東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年8月の記事です。

【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・運営指導委員会(8/16, 追記あり)

2013年8月16日 (金)

 きのうは、福島高校のコアSSHの来年度の企画打合せ。今日からは、鹿児島・錦江湾高校のコアSSH。錦江湾高校はダイコンコンソーシアムに始まり、コアSSHの地域中核拠点形成に移行して、今年が5年目。やっぱり暑いです。地球温暖化の影響というか、この夏の特徴というか。温暖化の影響で、リンゴが甘くなるという新聞記事を今朝見かけました。温暖化だと農作物の栽培適地が北にずれるという余りよくないことはありましたが、こうしたpositiveなこともあるのだなと。。。(PS. 夕方に、NatureのHPを見た時に、このことが記事になっていました。原著はdownload freeで、なるほどというものでした。)

DSCN7150.JPG 地域中核拠点形成は、3年プログラムの2年目。ダイコンコンソーシアムで蓄えた研究力、地域発信力を他の教科への展開という横串を目指す年度。これまで以上に研究などがheteroになり、ダイコン研究が物理、化学分野との融合。また、物理、化学、地学の研究もずいぶん増加して、地域中核拠点となってきたのだと思っています。また、地域の科学力強化に向けて、高校生が小中学校へ出前講義等を行う形態で、小中高大連携を目指すという形に発展していると思っています。また、ダイコンコンソーシアムから参画している遠隔地の鹿児島県外の高校がさらに、その地域の中核拠点を目指すという形態は、この錦江湾高校のコアSSHの特徴ではないかと。というか、発展がさらに楽しみになってきました。参加校などは、また、明日からの発表会でお話ししますが、少し入れ替えはあったものの新しい地域の補強もあり、異分野融合など、少しずつ深化していくのではと。。。。

DSCN7155.JPG さらなる発展性ということで、県内の学校との連携、HPからの発信力、農業高校、工業高校という、普通科よりも長い課題研究歴のある高校の参画などが取り上げられ、今年度もより、深化・進化があるのではと思います。特に、HPからの情報発信は文章力の強化にもつながるということもありますので、ぜひ、より多くの高校から、情報発信されるのを楽しみにしています。

 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・郡山先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。

DSCN7143.JPG わたなべしるす

 PS. そういえば、大学の掲示に、クミアイ化学工業株式会社・第2回学生懸賞論文募集というのを見つけました。テーマは、日本の農業に若者の息吹を!--農業の未来を考える--、というのがあったのを忘れていました。クミアイ化学工業の農薬はいくつかアブラナの栽培の時にお世話になっていましたが、こうした社会活動というか、こんなこともしているのだなと。。。応募要件が、大学生・大学院となっているので、。。。学生の頃、愛媛に帰るたびに、農業をしている方々が高齢化しているのを見ていて、どうなるのか、どうしたらよいのかなど、農学科の懇親会で農業経営の酒井教授などと議論をしたのを思い出しました。SSHの中で農業高校の話題が出たので、脳みその片隅にあったのを思い出しました。HPを見ていてくれている、大学生・大学院生の方、トライしてみてはいかがでしょうか。長い文章を書くというのも、よいトレーニングになると思いますし、懸賞もあるそうですので。。。何あれ、表彰されるというのはよいことですので。。。

 PS.のPS. こちらが記事をあげてすぐでしょうか、この3月に卒業された前田君山村さんがイネのサンプリングに来てくれ、記事も書いてくれていました。ありがとうございました。こちらが出張でお目にかかれなかったのが残念でした。また、研究室にいらしてください。

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【研究室訪問】2014年夏のサイエンスワークショップ検討会(8/15)

2013年8月15日 (木)

 福島県立福島高等学校SSHの運営指導委員を賜っていることもあり、以前から、来年の夏に日英の高校生が一緒になって、サイエンスワークショップができないかと、相談を受けていました。渡辺自身は、どうも英語が苦手で。。。最低限のcommunicationしかできないのですが。。。SSHでは、これまでにも英語でのプレゼンがあったり、国際会議に参加したり。。。また、今年は日本が英国に初めて行ってから、150周年になるのだとか。その中に、初代総理大臣の伊藤博文がいたとか。。その関連のシンポジウムも日英で開催されるとか。。。

DSCN7131.JPG そんな長い歴史がある日英交流に、SSHのプログラムの一環として、「サイエンスワークショップ」を2014年夏にorganizeするということで。。。日英の高校生を研究室に配属して、数日間、実験等をやろうと。。プログラムとしては、とても魅力的ではあるのですが、実際の準備は1年前からということで、。。。また、サポートする大学、研究室側も、数日間、英語の世界になるというのも、今の時代、よいことなのかもしれないと。。。

