東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表(文:村上敦哉)

2017年1月19日 (木)

最終発表とは言いながら、他の皆さんに比べて投稿数が明らかに少ない。
中間発表で、「記事の更新頻度を高める(ためている報告を早期にあげる)」ことを目指していたのに、それもできず。
中間発表後は体調がすぐれない日々が続いていたとはいえ、本当に情けないです(実は今も風邪気味なのですが......)。
発表したいこと(豆苗の生育記録など)をまだ上げきれていないので、
今後も記事をあげていくことになるかと思います。

ですが、ここで最終発表として与えられた課題について一通り消化します。

まずは現状について。

Murakami-0119-01.JPG
【データ】
1月19日7時半
室温13.0℃、室内湿度60%

【豆苗】

中間発表の時点では(C)スポンジカットの2度目の収穫を目指していました。
やはり根をしっかり張れていることがあるのか、1回目の収穫後もすくすくと伸びていきます。

Murakami-1121-02.JPG↑11月21日

Murakami-1128-01.JPG↑11月28日

最終的には13㎝ほどにまで成長。
しかしこの辺りから根に異変が。

Murakami-1121-03.JPG↑11月21日

カビでしょうか。黒い斑点のようなものができてきました。
スポンジも恒常的に水を含む状態となり、乾ききった状態になることがなくなってきました。
スポンジが交換できればいいのでしょうけど、根を傷つけるのでさすがにそれはかなわず。
結局11月30日に摘み取りを行いました

現時点では栽培の一切を終了しております。


【小松菜】

Murakami-0119-03.JPG結局、大きいもので16㎝ほどの丈になるまでに成長しました(今日時点。目盛りが見にくいかもしれませんが)。
葉っぱの大きさも市販のものとそん色なくなってきました。
ただ、寒さで消費するエネルギーをまかなうので精一杯になっているせいか、
ここ最近はこの状態からほとんど成長していません。

Murakami-0119-04.JPG小松菜の根元が紫がかってきてもいます。
どこの記事にあったか覚えていませんが、これも寒さを感じているサインだったと記憶しています。

このように、寒さについていろいろと対策を取らねばなりません。
ここ最近は24時帰宅になるなど夜の時間帯の管理がなかなかできません。
管理できるときには、
・密室なので時折換気して新鮮な空気を取り入れる
・あまりにも寒ければ部屋の中心の方へ持ってくる
・暖房によって、普通に育てるよりも土の乾燥がひどくなると考えられるため、週1とは言わず、土が乾いたらすぐに水を与える
などして対策しています。
カリフラワーもそうですが。

小松菜に関しては、間引きも兼ねて、小さい株のほうは収穫してもよいかなと思います。
近日中に行いたいです。


【カリフラワー】

こちらもなかなか成長しません。
個人の反省ではありますが、こちらは葉を枯らしてしまうことも多くありました。
水か肥料かが足りないのでしょうかね。

Murakami-0119-02.JPG

心配なのは、茎や葉の大きさが、カリフラワーができることを考えたときに、実に心もとないことです。

茎は直径5㎜。葉っぱも親指ほどの大きさです。
過去に書いた花蕾のつき方を考えると、もう少しサイズがあった方がいいように感じます。

これに関しては、ひとまず経過観察です。


以上、報告でした。
本音を言えば、植え替えないしは間引きをしていかなければならなかったかなと今になって痛感しています。
たぶんそうした方が成長に使えるよう分も確保できたのでしょうね。。
報告後に実践してみたいと思います。



さて、指示された設問に回答してまいります。
過去に何があったかも踏まえながら書いてまいります。

(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。これまでのプレゼンに使ってないような写真があれば、それを掲載してもOKです。

植物を栽培していて実感していたのは、元気がなさそうな様子が見られたときに、
どのように対処すべきか考えるのが大変だったな、ということです。

12月に入ってからは、ベランダでの栽培はさすがにもうきついだろう、ということで、
自室の窓際での栽培にシフト。
そのあたりから、時折植物が元気をなくしていきます。
そのような中で、いかにして状況を立て直していくか、かなり神経を使った気がします。
実例は(2)で書くことにしたいと思います。そこともかかわっているためです。

一方で、良かった点としては、植物を完全にダメにはしなかったこと
そして「農家さんの大変さを知る」という、初回に立てた目標をある程度達成できたことです。

植物を小学校の理科ぐらいでしか育ててこなかったのですが、
今回のように、ここまで長期間やり遂げられたことはなかったと思います。
栽培をする際に工夫しながら行えた部分も大きいと思いますが、
なんといっても、植物のバイタリティの強さが想像以上だったこともあるのかもしれません。

