東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2012年12月の記事です。

次元、将棋、雲の上。。(12/12)

2012年12月12日 (水)

 高校時代に教えて頂いた二人の先生(長井先生:学年主任(数学)、3年次副担任(江島先生:英語))から、11月の今治西高校での「蛍雪記念講演会」のあとに手紙とmailを頂いた。とても懐かしく、うれしかった。どちらの先生も退職されているが、少人数で生徒さんを指導されていると伺い、そのactivityに感動した。その学年主任をされていた、長井先生から進路についての本を頂いた。ちょうど、九州出張だったので、ぱらぱらとめくり、その内容の豊富さというか、細かさに感動した。1年から3年まで、何をどのように考え、生徒指導を行うのか、それによって、どのように進路を考えるのか。渡辺がこれまで出前講義でキャリア教育を行ってきたが、それとは、レベルが違うというか、次元が違う気がした。渡辺のものが、時系列で2次元くらいはあるかもしれないものを、もっと俯瞰的に見ていて、3次元以上、時間軸を考えると、4次元以上のもの、数学的にはn次元とでも言えるような、そうしたコンセプトの元に、指導して頂いたことに感動した。こうした戦略とか戦術のことを自分なりに考え始めたのは、そんなに前ではない。と考えると、まだ超えられない、師匠という大きな壁を感じた。

 前にも書いたかもしれないが、将棋のプロが差し手を考えているときの脳の状態を理化学研究所と共同で研究しているとか。よく頭の中を見てみたいというが、それができる時代になったのかもしれない。さらに、先日の記事で、一般の人でも、将棋のプロまではいかないまでも、脳みそのactiveな部分を、活性化できると。では、一般の人でもプロになれるかというと、そうはいかない。脳みそ以外の部分で何か重要なものがあるような気がする。そういえば、小学校の時の友達で、将棋がとても強いのがいた。どうやっても勝てなかった。すごい集中力を見せていたような気がする。その時代から、自分とは次元の違う脳みその使い方を知っていたというか、鍛えていたというか。。。また、数学の問題を解くときに、ぱっと、補助線を引けるやつもいた。この両者に共通しているのは、俯瞰的に見て、より高い次元でその物事を見ているのではという気がする。もちろん、今考えればであって、その当時は、何をどうしようもなく、勝てない将棋、補助線を引かないやり方での数学の解法を考えていたような。。。。

DSCN2181.JPG そんな俯瞰的なことといえば、飛行機の中から見る「雲の発達」もそうなのかもしれない。できている形は様々なで、あれをコンピューターで予測できるのだろうか。上から見た雲と、同じものを下から見たら、また違って見えるだろうし、中に入れば、かなりの衝撃がある。飛行機に乗った方なら、わかるのではないだろうか。雲の発達が植物の何かに見えるような気もするが、雲を作るのには遺伝子、DNAは関係していないはずである。でも、似ているのは、。。。と考えると、自然の観察はどこまでも奥が深いものなのであろう。ちょっとずつかもしれないが、植物の理解が自然全体の理解につながるような気がした。


 わたなべしるす

 PS. 今日は、2012/12/12というとても「ごろ」のよい日である。いちに、いちに、いちに、。。少しずつでは歩いていけるというか、歩こうと思える日であった。少しずつ。。。

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【出前講義】ふくしまサイエンススクールコミュニティーサイエンスフェア・「バナナからDNAをとろう、ヘチマの仲間」(12/9)

2012年12月 9日 (日)

 昨日は科学者の卵で高校生向けの講義。今日は福島高校コアSSHの企画との連動で、高校生といっしょに小学生向けの講座。これまでも、小学生向けの講座というのは、いろいろやってきましたが、高校生といっしょというのは、はじめてでした。前日の夕方からみぞれ交じりだったのが、夜には雪になり、朝には仙台で2cmの積雪。。。結構、困りました。で、出前講義の当日は、福島高校の卒業生で、高校時代SSH、科学者の卵をされていて、今は、渡辺の研究室でアルバイトをしてくれている南條さんにもお手伝い頂きました。

