動です!今度は醤油とだしの素をふりかけ、おひたしにしました。これもまたうまかったです。20161213175323-ff0372580897ba42168d4423eaf2a9982eb602d3.jpg

あと一つに残ったほうれん草は、成長が止まるまで大事に育て、頃合いを見計らって食べようと思います。

P.S. ずっと放置していたんですが、以前土寄せをしたときに紛れ込んだ植物がすくすくと成長しています。ほうれん草ではないことは確実なんですが、いったい何の植物なのでしょうか。20161213224713-b91724edc29cec08aaa712b5d6a6e869715c2179.jpg

コメント

渡辺さんこんにちは。

 何かの出来事で急に、ということはあると思います。25cmにまで育った後でよかったですね。茹でた写真を載せて頂いて、とてもホウレンソウらしくおいしそうです。一分間は少し長すぎな気もしますが。昔、ホウレンソウにはシュウ酸が含まれていてカルシウムの吸収を妨げるため、よく茹でて、という話がありました。今はそこまでのシュウ酸はないということで電子レンジ調理であったり生食にも使われたりしていますね。

 残りの株は枯れてきたり異変がないかぎりそのまま生長させてもかまいません。茎が伸びて花をつけるくらいになれば苦くなりますが、それは相当先の初夏の話です。鉢に新たに生長してきた植物、写真で見るとホウレンソウに見えます。植物の種には極端に発芽や初期成長の遅いもの(生存戦略のため)も混ざっていることがあります。しばらく育ててみて下さい。ホウレンソウでなければ食べてしまうというのもあり、ですね。一般的な野の草には毒のあるものは滅多にありません。ドクゼリやジギタリスなど多くはありません。味はともかく食べられると思います。

それではまた変化を教えて下さい。ラボスタッフ・オガタ