さらに、農家さんの大変さを知るという観点についても、
毎日これだけ野菜について気を使っているからこそ、
我々のもとにおいしい野菜が出回っているのだなと実感しています。
一つの野菜を作るだけでもこれだけ労力がいるのに、
たくさんの野菜を作る農家さんには頭が下がります。

ましてや、有機栽培、無農薬栽培の農家さんは、
虫や除草、病気の問題も薬に頼らず解決しなければなりません。
こういった農家さんは、自分以上に工夫を山ほどやっているのでしょう。
そういったことに思いをめぐらすことが、思っていたよりもできたので、
そこはよかったかなと思います。


(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

植物の観察眼を養う、ということについて先に書かせていただくと、
他の方には及ばないとはいえ、確実に伸びてきたかなと思います。

特に実感しているのは、植物が弱っている時、
原因によって現れる症状が違ってくると気づいたことです。

例えば、小松菜。
12月以降、茎が力強く自立することなく、まるでターサイのように少しペターっとした状態になることが何度かありました。
(ターサイは太い茎のようなものの真横から葉が出ているので、小松菜とは全く違うのですが、イメージとして)

初めてそのようになったとき、土の渇きが確認できたので、
「恐らく水分量が足りないときのサインなのだろう」と予想。
そのうえで、水やりをきっちりと行い、晴天時にはがっつり日に当てるようにしたところ、
1日で植物は復活。元の姿に戻りました。

それ以降、些細な変化も見逃せまいと、観察することに俄然意識を強く持つようになりました。
こういった意識という観点でも、成長できたのかなと思います。


では、本題の波及効果という点についてですが、
これについては、単純に目的意識をもって物事を見るようになったということがあげられます。

植物を観察するにあたっては、何か目的意識がないと物事に気づけないこともあると学ばせてもらいました。
上記にあげたような変化に気づくうえでも、やはりここを見なければ、と思わなければなかなか見ないものです。
そういった経験を通して、今やっていることの目的は何なのか、しっかり考えるようになったと思います。

この講義によって得られるものは何だろう。
任された依頼は、相手にとって、自分にとって何がプラスになるだろうか。
こういったことを考えながら生活するようになり、
目的意識をもって過ごせるようになったかなと思っています。

(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。これまでの発表のHPを参照してもOKです。

おっしゃるとおり、毎日観察を行う日々で、かなり大変でした。
記事にはできなかったものの、観察と栽培は休む暇もなくできていました。

そのことによって、何かあったときでもいろいろな工夫をして乗り切るということを学んだと思います。
(1)では大変だったと書きましたが、それでもある程度実りにもなったのではないかと思うのです。

他教科というわけではありませんが、実例を一つあげます。
私はボランティア活動を継続して行っている身ですが、
活動するにあたっては様々な企画を動かしていかねばなりません。
2セメスター以降は企画をどんどんと任されてきています。
その際には様々な課題があったり、相手方の悩みを解決する必要が(もちろんですが)あります。

それを解決するためには、原因を分析したうえで、
このように戦略立てて、このように工夫すればよいと考えなければなりません。
こういったプロセスを、時間がたつにつれて習得していくようになりました。

この講義では、生き物である植物を相手です。
ボランティア支援は人間が相手ですが、栽培は植物が相手というだけ。
だから、自然と講義(栽培)の際に工夫した経験が、
ボランティアの場でも生きてきたのではないかなと思います。


(4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

これが8記事目ということを考えると、相対的に少なく、この項目について自分が話すのは気が引けますが、
この記事数でも、明らかに他の講義と比べて、文章にする回数と量は圧倒的に多いでしょう。
そのため、自分の中で実感していることが少なからずありました。
それは、記事を書くときにどのようにすれば読みやすくなるかを考えるようになったことです。

構成を立て、論理に一貫性を持たせることはもちろんですが、
この言葉は難しくて理解してもらえないだろうから使わないようにする、
ここは受動の表現で書いてしまったけど、能動の良い方のほうがわかりやすくなるよな、
など、細かい部分にも気を配って文章を欠けるようになったかなと思います。

おかげさまで、その実感がサークル活動中に得られるようになりました。
以前お伝えしたか定かではありませんが、私は報道部に所属し大学新聞の記事を書いています。
そこでの話なのですが、ここ最近1面トップなど大きな記事となって掲載されることが多くなりました。
この記事を河北新報さんにも取り上げていただいて、ありがたい限りです。

原稿の初版を出す際にも、先輩方にもよくまとまった文章を書いているねと評価されるようにもなりました。
これは、人目につき、永久に残るものとなるのが文章なのだと、
この講義を通じて実感できた部分が一つにあると思っています。

少しの活動でこれだけの対価をもたらしてくれたことには驚きしかありません......!


