東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終報告 ~事実を疑おう~(農:五十嵐大眞)

2022年1月21日 (金)

こんにちは!農学部1年の五十嵐大眞です。

1月はあまり雪降らないのかなと思っていたら、普通に降りましたね。やっぱり仙台は寒いです。ということで先日、電気ヒーターを買いました。エアコンは電気代が高いので・・・。ストーブほど暖かくはならないですが、足元はしっかり温めてくれます。値段は3500円くらい。最近、ものを買うたびに罪悪感を感じます。というのも、自分はまだバイトをしていないので、自分が消費するお金は親が稼いでくれたお金です。そろそろ自分でバイトをして、自分で稼いで自分で家賃や食費を賄えるようになりたいです。部の同期や先輩にウーバーイーツをやっている人がいるので聞いてみようかなと思います。

さて、取り留めのない話になりましたが、今回は最終報告をしていきたいと思います。よろしくお願いします!


目次


1.栽培を通して大変だったこと、上手くいったこと

2.違う科目への波及効果

3.観察を通して身についたこと、感じたこと

4.文章力の変化

5.客観的、科学的な視点について

6.コメントにどの程度followできたか、意味があったか

7.中間発表後の自己評価

8.今後に活かすこと


1.栽培を通して大変だったこと、上手くいったこと


栽培を通して大変だったこと(上手くいかなかったこと)

①こまめに観察してささいな変化に気づかなければいけなかったこと

IMG_20211029_123052.jpgIMG_20211101_101638(1).jpg上の写真は10月29日のミニ白菜で下の写真は11月1日のミニ白菜です。私は29日にミニ白菜を観察したところ、少し葉っぱがへなへなし始めているのに気づかず、水をやるという対処をしないでそのままにしてしまいました。そしたら、2日後にはもう葉っぱがかなりよれよれで元気がなくなっていました。私はそこで、植物は敏感で、観察するときにはより細かいところまで見てあげないといけないことを学びました。また、できるだけ毎日観察して、変化に気づいたらすぐに対処することが大切だと思いました。植物の栽培は色々見ることがあって意外に大変だと感じました。

②水やり

私は栽培をしてきて、水やりの仕方が難しいなと思いました。最初、私は一日に一回ちょびちょび水をあげていたのですが、途中でそれではいけないことを学びました。(第五回記事)私なら毎日水を飲みたくなるので毎日水をあげていたのですが、植物には植物の事情があるのだなと思いました。

③間引きのタイミング

私はミニ白菜とについて、11月下旬くらいからずっと「そろそろ間引きした方がいいかな」と思っていました。下の写真は11月19日のミニ白菜の写真です。

IMG_20211120_201428(1).jpgこのころから密集していました。この後、一株を別の鉢に移植しました。他の株も間引きした方がいいかなとも思いましたが、移植する鉢がなく、そのままにしました。私は間引きをするにしても、できるだけ全部他の鉢に移植してもっと育てたいと思っていたので、取って食べることもしませんでした。しかし、行動が遅れに遅れ、気づいたら12月の下旬になっていました。

IMG_20211215_163115.jpg

IMG_20211228_094203.jpgこれは12月15日と12月28日に撮ったミニ白菜の写真です。一つ一つが大きくなってきて、隣の株同士で邪魔し合っています。私は28日にやっと決断して、一つの鉢に一株だけ残してあとは食べることにしました。

私が間引きをするのが遅くなってしまったしまったことで、植物に弊害を与えてしまいました。まず、一つの鉢に数株を密状態で育ててしまったので、一つ一つの株の発育が遅くなってしまったかなと思います。自分の記事小島さんの記事を見比べると発育の違いがよく分かります。それと、大きくなってから間引きをしたので、土の中には根が広範囲に張っていて、根ごと引き抜くことが難しく、移植するときに根が少し損傷したものを移植することになってしまいました。そのため、最後に移植したものはあまり元気がありません。下がその株の今の様子です。葉っぱがやや萎えています。

IMG_20220120_201324.jpgまた、間引きをするときに根ごと全部引き抜くことができなかったので、おそらく土のなかにはまだ間引きした株の根が張っていると思います。それが今残っている株の発育を阻害しているかもしれません。ミニ白菜にはとても悪いことをしてしまいました。