DSCN5000.JPG 講義としては、これまでもいくつかのところでやってきた「バナナからDNAをとろう」というのと、「ヘチマの仲間」。いずれの講座にも、15-20名ほどの方が参加頂きました。午前のバナナからDNAの方は、DNAとか、遺伝子という名前も知らないような小学校の低学年。一生懸命つぶして、濾過して、最後にDNAを析出させる。親子での参加で、あっという間に1hr弱の講座を終えました。南條さんに実験助手をしてもらっていましたが、それでも時間いっぱいいっぱいで。。みんな白い析出を見たときには、感動でした。最後に、広報から頂きました、東北大のシールとファイルを配布して。とても喜んでくれていました。講座の最後の枠でしたが、「ヘチマの仲間」つまり、ウリ科のいろいろなものを見てもらい、なぜ、スイカとか、メロンを横に切らないのか、メロンの茎が残っているものとないものがあるのかなど、。。参加をして頂いた中に、農家の方がいらして。さすが、毎日、観察しているのは、すごいと。。。そんな農家の方が、元は福島高校で数学の教員をされていた方とか。。。これまたびっくりでしたし。帰り際に、数学のパズルも頂きました。とてもよくできていて。南條さんと1つずつ、頂きました。ありがとうございました。

DSCN4999.JPG ポスターをゆっくり見る時間はなかったですが、1つだけ、福島第一中学の発表を。とてもしっかりしていましたが、気になったところをいくつかコメントして。。。あっという間に時間が終わったという1日でした。

 最後になりましたが、お世話になりました、福島高校・橋爪先生、原先生をはじめとする関係のみなさまにこの場を借りてお礼申し上げます。これを機にさらに交流できればと思います。ありがとうございました。


 わたなべしるす

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【出前講義】次世代型「科学者の卵養成講座」・キャリア教育「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」(12/8)

2012年12月 8日 (土)

 昨日まで錦江湾コアSSHなど、九州でした。また、昨日の夕方には、三陸沖でM7クラスの地震が。出張先にいるときに、これだけ大きな地震があるのも。。。電話での連絡がしばらくつかず、落ち着かないものです。研究室に戻って、無事なのを見ると、ほっとしました。あとは、週明けにlab memberとあって話ができれば。。。時間があった頃は、「3/11からという記事」を書いていたのですが、時間がなく。。ただ、毎月11日前後に揺れていたのを思い出し、危ない頃だったのかもしれません。なんとかは、忘れた頃にやってくるともいいますし。あと、昨年の3/11の2日前の3/9に前震というのがあったというのも、ニュースや心配を頂いたmailにあったので、明日は、少し気をつけておかないと。。。と思ったりしつつ。

DSCN4977.JPG 本題の「科学者の卵」前回は、日本植物生理学会との共同開催。オープン参加もありというこれまでとは違った形式。今回は従来通りで、渡辺が毎年担当しているキャリア教育。ちょうど、昨日、錦江湾コアSSHで講義した内容と同じversionのもの。時間的に余裕がなかったのに、少ししゃべりすぎたのかもしれません。いつものように小学校から現在までの自分を振り返り、その節目節目で何をどう考えたのか、また、高校生として、何を学ぶことが大切なのか、出前講義などであちこちに出かけて、今の高校生に何が必要と感じているのかなど。受講生も1, 2年生ですが、受験というのが目の前に少しは見えてきたのではと思っています。その意味では、どれかのスライドは、自分にとって、何かの刺激になったのではと思っています。進路を考えるきっかけ、こんなことをやりたいと思うきっかけ等々。

DSCN4983.JPG 今回の講義で感動だったのは、かなりの種類のあやとりができる受講生。すごかったです。このレベルの聴講生に会ったのは初めて。こちらもできないというか、忘れていたものを思い出したり。とてもすばらしいですね。


 わたなべしるす

 PS. あすは、福島高等学校コアSSH事業で、実験と講義で福島市内に伺います。お知らせの通り。今度は小学生に講義ができるのを楽しみにしつつ。。。卵の受講生にも明日、参加するという方も。うれしい限りです。