(5) 以上の(1)~(4)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

上記のように、もうすでにいろいろな場面で効果を実感している自分がいます。
したがって、そこまで目標を立てなくとも、これまで学んできてことを生かせれば、
十分に日常生活に生かせると思います。
今まで書いてきたポイントは、社会に出ていくうえですべて必要だと思います。
今までにもたらされた成果を今後も発揮できるようにするだけ、そのように思います。

収穫についてですが、小松菜、カリフラワーについては、もちろん今後とも栽培を継続していきます。
冬場は植物もそこまで劇的に成長するはずもないだろうと思いますので、
植物の異状をしっかり見つけて適宜対処することに重点を置きたいと思います。

実は種がまだいくつか余っています。
春場になったときに栽培すれば、より良い結果が出るような気がします。

文学部の場合、研究室に配属されることもあり、今後どれだけ時間がとれるか不透明です。
「秋冬野菜」を春に育てたらどうなるのか。
時間があったら挑戦してみたいなと思います。


最終報告の中身は以上になります。
自分の中では、今までの中で完成度を高めるのが最も難しい講義(?)でした。
評定うんぬんよりも、さすがに途中で物事をやめてしまうのはよろしくないことだと思いますので、
これからの記事執筆に(今度こそ)ご期待いただければと思います。
これからを考えれば、風邪を治す必要がまずあるのかもしれませんが。

ひとまず、渡辺教授、オガタスタッフをはじめ、この講義に関わる皆様に御礼を申し上げて、締めさせていただきます。
本当にありがとうございました!

(5115字)

コメント

文学部・村上さん

 遺伝の渡辺でございます。まず、何より大事なことは、体調管理でしょうか。競走馬で「無事之名馬」と言うのがあります。元々は、別の言葉に由来するもののようですが、。。しっかり体調管理をして、今後の大学生活を送るようにして下さい。コマツナは、他の受講生のを参考にしてもらえるとよいのですが、食べ頃ではないかと思います。そんな判断も自分で行うこと、そんなことをこの講義を通じて、学んでほしかったことです。見て、考え、実行すると言うことです。同じアブラナ科作物ですが、カリフラワーの方は、水管理がよくなかったのでしょうか。図版からは、水の具合がよくわからないので。いずれ、カリフラワーは、春にはできるかと思います。この栽培管理が、室外で行われていれば。室内でずっととなると、春化処理というのが起きないので、花が咲かない可能性があります。その当たり、これからもがんばって収穫までこぎ着けてもらえればと思います。

 さて、前置きが長くなりました。今回栽培しているコマツナ、カリフラワーは、今の時期に露地栽培されています。ですので、基本、これくらいの寒さには耐えるようになっています。その当たりは、植物のすごさを改めて、実感するためにも、どこかのタイミング、日も長くなってきましたので、日中くらいは、外に出してみるとか。その当たりは、トライアンドエラーをやってみるというチャレンジ精神も見せてほしかったですね。と言うか、これから、トライしてみて下さい。コマツナがターサイのようになるというのは、かなりの水不足ですね。。。それでも水をあげれば、復活して、今日のようになっているのは、ある種、すごいことです。よく見ていると思います。できれば、その時、土が乾いている、つまり、水がない、と考えたら、次からは、そうしないようにすると言うことがあればよいのではと。

 記事にはなってないものの、毎日、見ていたから、ここまで野菜が大きくなったのだと思います。そんな観察したことが、ボランティアで活かされたというのは、よいことだと思います。ぜひ、継続してがんばって下さい。報道部にいらしたのですか。新聞に顔写真が入って出ているというのは、すごいです。渡辺も何度か、河北新報には、記事を取り上げてもらいました。12月末にもNature Plantsに論文を載せたのを大学のtop pageにも載せたのですが、前回のNatureとの区別をうまく説明できてなかったようで。。。何かのおりに、取材頂けるようなサイエンスをしたいと思います。話はそれましたが、記事ができあがるのを見ていて、形になると、そのうれしさはわかるのではないかと思います。その当たりにこの講義が貢献できたのであれば、開講した側としては、ありがたいですね。今回の講義がいろいろな意味で、これからの大学生活、社会人になったとき、あんなことをしてよかったと思って頂ければ。。。もちろん、春に育てると、どうなるか、試してみて下さい。あと、記事のuploadも。コメントは、もちろん、行いますので。苦労した分、きっと、何かが形になってくれることを期待して。。。ということで、また、どこかでお目にかかれることを楽しみにしておりますので。。。


 わたなべしるす