私が今回間引きのタイミングが遅くなってしまったのは、私の行動力がないからでした。「そろそろ間引きをした方がいいかな」という気持ちがありつつも、「まだ大丈夫だ」と思ってしまっていたので、どんどん間引きを先延ばしにして、結果的に植物の発育にとってよくないことをしてしまったと思います。今回の経験で、成長し続ける植物は待ってはくれないということを身に染みて感じました。これからまた植物を育てるときには、それを理解して早めの行動をするようにしたいです。

④ベランダでの栽培

私は今回、ベランダで野菜を育てました。ベランダには壁があったので、太陽の光がやや届きにくかったのが難点でした。また、これは畑などで育てる場合と変わらないと思いますが、ベランダに付いている屋根は大きくなかったので、雨や雪が降ったときは直接野菜に当たってしまい、水管理が難しかったです。特に、雪が降ったときは野菜の上に積もったまま中々融けなかったので、湿害の恐れがあって厄介でした。11月から12月にかけてすさまじい風が吹いたときも、落ち葉やゴミなどが飛んできて大変でした。

栽培を通して上手くいったこと

栽培をしてきた中で意外と上手くいったことは、植物が元気がなくなっても諦めないで水と肥料をやることで、野菜をまた元気にすることができたことです。これまで、何回か野菜の元気がなくなってしまったことがありました。特に、一度もう枯れてしまうのではないかというぐらいまで野菜が萎えてしまったことがありました。(第四回記事)しかし、その後あきらめないで育て続けたので一株も枯れることなく成長してくれました。野菜は本当に強いと思いました。

また、これまでの栽培で私は2回移植をしていて、そのときには100円ショップで新しい鉢を買って使いました。その鉢はプラスチックでできていて、先生から最初に頂いた素焼き鉢と違ったので、野菜が問題なく育つか少し心配していました。調べたところ、プラスチックは素焼きより軽くて割れにくいが、通気性が悪いということでした。しかし、今のところ問題なく野菜は育っています。意外とあまり変わらないのかなと思いました。


2.違う科目への波及効果


①観察力

植物の観察を通して少しながら観察力をつけることができたと思います。自然科学総合実験ではその観察力を活かして対象物をよく観察できたように思います。例えば、たまねぎの鱗片を顕微鏡で観察するときは、核の中に核小体が2つあるのに気づいたりと、高校で観察したときよりも細かいところに気づくことができました。また、振り子の実験をした際には、重力加速度を正確に測るためには実験道具のどこをどう直せばよいのか、よく見ながら考えて、実際に実験道具を改善して真に近い値を求めることができました。

また、授業ではないのですが、日々の生活の中で見かける植物に対する興味が湧いて、少しの間観察することがありました。その時に、なんで葉っぱが赤くなるのかとか、なんで大学の敷地にたくさん木が立っているのかとか、疑問に思ったことを調べてみると、生物のことだけじゃなくて、化学とか歴史とかの他の知識も知ることができました。そこで全部の科目が繋がっているということが分かったのでよかったかなと思います。

②植物の知識

私は生命科学の授業でもこのゼミの波及効果を感じました。自分は高校時代に生物科目を履修していないので、生命科学の授業は知らないことだらけで理解するのが大変でしたが、自分で野菜を育てていることで授業の内容がイメージしやすくなったと思います。また、習ったことを自分の育てている野菜を見て確認することができて理解に繋がりました。

③文章力

私は昔から文章を書くのが一番苦手で、長い文章を書くのが本当に嫌でしたが、このゼミを通して文章を書くことに免疫がついたと思います。自然科学総合実験では何度もレポートを書きましたが、意外に屈せずに書き上げられました。また、私は自分の書いた文章が相手に伝わらないということが過去にあったので、このゼミでは、記事を書くときに文章を何回も推敲しました。その結果、前より伝わる文章を書けるようになってきたと思います。他の科目のレポートでも、分かりやすいシンプルな文章を心がけています。


3.観察を通して身についたこと、感じたこと


身についたことは、植物を数値的に測る習慣です。私は最初、植物が成長していくのを見て、ただただ大きくなったと思うだけでした。しかし、先生から大きさを測るようにアドバイスを受け、また過去の受講生たちもやられていたので、大きさを測る習慣をつけました。最初は正直面倒だと思いました。ですが、やっているうちに慣れてきましたし、何より野菜の大きさが数値的に大きくなっていることが分かるので、しっかり成長していることを確認できるようになりました。また、写真を撮るときも、野菜と一緒に測りを一緒に映すことで、あとで写真を見たときに大きさの感覚が掴みやすくなり、振り返りもしやすくなりました。

