東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【9】コカブ寒くても頑張るぞ編(工:佐々木ひなた)

2020年12月25日 (金)

こんにちは!工学部の佐々木ひなたです。

本日はメリークリスマスです!!

今日の写真は、飼い猫にへし折られたアボカドを放置していたら、まだ死んでおらず芽が出てきたの図です。

どんな困難があっても、へこたれない植物の生命力を感じました!!!!

寒い日が続いていましたが、12/23、24と気温が上がり、暖かい日差しもありました。
ほとんどの方が触れていることですが、なんといっても、その前までは厳しい寒さに加えて雪!

前回投稿の<【8】コカブ大丈夫か?編 >では、この寒さに植物は耐えうるのか??という疑問を残しましたが、その後に投稿された渡辺先生の記事とオガタさんからのコメントを読んで少し安心した気持ちになりました。

予想外の事態が起きたとき、こうやって先生がアドバイスになることを逐一書いてくださるのは、本当にこの展開ゼミの良いところだと思います。


今回のテーマはコカブの途中経過です。

コカブの途中経過編

 コカブは、土の上にカブの白い本体部分が少し見えてきたこともあって、収穫というゴールが近づいてきているのではないかと、勝手にわくわくしています。


種蒔きから70日目
12月21日 13:10 3.7℃ 湿度62%

 寒くても植物に水は必要ですし、前回の水やりから普段よりも日数がたっていたので、渡辺先生の記事を踏まえ、まずは天気予報をチェックしました。水やりのタイミングを図る為です。

 Yahoo!天気によると、私の住んでいる地域は最高気温が5℃で前日より+5℃、最低気温は前日と変わらず -3℃ になる予報でした。最低気温は変わらず低いですが、日中から翌朝にかけては氷点下になることはなさそうだったので水をあげました。

写真を撮り忘れてしまいましたが、様子は前回投稿の記事に載せたものとほとんど変わっていませんでした。



種蒔きから72日目
12月23日 12:45 天気:晴れ 気温10.6℃ 湿度49%

1223コカブ萎れた.JPG

 前日に水をあげましたが葉の萎れ具合はあまり変わりませんでした。もう細胞が死んでしまったのでしょうか...。工学部の北川さんが書かれていて気づきましたが、鉢に触れていた葉は特に萎れており、自立していません。

 12月8日ではコカブの葉の背丈が約13㎝でしたが、この日は9㎝ぐらいです。

▼12月8日のコカブ

1208コカブ横から.JPG

▼12月23日のコカブ

1223コカブ横.JPG

 また、11月30日ではコカブの葉の横への広がり具合が約16~17㎝ですが、この日は21㎝程になっています。これらを見ると、やはり、約3週間前と比べて葉が横に寝ていることが分かります。

▼11月30日のコカブ

1130コカブ上から.JPG

▼12月23日

1223コカブ.JPG


 高さがあっても冷たい風にあたって凍みてしまうだけですし、丈が低くなるのは植物の知恵なのか、それともただ元気がないだけなのか...。

 しかしながら、冬の野菜は寒さで甘くなると聞いたことがあるので、多少葉が傷んでもあまり気にしすぎず行こうと思います。

気になったこと

 北川さん12/22投稿の記事についてですが、オガタさんからのコメントで、


    花芽が出たのであればそれが収穫の時期となり、栽培も終わりになります。


とありましたが、コカブはそのような収穫の合図があるのでしょうか??

 

 ネットを見ると『直径〇㎝ぐらいになったら...』や、『種まきから〇日たったら...』など書いたありましたが、このように植木鉢栽培ということも考えると目安はあるのでしょうか??

 

 カブは育ちすぎると割れてしまうらしいのでそれは避けたいですが、焦って収穫して生長不足というのも悲しいので気になりました。

コメント

佐々木さんこんにちは

 ほうほう、アボガドが再び目を出しています。しかーし、ネコを甘く見るとすぐさま同じ目に遭いますね。それがネコというものです。

 さて暖かい日にはゆっくり成長し、寒い日には動きを止めて耐えるのが植物です。世話は順当に行って下さい。ただし水やりは油断してもいけないのですが、少し減らし気味でもいいかもしれません。なぜなら鉢に水分が多過ぎるとそれが氷点下で凍り、そのこと自体はいいのですが土が持ち上がるため根を物理的に痛めてしまうからです。まあ定性的な話はできるわけですが、具体的にどの程度と言われると難しいのがなんとも言えません。なぜなら気温と状態によって程度が変わってくるためです。

 今回の報告では「天気予報」の話を出されています。これはいいですね! せっかくそういう予測ツールがあるわけですから参考にしない手はありません。非常に有用です。見るべきポイントは極度な低温で凍るかどうかと、日中の気温が急激に上がって萎れないか、です。いずれにせよ気温の上下だけで枯れることはないとしても、気になる所ですね。

 萎れてしまった葉は枯れるかもしれませんが、株の中心にはあまり影響ありません。それよりコカブになる白い部分が少し見えています。楽しみなことです。収穫時期の最大限度は引用してくれた通り花芽が出るまでです。3月に入ると花芽の準備を始め、植物は全てのリソースをそっちに振り向けます。せっかくカブの部分に貯めた栄養を根こそぎ持っていきます。もちろんその時点からカブは大きくなりませんし、味も急に悪くなります。難しいことを言いますがカブの仲間(ダイコンでも)は「一年草」といって、花と種子が付くとそこに全エネルギーを使い、枯れていきます。次世代の種子に全てを委ねるという生き方です。

 種子袋に書いてあるのはそのずっと前の収穫期です。標準的な時期に標準的な栽培法をするとどのくらいの期間で収穫できるかを書いてあります。しかしながらそれはあくまで「標準」であって、この展開ゼミは時期外れ(仙台にしては遅過ぎ)なのと植木鉢栽培であることが相まってかなり生育は遅延していきます。目安はそこではなく、コカブの直径ですね。もちろん市販のもののようになって収穫すればいいのですが、おそらく花芽形成ぎりぎりまで待ってもそこまで至るか...... 植木鉢で立派に見えても取り出すと案外小さなものです。

 逆にいえば小さくてもいいなら、収穫可能までもう少しでいけると思います。ちなみに根が割れることは気にしないで下さい。ダイコンよりもカブは割れにくいものですし、万が一割れてもそこから深く入って腐ることはまずありません。

 最後に葉がペタンとしていることについて、これは植物の寒さ対応です。雪の重みや、強風で葉が折れないためです。そして寒さで光合成能が衰えていますから、光を受けようという意図があるのかもしれません。

 さあ、展開ゼミもあともう少し、頑張って収穫を迎えましょう!

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