東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終報告-違和感と観察眼-(工:山田唯人)

2022年1月20日 (木)

こんにちは。

工学部機械知能航空工学科の山田唯人です。

今回は、最終報告をしていこうと思います。

この展開ゼミを受けるに際して、スキーの合宿に行くために家を長期間空けたり、植物をとてつもなく徒長させたりとなにかと未知なことばかりで、植物に悪いことも沢山してきたと思うのですが、その展開ゼミももう終わってしまうのだと思うと感慨深い物があります。

上の写真は自分が北海道に合宿に行った時のスキー場です。やっぱり自分を象徴するものはスキーだったのでこの写真を入れてみました。これからもスキーは頑張っていきます!

<栽培をする上で想像していたよりも大変だったこと、上手くいったこと>

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 私がこの講義を受講し、植物を栽培していく時に想像していたより大変だったことは、第10回の記事などで記入した、スキー部に所属しているせいで、冬になってから寒い間に長期間家を空けなければならなかったことです。寒い間長く家を空けていたときに、植物が弱ってしまったりしていて、寒さ対策を十分にできなかったことが植物の栽培で大変だったことです。

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 また、植物の徒長も栽培する上で大変でした。最初徒長してしまったときは、自分は植物を栽培するのはほとんど初めてな上に、秋冬野菜を栽培するのは完全に初めてだったので、徒長が起きているのかもわからず、対策もほとんど手探りでやっている状態でした。そこから山田さんの徒長の記事や先生のコメントなどを参考にしていって対策をしていきました。その対策では2つの植物は回復して、もう1つは回復することが難しかったのですが、この徒長はだいぶ大変だった上に難しかったです。

 逆に上手くいったこととしては、ある程度の徒長はあったものの、初めて野菜を栽培するにしては上手く植物を栽培していくことができたということです。この展開ゼミは、はじめは、自分は自炊をしているのだからその自炊に使用する野菜などもつくってみたいと考えて受講し始めてみましたが、栽培をした経験がなかったので、本当に自分が植物を上手く栽培することができるのかという不安を持っていました。しかし、実際に栽培を初めていき、様々な困難を調べながら解決していくなかで、対策を探し出し、なんとか上手く育てていくことができました。

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<この講義以外の講義への波及効果>

 この講義で沢山植物を観察することで、かなり大変なこともあったのですが、自分なりには植物に対する観察眼が少しは身についたのかなと考えています。その観察眼としては、私はこの展開ゼミの中で植物を観察していくうちに、何か物を見たときに違和感を覚える、というものを身につけていくことができたと考えています。展開ゼミを進めていく中で毎日植物を観察していき、その中で前に植物を観察した時との変化を観察していきました。そのうち、前の観察との変化を判別するときに、写真を比較して変化を見抜いていくこともありましたが、どこらへんが変化したのかという判断は写真を見たり、植物を見たりしたときに自分が前回植物を見たときに何か違和感を覚えることから始めていました。そのような観察を繰り返していくうちに、物事を見るときに何か違うと考えたところに違和感を覚える能力を伸ばしていくことができるようになっていったと思います。

その観察眼の波及効果としては、新見有紀子先生の課題解決型(PBL)授業で役に立ったと考えています。この講義は学生が企業の方と話をしたり、企業のことをしらべていき、そこから見つけ出した企業の問題点などを調査、解決したりしていくという内容になっていますが、この講義で身につけた小さな変化にも気づいていくという観察眼が課題解決型(PBL)授業の企業の問題点を発見していくという部分や企業の問題点の解決方法を調査するときにアンケートをしていく部分で役に立ちました。この講義では企業の問題点を調査するときに、企業を訪問したり、企業についてインターネットや企業からもらったデータを使用したりして調査していくのですが、そのときに何か違うなと違和感を覚えたところなどから問題点を洗い出していって最終的にその問題を解決していくことができていました。

<毎日の観察をする上で身についたこと、感じたこと>

 この講義では毎日植物を観察していくことが必要で、その毎日継続して観察を続けていくということが私にとってはかなり大変だったのですが、その毎日の観察をしていく中で、私は、毎日継続していくことの大切さを感じました。この講義では自分が育てていた植物が徒長してしまうなど、困難なことが色々ありましたが、その為に土寄せや水やりなどの対策を毎日していたところ、徒長などの問題を解決していくことができたので、毎日継続して何かをしていくことの大切さを感じていました。

