今の研究室は、植物育種学という名前にすることはできなかったと言うことと、遺伝学をやりたかった、生殖という形質を扱っているので、「植物生殖遺伝分野」とした。何れ、植物、作物を扱い、その遺伝子の機能を決めるということが目標である。では、遺伝子がわかれば、その植物、作物が理解できるかと言えば。。。確かに一面、理解できるように思う。例えば、その遺伝子が機能しないと、おしべが花びらに変化するとか。確かに、理解できるように思える。ところが、どのような化学反応が起きたのか、もっと言えば、分子とか、原子のレベルで何が起きたのかという理解にはなっていない。つまり、生き物として、大まかには理解できたのかもしれない。ただ、そうはいっても、もっと小さなレベルで見たときに起きていることまで、理解できたというわけではない。つまり、どの次元でわかっているのかと言うことを理解した上で、今の現状を把握して、さらにつぎに進めると言うことを考えないといけない、まだというか、そんな時代のような気がする。では、そうしたことがいつできるようになるのか、。。ずっと先かもしれないし、異分野との交流で、意外と近いのかも。。。簡単には予想できない感は否めない。。。
植物で遺伝子の解析をしたフロントランナーというのは誰かというと、。。これは、古い文献を調べればわかることである(たぶん、1980年代には、遺伝子がクローニングされていたと思うが、それが誰なのか、何なのかは。。。比較的早いのは、花の花色だったような。。。違っていたら、すみません。)。では、品種改良のフロントランナーとなると、。。これも、教科書的には、集団育種法とか、F1雑種育種法というのが、書かれていたが、それを厳密に誰が最初にと言うのは、書かれてなかったような。。。もっと言えば、品種改良というのは、人類が野生にあったものを、これは食べることができると言うことから、選抜し、さらなる改良をしたわけで。。。そうなると、そのフロントランナーを歴史から探すのは、ほぼというか、不可能であろう。少なくとも誰もやっていないことにトライして、その時代時代で、ここまではできるということをしたからこそ、現時点での優秀な農作物が確立されているのであろう。
ということを、愛媛出張をして、菜の花が咲き乱れている自然を見ながら、ふと感じた、雨のお彼岸の中日であった。。。
わたなべしるす