東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2010年12月の記事です。

2010年を振り返って。。(12/30)

2010年12月30日 (木)

 このところの例年であれば、12/31に記事を書いていた。今年は、様々なことが重なり、1日前に記している。研究室のHPには、ニュースとブログのような形でずいぶんいろいろなお知らせをしてきた。何より、朗報だったのは、これまで行ってきた社会貢献である、「出前講義」が新聞紙上などにも取り上げられ、こうした活動をすることの大切さを、改めて、知るとともに、1年間の活動の励みとなったのは、お世話になった皆様方のおかげと思っております。ありがとうございました。

DSCN4491.JPG もう1つの大きなことは、何より、これまでの研究成果をより多く発表でき、また、自家不和合性では、2つの論文(自家不和合性シロイヌナズナ優劣性)が掲載されたことである。人生でNatureに何回載せることができるかは、まさに、お天道さまが知っているところだと思うが、2000年に最初のNatureの論文を発表できてから、10年というのも、また、何かの縁ではないかと思う。これも共同研究者の方々の努力のおかげだと。ありがとうございました。

 春先から、天候不順で、今年は年回り的にも気候的にも、冷害になると言うことで、ずいぶん実験のことを心配しましたが、ふたを開けたら、猛暑で、イネの実験には問題なかったのに対して、アブラナ科植物の秋の生育には大きな支障が出たのは。。。その支障がなんとか、来春には続かないようにと思う次第です。そんなとき、春先に打合せでいくことのあった、沖縄の風景を思い出しました。何気ないキャベツ畑の写真ですが、少なくとも、仙台ではあり得ない。奥に植わっているのは、バナナの木。そんなものが両立できるんだと。初めて見たときには、感動でした。。。

DSCN4058.JPG また、来春からは、3名の新しいM1の方をお迎えできることも、うれしい限りですね。ぜひ、研究室で大きく成長してほしいと、。。。もちろん、最大限のサポートをしますので。メンバーなどは、また、来年のHPで紹介をしますので。

 植物の生殖と言うことで、自家不和合性等の形質を扱っているわけですが、遺伝学を考えるとき、植物の多様性と言うことは、いろいろなところで目にします。野菜、果物、花卉、何をとって、毎日の生活に欠かせなく、多様であるから、楽しいと言うことがありますが、その多様性を活かして、今年の研究室もいろいろなことができたのだと思います。そんな意味で、今年の研究室の活動にご協力いただいた、様々な関係の方々にこの場を借りてお礼を申し上げることとして、終わりにしたいと。

 では、皆さん、良いお年をお迎え下さい。


 わたなべしるす

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クリスマス寒波到来

2010年12月26日 (日)

仙台にクリスマス寒波がやって来ました。

24日には雪がちらつく程度で風情があって良いな、と思っていたのですが。。。

25日朝には驚くほどの積雪がありました。

 

ビフォー(12月前半の庭)

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アフター(12月25日の庭)

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 ちまちま味噌汁の具にしてきた、小松菜や二十日大根、春菊が埋もれてしまいました。

我が家周辺は仙台でも積もる方なので、5~10cmほどの積雪がありました。

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つい数日前には、嵐のような雨があったばかりだったのに。。。

やはり今年は天候が不安定でしたね。

来年はどんな気候になるのでしょうか。

 

今年ももう終わりですね。

今年ほど周りに助けて頂いて過ごした年もありません。

本当にありがとうございました。

来年もどうかよろしくお願いいたします!

修論、D論で忙しいメンバーの皆、雪で通学大変だろうけど、執筆追い込み頑張ってください!

 

増子(鈴木)

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【出前講義】岩手県立一関第一高等学校での出前講義「進化論を唱えたダーウィンも 注目した高等植物の自家不和合性」--その分子機構とそこに至るまでの道のり--」

2010年12月23日 (木)

 前日の矢巾町立徳田小学校での出前講義に続いて、同じ岩手県の一関第一高等学校での出前講義が、今年最後となりました。岩手県立一関第一高等学校とは、水沢高等学校が主催している、アブラナ・コアSSHと東北大の科学者の卵養成講座で、お世話になっています。今回の講義は、アブラナ・コアSSHがきっかけとなったもので、ありがたい限りです。

DSCN5309.JPG 今回の講義では、高校からのリクエストもあり、自家不和合性研究とキャリア教育を合わせたような形で、理数科、理系の生徒さん中心に行いました。植物の花の名前については、西南暖地で栽培されている、ミカンなどの花は知らないにしても、多くの花を知っていたのは、よく観察しているなと、感動でした。受粉、自家不和合性、受精の動画を見てもらいましたが、初めての経験ということもあり、「おーーーー!!!!」という歓声が上がったのも、よかったと思います。

DSCN5315.JPG なにより、講義のあとに積極的に続けて質問をする生徒さんには、感動でした。ぜひ、その積極性、答えから生まれてくる質問をすると言うことを忘れないで、これからもがんばってほしいと。また、最後に、お礼を話してくれた方は、生徒会長さんでした。とても立派な内容でした。

 講義のあとには、アブラナ・コアSSHで、アブラナ科作物のキャベツの仲間を栽培している生徒さん達への遺伝学の実験の実習でした。とても器用に交配の手つきをする生徒さんから、その手つきでは、雌しべの先端の柱頭がなくなりそうな生徒さんまで。他の部活動をしている生徒さんも参加してくれたり、講義の最後には、科学者の卵の参加者ともお会いできたり。収穫の多い出前講義でした。

DSCN5317.JPG 最後になりましたが、今回の講義を設定頂きました大内先生、高橋先生をはじめとする、関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、折を見て、伺いたいと思います。


 わたなべしるす

 PS. 前日の矢巾町では、雪があったのが、県境の一関まで来ると雪も消えて。ずいぶんと気候が違うものだと。。これであれば、外でのアブラナの栽培も可能だと思います。

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【出前講義】岩手県矢巾町立徳田小学校「花の不思議な世界」--りんごの花からリンゴができるまで??--(12/20)

2010年12月20日 (月)

 岩手大にいた当時にお世話になった方に、ご紹介頂き、岩手県の小学校で初めての出前講義でした。週末に、鹿児島での暖かさを実感して、岩手に入ると、雪景色で、日本が南北に長いのだなと、実感した次第です。リンゴを題材にした講義は12/13の仙台市立鹿野小学校以来でした。

DSCN5297.JPG 矢巾町は盛岡市の南で、岩手大にいた当時、国道4号線を走って通ったくらいでしたが、徳田小学校は、その国道沿いで、そういえば、あそこに小学校があったと、訪問して思い出しました。

DSCN5295.JPGのサムネール画像 「花の不思議な世界」は、5年生に講義をすることが多いのですが、今回は、初めて、4年生に講義でした。リンゴを題材にしての講義ですが、さすが、リンゴの産地だけあって、リンゴの品種はたくさん知っていました。学校の周りにも、リンゴ畑があるとか。ぜひ、来年からは花が咲いたり、リンゴが大きくなるのを、注意してみてくれるのではと思いました。

 動画は、どこの小学校で見せても同じですね。すごい感動の声を聞きます。また、撮影した時間を縮めて、再生しているというのを、hr, min, secで表示しているのに、時間、分、秒と、気がついている子供さんがいて、こちらもびっくりでした。

DSCN5301.JPG 講義のあとに、みんなと集合写真を撮れたのも、何よりです。また、どこかでお会いしましょう。

 最後になりましたが、校長先生、4年生の先生方、関係の先生方、今日はありがとうございました。


 わたなべしるす

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自然、技術背景、その時代に合わせて、・・・、その先に(12/19)

2010年12月19日 (日)

 大きくいえば、「自然科学」の中を研究している。自然の摂理を理解するということなのだろう。植物の場合、その自然からの影響は大きい。さらに、植物が日々変化することで、自然を作っているという側面もある。そんな植物の毎日の変化をどれくらい捉えているだろうか。植物に限らなくても、自然を。結構、難しいと思う。日本のように南北に長いと、出張で、西南暖地へ行くことがある。そうしたとき、やっぱり、植生が違うなと感じる。食べるものが違うなと。そんな違いだけでなく、毎日の自然の変化を捉える完成があれば、「自然科学」を考える上で、大きな力になるのであろう。なかなか、すぐに身につくものでないので、日々、トレーニングしたい。

DSCN5284.JPG 科学する上で、技術は欠かせない。技術背景が異なることにより、できること、できないことがある。1990年代には、遺伝子の実験をしようとしてもかなり困難であった。今や、次世代シークエンサーを使うことで、ゲノムを開けることができるが、そのためには、情報科学の力を借りることが、必然と言える。ただ、勘違いをしてはいけないのは、ゲノムがわかったからといって、そこにコードされている遺伝子の機能がわかるわけではない。やはり、そのいきもの、植物、作物の営みをきちんと観察することの方が重要であろう。

 自然も日々変化するが、それらが作る、その時代というのも変化している。昔であれば求められなかったもの、現時点で、迅速に解決すべきことなど、時代に合わせざるを得ないことがある。では、時代に合わせていればよいのだろうか。時代を先取りしたり、その時点では発想しない、受け入れられがたいようなことを、場合によっては考えることも、自然科学者として、key pointになる。プロ棋士のように、数十手先まで読むことは難しいが、せめて、数手先を見据えたい。また、盤状を俯瞰するように、それぞれが置かれている現状を大きくとらえることができないものかと。。。

 時代ということでは、「社会貢献」がクローズアップされている。そういえば、出前講義に行って、「品種改良の方法・実際」について、ずいぶん質問を受ける。育種、品種改良という言葉は広く見られるようになったが、その中身まで、十分に伝わってないのかもしれない。その時々に対応して、社会に対してもきちんとした発信をすることが大切なのであろう。そうすることが、時代の先を見据えることにつながるのかもしれない。

 わたなべしるす

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