それから、私は観察を通して、新しい視点を発掘することが大切だと思いました。最初のうちは芽が出てきて、葉っぱの枚数が増えてきて、茎や葉っぱの手触りや形、色が変わって観察するポイントがたくさんありました。しかし、ある程度育ってからは大きくなる以外の変化を見つけるのは難しく、記事の内容もつまらなくなってきました。それに比べ、農学部小島さん「白菜の比較ー生育速度・葉開度ー」、理学部山田さん「エチレンと老化」、経済学部林さん「ふあふあミックス実食!!」などの記事では新しい視点を見つけていてすごいと思います。私ももっといろいろな視点で観察できるようになりたいです。


4.文章力の変化


文章を書くいう点で、このゼミを始める前と始めた後で一番変わったことは、文章を書くときの気持ちだと思います。これまで私は、そもそも文章を書くことが少なく、書くことがあったとしても国語の問題や課題のレポートくらいだったので、どちらかと言うと誰かに伝えたくて書いているというより、自分が理解したことをまとめるような感じでした。しかし、このゼミでは読み手に読んでもらうことが前提にあったので、相手に伝える必要がありました。そのため、自分が分かるで終わらないで、読み手を意識して文章を書くようにしました

また、記事を書く中で単純に文章を書くのに慣れてきたと思います。初めは短い文章を書くのに何十分もかけていましたが、今はわりとスラスラ長い文章を書けるようになりました。レポートを書くときも、以前は指定字数に行かないことがありましたが、今は書いてると自然に字数を超えていることがあります。それと、以前自分は文法的におかしい文章を書いてしまうことが多々ありましたが、文法のミスにもすぐ気づくようになってきたと思います。


5.客観的、科学的な視点について


〇習得できたこと

この展開ゼミで習得できたと思うことは、観察しながら疑問を持つことです。私は以前は、どちらかと言うと現実をそのまま受け入れてしまうタイプで、なんでそうなっているのかについて考えたりしていませんでした。しかし、この展開ゼミを通して毎日野菜やそこらへんの植物を観察するなかで、今までただ受け入れてきたものに疑問をもつことができるようになりました。例えば、「紅葉はなぜ起きるのか」とか、「結球は何のためなのか」とか、「根・茎・葉の区別ってどうなってるのか」など見たものに疑問が湧いてきました。疑問に思うことはこれから学年が上がって研究をする際にも大事だと思うので、今後も考え続けるようにしたいです。

〇足りないこと

自分にまだ足りないのは、疑問に思ったことについて深く考えて、必要に応じて実験をして確かめることだと思います。私は何かしら疑問に思うことは多々あるのですが、気になったら自分でよく考る前に調べてしまいます。それに対して農学部小島さん「ダイコン赤房の悲劇ー低温注意ー」や理学部山田さん「エチレンと老化 実験結果」では、ただ調べるだけでなく、疑問に対して鋭い考察をしてあって、ときにはそれを実験で検証しています。今の時代、ネットで何でもでてきますが、それだけでは解決できないことがあるので、分かるまで自分で考えるということはすごく大事に思います。


6.コメントにどの程度followできたか、意味があったか


コメントにはおおむねfollowできたように思います。例えば、写真を撮るときに測りを一緒に映すようにしたり、水やりの仕方を「やるときはたっぷり。やらないときは放置」に変えたり、枯れた葉っぱを除いたり、スケッチをしたり、除雪をしたりと、アドバイスを取り入れることができましたコメントで自分の栽培や記事の投稿で気を付ける点が分かって改善することができたので、コメントは意味があったと思います。

あまりfollowできなかったのは、定期的な記事の投稿です。何回も言われてきましたが、投稿から次の投稿までで大きく間が空いてしまうことがありました。

しかし、記事を投稿するとすぐにコメントを返してくださったので、アドバイスの内容をすぐに自分の栽培に活かすことができてよかったと思います。


7.中間発表後の自己評価


〇良かった点

私は中間発表で掲げた、もっと細かく観察するということはよくできたかなと思います。野菜のどこからどこまでが茎なのか、結球はなぜできるのかをなどの疑問が湧いたのも、より細かく観察できたからだと思います。(第九回記事)また、他の受講生の記事を読む機会も増やすことができました。記事を読んだおかげで、肥料に関する他の人の教訓などを自分に活かすこともできたと思います。(第九回記事reader-friendlyについても、写真をたくさん使ったり、見出しをその記事の内容の要約となるよう分かりやすくしたりすることができました。