 また、毎日の観察をしていく上で、植物の生命力の強さも感じていました。今回の展開ゼミで植物を育てているときに、第11回の記事などで書いたのですが、スキー部の合宿などで長期間家を空けなければならず、その間自動給水器に水やりを任せてそれ以外のことはできなかったのですが、それでも植物は少ししおれてしまったものの枯れずに生きていました。また、コカブなどは最初の方に徒長したもののそこから見事に回復して最後の方には葉も大きくなり、茎などもだいぶ太くなって立派になっていきました。このようなことで私はこの展開ゼミで植物の生命力の強さを感じていました。

<文章を書く上で開始前と後でどのような変化があったか>

 自分がこの講義を受け始めた頃は時系列に記事を記載することしかしておらず、植物ごとの対比や特定の植物に集中して記事を掲載することなどがなかったので、毎回同じような記事になってしまっていました。また、写真の撮り方も前回からの比較や、葉の大きさの判断を判別することがあまりできないような写真になってしまっていて、reader-friendlyな記事になっていなかったので、読者がかなり読みにくい記事になってしまっていました。講義の後半になっても記事の改善点はたくさんあったのですが、冬になって長期合宿に行くようになったので、合宿前後の対比を植物ごとに書いて記事にすることや、合宿のために長期間にわたって家を空けるのでその期間に水やりが途切れないようにするために自動給水器を買ってそれに関した記事を作ったりと、少しは読者が読みやすいような記事を書いたりと、reader-friendlyな記事を投稿する努力をしてきました。

 また、この展開ゼミを受講し始めたときには長い文章を書いていくことが苦になっていて、毎週の投稿の為の記事を書いていくのにも長い時間がかかっていました。それが最近になって何週も記事を投稿していくうちに長い文章を書いていくことになれてきてそこまで苦でなくなっていき、記事を書いていく時間も短くなっていきました。この講義の以外の他の講義でも長い文章を書いていくことが多いのですが、そのような機会にも文章を書く時間が短くなってきて、文章の内容も良い文章を書くことができるようになっていきました。

<自然科学的なものの見方を学ぶ点について自分が習得することができた点、研鑽を積む必要がある点>

 私がこの講義を通じて自然科学的なものの見方を学んでいくうちに習得できたのは、この講義以外の講義への波及効果の章でも記載したのですが、やはり違和感を覚えるという観察眼を習得することができたのではないかと考えています。この展開ゼミで毎日植物を見ていくうちに様々なことへの観察眼が磨かれていきました。

 反対に、研鑽を積む必要があると感じた点としては、この講義と日常生活の中で発見した様々なことに結びつけることができていなかったと言うことです。他の人の記事では、例えば経済学部の佐藤さんの12回目の記事では仙台で有名なライトアップである、定禅寺通りで12月に行われていた光のページェントと、そのライトアップに使用されている植物であるケヤキの関係について色々調べて記載してありました。私はこのような日常生活で自分が見つけた物とこの講義のテーマである植物を関連付けるような記事を書いてこなかったので、そこが自分にとって研鑽を積む必要があった点なのかなと考えています。

<コメントにどの程度followできたか、意味があったか>

 私は最初のほうは先生のコメントをあまり見ていなく、コメントにfollowできなかったですが、この講義の最後の方になっていくにつれてだんだん先生のコメントにfollowすることができるようになっていきました。例えば、第12回の植物の寒さ対策についての記事などでは、先生がこの前回の記事のコメントで指摘してくださった寒さ対策について掘り下げて記載することができていました。

<中間発表で目指した点がどれだけ達成できたか>

自分が中間発表で注意すること、目標とする点として記載したことは、観察などは合宿のない時に頑張り、合宿に行っている間に記事を書いてその更新をする、ということと、自分の書く記事を中間発表前と比較してどんどんreader-friendlyにしていくということです。

最初の目標の合宿中に記事を更新していくことについては達成できたときと達成できてないことがありました。合宿中に記事を書いていくことはできましたが、合宿所のWi-Fiに上手く接続することができなかったり、合宿所にそもそもWi-Fiが無かったりして記事を更新していくことはできませんでした。

 また、2個目の目標である、記事をどんどんreader-friendlyにしていくという目標はある程度は達成できましたが、完全には達成できなかったと考えています。この講義で文章を書き始める前と後の文章の変化の章でも記述したのですが、中間発表前は時系列に記載することしかしておらず、特定の植物にフォーカスして特集を組んだり、植物ごとに写真を並べて比較していったりしていくようなことを全くしていませんでした。それが中間発表後は、合宿から帰宅後に合宿前と合宿後の植物ごとの比較記事を出したり、コカブに集中した記事を出したりと、少しずつではありますが、読者に読みやすいような記事を出していっていたと考えています。しかし、記事の中で写真を全景でなくアップで掲載したり、文の中にアンダーラインを引いたりすることなどがあまりできておらず、文章のテーマや記事の構成を変えてreader-friendlyにしていくことはできていたと考えていますが、文章の中身を特に読者に読みやすいように変えていくことはあまりできていなかったのでは無いかと考えています。

