東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

相関、テンポ、らしさ(8/14)

2013年8月14日 (水)

 これだけ暑いと、複数のことを考えるのは難しい。あれをしながら、これもというのは。脳みその温度と複数のことを考えることには、相関があるのだろう。もちろん、寒いと考えられないので、一定までは、正の相関で、そのあとは、負の相関かもしれない。相関といえば、研究分担者をしている、新学術領域研究「ゲノム遺伝子相関」。異なる遺伝子、ゲノムの間の相関。相関というから難しい。相性と考えればよい。1人でいる訳でないので、複数でいる訳で。そうしたら、その間の相性は自然と現れる。自家不和合性も、花粉と雌しべの相性ということもできるだろう。つまり、身の回りには、相性だらけなのだろう。学生の頃、結構、かなり勉強したのに、「A(優)」をくれない教官とか。。。その時は思わなかったが、冷静に考えれば、両者の間には、軋轢があったのかもしれない。。。もちろん、軋轢をなくす努力をしていたかといえば。。。その意味で、ヒトでは相性は最初に決まるのかもしれないが、考えるという分だけ。。ただ、冷静に考えれば、遺伝子の相関もあるが、それ以外の環境要因で表現型は振れてくる。その振れ幅を理解することができれば、植物・作物の表現型を理解できるだけでなく、ヒトの相性ももう少し軋轢がなくならないだろうか。。。

DSCN2856.JPG その相性を決める訳ではないが、話しであったり、実験であったり「テンポ」というかそうしたものも影響してくる。そういえば、歩く速さは、東京より大阪の方が早いとか。こうしたテンポもある。実験も、うまくいかなくなると、テンポは下がり気味になる。うまく行き始めれば、テンポも上がる。そういえば、大学の時の師匠の日向先生が「実験はうまくいっている時は、一気呵成に。うまくいかない時は、しっかり考える。」。。。確かにそうかもしれない。うまくいかない時にしゃかりきになっても。テンポにも相関はある。誰かと共同研究をしたり、合同プロジェクトをしたり。そうした時、テンポが違う時がある。どちらがどちらにあわすのが、よいというのはないと思うが、。。お互いのpositiveな交流のためにも、テンポも重要なのだろう。

 時代時代で、その時の背景もあるが、「らしさ」というか「流れ」というのか。。。自分が大学院生の頃は、何か遺伝子をとって解析するのにも、1年以上かかった。だから、それで論文になった。ただ、今はそうはいかない。その遺伝子がどんな現象に関連して、何をしているかを示さないといけない。。大変かもしれないが、その時代を反映しているというか、時流というか。。もちろん、その時代を飛び越えて、10年、20年先のことをやっていて、その大事さに気がつかなかったり、あとから、あれは、すごかったと評価されることももちろんある。らしさにこだわるあまり、評価が追いつかないのだろうか。その意味では、評価が追いつかないような突拍子もないことをやってみたいと常々思うが、そう簡単ではない。そうして変わることもあれば、変わらないでほしいというか、そうしたものもある。夏であれば、網を持って、セミを追いかけ、クヌギを見つけて、カブトムシ、クワガタムシを捕ることをやっていた。少なくとも子供の頃。。。あと、大学の研究室に入って、昆虫の研究室の学生さんと。。。ようやく夏の暑さになり、セミが鳴いている。ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ。。。たくさん音は聞こえるし、脱皮したぬけがらは見つけるが、それを追いかける子供たちに出会うことがない。。。学生の頃は、まだ見かけたような。。。その意味で、その世代がやるであろうことをしておくという「らしさ」は、いつの時代も変わらないであってほしいというか、そこで学ばなかったことのつけは、あとでそれなりの代償が待っているような気がする。。。

DSCN2862.JPG
 わたなべしるす

 PS. 今日の夕方、卒業生の前田君が、研究室に。。。早速、イネのサンプリングを手伝ってくれて。。。ありがたいことです。何せ、熟練のプロですから。。。ありがとうございました。彼からのコメントは、また、別記事で。。しばしお待ちを。。。

≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE