東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

条件・仮定変更、昔の。。。、イノベーション。。(10/18)

2012年10月18日 (木)

 実験・研究をしていると、いろいろなことに影響を受けて、やっている研究内容、実験方法などに変更を生じるときがある。植物、作物を扱っていると、気候、気温に左右されることがある。今年の夏は長くて、秋に咲かせるアブラナの植え付けが遅くなった。その分、秋がゆっくり来てくれば、ゆっくり涼しくなってくれれば、花は長持ちして、たくさん咲いてくれるが、こちらの思うようにならない。あっという間に、寒くなって、花が咲くだろうかと心配になってくる。こうしたとき、どうやったら、よいかと心配するが、温度などを制御する「人工環境下」であれば、そうしたことも可能であろうが。。。そうした条件の変更が起きると、最初に仮定していたことを考え直さないといけないこともある。もちろん、そうした変更が研究全体をよい方向に持って行くということがもちろん大事なことであり、また、これまで受け入れられていて、科学の世界で100%というのは難しいが、そうした確率で、「正しい」ということについては、そうした条件、仮定の変更は、物事を誤った方向に持って行くことになる。実験だけでなく、日々の生活、身の回りでも同じことであろう。

 もちろん、実験が最初からうまくいく訳ではない。例外的に、最初から気合いが入っているのか、最初がうまくいくこともある。途中で気が抜けてしまうのだろうか。。一方で、同じような実験をするのであれば、過去にどんな実験・研究があったのかは調べる。調べないと、あの実験はやっていたのにとか、あそこで失敗したのは、ここでの不手際が原因だったのかと、あとから知ることになる。実際にやる前に、シミュレーションを頭の中、ノートに書くなどしてみると、よいのかもしれないが、。。慣れていると、つい、こんなことは簡単と思ってしまって、油断をすることもある。いずれ、うまくいかないことが悪い訳ではなく、ちゃんと前のことを、先輩のことを見て、やってみる。そうしたことが大事なのであろう。

DSCN3715.JPG もちろん、時代が変われば、やり方も大きく変わる。DNAの電気泳動1つとっても、アガロースゲルを作って、サンプルを入れて、。。最後に写真を撮る。この写真も昔はアナログだった。今では、自動で確か数分で解析が終わる。視覚的にも何ともいえず、これはというようにきれいに見える。昔だと。このバンドと、これは、。。同じ。違うの等、あれこれと悩んだ。こんなことを「イノベーション」といったら、おこらえるのだろうか。いずれにせよ、根幹からというか、抜本的というか。。。全体を見直さないと実験のスピード、分析能が全く違うということになり、何をしているのかと。。現場がそんな風にならないように、可能な限り、新しい情報を集めて、現場に新しい可能性を提供できればと思った今日この頃でした。


 わたなべしるす

 PS. 本題とはあまり関係ないかもしれないが、「ソバ」の花の話が。「短柱花」、「長柱花」の異形花型自家不和合性。その密のにおいがすごいというニュースが。。。受粉には必要なものも、人間にはということなのかも。。

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