〇悪かった点

悪かったのは定期的な記事の投稿ができなかった点です。原因はひとえに私の実行力の無さです。コツコツ記事を書く習慣をつけることができませんでした。


8.今後に活かすこと


〇今後に活かすこと

このゼミでは、植物の観察を通して何かに気づくことができるようになりました。よく見て変化に気づくことは、これから実験や専門的な研究をするときにも大事になってくる思います。今回学んだことを活かして、「見たことを鵜呑みにしないで疑う」ことを他の授業でも実践していきたいです。また、このゼミで私は初めて「記事」というものを書きました。最初は形式に沿って書くことで精いっぱいでしたが、だんだんと「どうすれば読む人にとって分かりやすいのか」というのが、他の受講生の記事を見たりして分かりました。これからブログ等を書くことがもしあったら、今回学んだことを活かして、読む人に伝えるための工夫を心がけていきたいです。また、記事を書くうちに長文を書けるようになってきたので、それもレポートを書くときなどに活かせたらと思います。

〇収穫していない野菜について

まだ収穫できていないミニ白菜とすみれかぶについては、引き続き水と肥料をしっかりやってもっと大きく育てられたらいいなと思います。また、余裕ができたら他の野菜にも新しくチャレンジしたいなと思っています。このゼミで学んだことを活かして、できるだけ野菜にストレスを与えないように管理していきたいです。

このゼミを通して、渡辺先生や他の受講生の方にコメントや記事という形でたくさんアドバイスを頂きました。ありがとうございました。至らないことだらけでしたが、野菜を育てる楽しさややりがいを感じることができて、とてもよい機会でした!短い間でしたがお世話になりました。みなさんお元気で!

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コメント

農学部・五十嵐さん

今年の仙台は意外と寒いし、この先一ヶ月も平年より低めとか。絨毯でも敷くとフローリングはよいのではないでしょうか。小さくてもよいので。10月、11月とよいペースだったのが12月にペースダウンでしたね。「継続は力なり」という言葉の通り、また、継続することの難しさを最終報告に書かれてあったとおりです。毎日観察することの大変さを実感してできなかったことは、この展開ゼミ。でも、次の何かの講義で類似のことができるようになっていれば、失敗が活かされるというか、学んでいるわけです。是非、それができるようになって下さい。もちろん、水やりなどこれまで分からなかったことを理解してできるようになっている訳なので。観察するということでは学生実験でそのことはすでに活かされているし、日々の生活の中で、植物の変化を捉えることができるようになっているわけです。是非、その延長線として観察すること、ふとしたことに興味を持つことを続けてください。

レポートも本当は読み手を意識して書いてほしいわけです。渡辺は学生の当時そんなことを考えたこともなかったですが、今にして思えば、ある意味、読み手であり、評価者である教官を意識できればよかったのだと思っています。それを考えることができるようになれば、今置かれている場面にあわせた文章を書くことができるようになりますので。また、文章力はある程度の継続性がないと、また、元のレベルにもどってしまうので、学部の間にできるだけ高いレベルになるようにがんばることです。同じように習慣にするのは、観察するときにできるだけ数値化することですね。それをグラフ化すると、なるほどとよくわかります。

科目を超えての融合は大事なこと。あそこでも学習して、ここでも同じ事を学習することもあれば、植物の生長の理屈を講義で学び、一方で実際の植物を見ると、なるほどと思うわけです。どれだけ「ホンモノ」に触れることができるかで講義の理解と定着が変わるのだと思いますので。これが色々なところで連動するようになると、「自然の変化」に疑問を感じて、その上でその疑問をどうやったら解決できるのか、考えるようになることができます。もちろん、実験もある程度、研鑽する必要がありますが。そうしたら、実験はある種の検証であり、なるほど、そうだったのだというレベルになるわけです。そこまで行くには時間がかかるかもしれないですが、本であったり、講義から学ぶことと、実物とを連動すること。それが科学的な視点を増強することにつながると思います。

コツコツと積み上げることはある種、時間をどのようにshareするのかと言うことなのかもしれないですね。何にどれだけの時間資源を分けるのかということです。そんな風に考えて学部での本格的な専門の講義に対応してください。そうすることで、これと言うことに対する実行力も上がると思います。栽培中のハクサイは結球するかどうかを見つつ。カブはあまり長く栽培すると、中で割れることがあるので注意すること。この講義で学んだことを色々なことに活かしてがんばって下さい。もちろん、この後の食レポなどの投稿もwelcomeです。


わたなべしるす