 PS.のPS. 前半は工学部の浅井先生の飛行機の話。子供頃に紙飛行機はたくさん作りました。いきものの話も出てきて、楽しかったです。何か共同研究のようなことができればと思った次第です。ありがとうございました。

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【出前講義】鹿児島県立錦江湾高等学校・コアSSH発表会・特別講義「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」(12/7, 10写真追加)

2012年12月 7日 (金)

 鹿児島県立錦江湾高等学校・コアSSHは、今年度から地域枠になり、ダイコンコンソーシアムを発展させた形になりました。夏に今年度の計画発表があり、それに基づいて、ポスターでの発表会と、これまで生物中心であったものを他の理科、数学などへの水平展開ということで、物理・化学のモデル的研究発表もありました。さらに、小中高大での連携として、石川県立小松高等学校の「石川県版ダイコンコンソーシアム」の発表も。小松高校のでは、渡辺の講義も紹介頂き、ありがとうございました。なにより、高校生が小学生、中学生に教えるというのは、大事なことだと思います。

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DSCN4968.JPG 渡辺の講義は今回はキャリア教育。プレゼンの内容は、これまでよく使っていたversionと11月に今治西高校で行ったversion。運営している錦江湾高校の先生とお話しして、新しいversionでということで。高校で何を学ぶのか、それがそれ以降のことにどのようにつながるのか、大学では、社会ではということで、。。それぞれの進路を考える上で、ヒントになったのではと思います。何よりも考えることだと思います。manualに頼ることなく。

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DSCN4962.JPG 午後からは、各校のポスターでの発表会。いろいろと他の行事がある中で、とてもよくまとまって、結果から結論に導いているポスター、このスタンスが高校生らしいというポスター、等々あり、たのしめました。また、小松高校の寺岸先生が栽培されていた、様々なダイコンが展示され、最後には試食も。こちらは、審査など時間の関係でゆっくり食すことができなかったのですが、試食の時間に生徒さんたちは、部屋全体で交流会もできたのは、何よりだったと思います。また、多くの高校の先生方と、これからの交流などについても、時間をとって議論できたのは、何よりでしたし、次年度以降の出前講義の話ができたのも何よりでした。ありがとうございました。

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DSCN4970.JPG あと、初日には、このコアSSHの方向を決める運営指導委員会も。委員の先生方もheteroで、よりよい方向に進むのではと。。。ありがとうございました。

DSCN4967.JPG 今回のコアSSHでお世話になりました、校長先生、県教委の先生方、樋之口先生、讃岐生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のさらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. 仙台空港で飛行機まで、外を歩いた関係で、海側を見ると。。。まばらにある松の向こう側は海が見えました(電車から。。。)。震災からもうすぐ、1年9ヶ月。。。沿岸部がまだまだというニュースを見ますが、そうなんだな。。。これからどうなるのだろうと。。何とも言えない気持ちになりました。今日、大きな地震があって、空港閉鎖もあったというので余計に。。

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【お知らせ】2012年12月7日 17時18分頃の三陸沖を震源とするM7.3に伴う地震の影響(速報, 12/7)

2012年12月 7日 (金)

 渡辺が九州出張中の12/7の夕方に、三陸沖を震源とする、M7.3の地震がありました。外にいて、これだけ大きな地震で、情報を知ってから、あわてて、研究室に連絡をしたのですが、つながらず。。こういうときは、慌てます。冷静さを欠いて、携帯にある、lab memberの電話にかけまくり。本当は、回線がパンクするのでよくないと思いましたが。。。偶然つながってくれて。研究室では、人的被害はなく、物的被害も軽いものが落ちた程度だそうです。

 また、この地震の後に、M6.2の余震も。。。高層階ではかなり揺れたと。。この後にも余震が続いていますが、このHPを記している段階では、研究室は大丈夫です。ご心配して、mailなどで連絡を頂いた方も。ご心配ありがとうございます。大丈夫です。

 何より、lab memberが昨年の3/11の経験を活かして、早めに帰るなど、いろいろな確認を頂きました。ありがとうございました。外にいると、こうした対応にほっとしております。


 わたなべしるす

 PS. 落ち着いたら、また、HPに記しますので。

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