<この展開ゼミで学んだ内容を日々の生活にどのように生かして行くことができるか>

 私がこの展開ゼミの講義を通じて学んだことで特に日々の生活に生かして行くことができると考えるのはやはり植物を毎日観察していたことで身についた、違和感を覚える、という観察眼であると考えます。自分は工学部の機械知能航空工学科に所属していて、これから先の進路として航空系や自動車系のコースに進学していきたいと考えているので、これからの大学生生活で植物の栽培に関わっていくことはほとんど無いと考えていますが、これから工学部の実験などを講義でしていく時に、違和感を覚えるというような観察眼が生きてくると考えています。

 また、この展開ゼミで長い文章を書き続けていて、長い文を書くことに少しはなれてきたと自分では考えているので、その長い文章を書くスキルもこの先航空系や自動車系の進路に進んで行く中で実験や研究の論文やレポートを書いていく中で生かしていくことができるのではないかと考えています。

 講義が始まってから今回の最終レポートで講義が終了するまで、植物を育てて来ましたが、キャベツが育ちきっていなくて収穫ができない他、カイワレダイコンの種が家に余ってしまっています。その植物についてなのですが、キャベツは結球するところまで葉が生長しているかが微妙なところなので、キャベツはもう少し育てながら葉を大きくしていって、春になって気温が上昇し、葉が完全に育ったら結球させるようにして、スーパーで販売されているような完全なキャベツの形になるまで待ってみようと考えています。また、カイワレダイコンの種については、冬の間は合宿などで忙しく、育てているひまがあまりないのですが、春になったらスキー合宿もなくなっていくと思うので、家で育てていってみようと考えています。また、徒長してしまっているサラダレタスミックスについてですが、家の中に避難させて少し温めてみたり、土寄せをしてみたりして徒長をなんとか改善させ、それから成長させていって収穫を心待ちにしてみようと思います。

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コメント

工学部・山田さん

「違和感」という言葉を使って、事象の変化を捉えようとしたという表現は初めてのように思います。昨日、しばらく前と何かが違うという感覚を持つことは大事なことです。植物の変化は自分の感覚の中かもしれないですが、理工系の違和感というのも数字で表されることもあるかも知れないですが、そこに現れないこともあると思います。是非、その感性を高めて下さい。毎日が「展開ゼミ」という言葉が多くの受講生に使われました。植物の変化、管理をやろうとすると、必然的にそのようなことが生じます。もちろん、学部、大学院で行う実験も同じように一定の間隔で継続的な計測などが必要です。これを機会に是非身につけて下さい。そこから見えてくるものは何かということを考える訳なので。

文章を書くのは特に、理系の学生さんによくあることです。でも、実際には報告書などたくさんの場面で文章を書くことが求められます。慣れるまでは大変なことのように思いますが、一度身につけば、そのレベルが下がらないように文章を書いていると多様な表現力も身につきます。先に投稿している2名の受講生はそんな感覚を身につけたようです。やればできるのだと思いますので、是非、継続的な文章作成を心がけて下さい。

部活と平行してこの講義は大変だったと思います。ただ、WiFi環境について、1度うまくいかないことがあったら、次の時はどうなるのかということを考えるきっかけにしてほしかったですね。誰しも失敗は起こります。でも、その失敗を次の成功に行かすことができるはずですから。reader-friendlyということは皆さん色々と工夫をしていたと思います。今回の最終報告を見ていて、項目のfontをboldにするくらいでよいので、行っていたらもう少し見やすい「最終報告」ができたのだと思います。ちょっとした心遣いかもしれないですが、気をつけてください。

手元にまだ栽培途中の野菜があるということ。是非、このタイミングならというまで続けて見て下さい。同じような野菜を栽培している他の受講生の収穫の時期を見ると、分かると思います。過去には栽培したけど、花が咲いて蕾を食したという方もいました。いずれ、自分で作ったものを収穫できるというのはうれしいものです。航空系、自動車系のコースに進まれた時にも同じように何かができる、達成されるということは数多く経験すると思います。そうした達成感も実験をすることの楽しみの1つです。植物という工学とは異なるものだったかもしれないですが、今後の活動に活かされるのであれば、講義を開いたものとしてはうれしいことですので。これからもがんばって下さい。


わたなべしるす