 実際には、日英の高校生が来年、研究室で4-6名ほど配属になり、その研究室独自のコンセプトで、高校生目線でのサイエンスワークショップを企画すればよいということで、少しほっとしましたが、実施されるのが、ちょうど、1年後。つまり、イネのサンプリングという研究室でも、一番の農繁期。研究室のメンバーはサンプリングで手一杯ですので、このプログラム、SSH科学者の卵養成講座などの卒業生をうまく活用できないかというのが、会議の席でも話題となりました。このプログラムの卒業生は、このプログラムの意義なども含めてわかっているでしょうから、ぜひ、お願いしたいと。。。今から、探索を始めないと。。。いずれ、来年の夏に。。。これまで取り組んだことがないようなアウトリーチ活動の融合プログラムなので。。。

DSCN7132.JPG 最後になりましたが、今回のプログラムを企画頂きました福島県立福島高等学校の橋爪先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。何とか、大役がこなせるように、備えたいと思います。


 わたなべしるす

 PS. 会議のあと、明日からの鹿児島でのコアSSHで出張。そんな移動中なので、久しぶりにゆっくりと新聞を。いつもなら、netだけでの新聞紙面が。。。「・・正午から1min間の黙祷を。。。・・」というのを見つけました。そういえば、今日は、8/15。ずいぶん暑いので、そんなことも失念しており、また、上記の会議中でした。また、落ち着いたら、関連のニュースを見ながら。。。

 PS.のPS. 子供の頃に見ていたウルトラマン。一瞬で別の場所に移動。「テレポーテーション」といわれて、必死で走って、技をまねしたような。。。そんなテレビの単語は覚えていて。。。そうしたら、今日のNatureに「量子テレポーテーション」のことが。directの関係はたぶんないのだと思うが、なんかすごそうなので、時間を見て読んでみることにしよう。夏休みの宿題にでもして。。。

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相関、テンポ、らしさ(8/14)

2013年8月14日 (水)

 これだけ暑いと、複数のことを考えるのは難しい。あれをしながら、これもというのは。脳みその温度と複数のことを考えることには、相関があるのだろう。もちろん、寒いと考えられないので、一定までは、正の相関で、そのあとは、負の相関かもしれない。相関といえば、研究分担者をしている、新学術領域研究「ゲノム遺伝子相関」。異なる遺伝子、ゲノムの間の相関。相関というから難しい。相性と考えればよい。1人でいる訳でないので、複数でいる訳で。そうしたら、その間の相性は自然と現れる。自家不和合性も、花粉と雌しべの相性ということもできるだろう。つまり、身の回りには、相性だらけなのだろう。学生の頃、結構、かなり勉強したのに、「A(優)」をくれない教官とか。。。その時は思わなかったが、冷静に考えれば、両者の間には、軋轢があったのかもしれない。。。もちろん、軋轢をなくす努力をしていたかといえば。。。その意味で、ヒトでは相性は最初に決まるのかもしれないが、考えるという分だけ。。ただ、冷静に考えれば、遺伝子の相関もあるが、それ以外の環境要因で表現型は振れてくる。その振れ幅を理解することができれば、植物・作物の表現型を理解できるだけでなく、ヒトの相性ももう少し軋轢がなくならないだろうか。。。

DSCN2856.JPG その相性を決める訳ではないが、話しであったり、実験であったり「テンポ」というかそうしたものも影響してくる。そういえば、歩く速さは、東京より大阪の方が早いとか。こうしたテンポもある。実験も、うまくいかなくなると、テンポは下がり気味になる。うまく行き始めれば、テンポも上がる。そういえば、大学の時の師匠の日向先生が「実験はうまくいっている時は、一気呵成に。うまくいかない時は、しっかり考える。」。。。確かにそうかもしれない。うまくいかない時にしゃかりきになっても。テンポにも相関はある。誰かと共同研究をしたり、合同プロジェクトをしたり。そうした時、テンポが違う時がある。どちらがどちらにあわすのが、よいというのはないと思うが、。。お互いのpositiveな交流のためにも、テンポも重要なのだろう。

 時代時代で、その時の背景もあるが、「らしさ」というか「流れ」というのか。。。自分が大学院生の頃は、何か遺伝子をとって解析するのにも、1年以上かかった。だから、それで論文になった。ただ、今はそうはいかない。その遺伝子がどんな現象に関連して、何をしているかを示さないといけない。。大変かもしれないが、その時代を反映しているというか、時流というか。。もちろん、その時代を飛び越えて、10年、20年先のことをやっていて、その大事さに気がつかなかったり、あとから、あれは、すごかったと評価されることももちろんある。らしさにこだわるあまり、評価が追いつかないのだろうか。その意味では、評価が追いつかないような突拍子もないことをやってみたいと常々思うが、そう簡単ではない。そうして変わることもあれば、変わらないでほしいというか、そうしたものもある。夏であれば、網を持って、セミを追いかけ、クヌギを見つけて、カブトムシ、クワガタムシを捕ることをやっていた。少なくとも子供の頃。。。あと、大学の研究室に入って、昆虫の研究室の学生さんと。。。ようやく夏の暑さになり、セミが鳴いている。ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ。。。たくさん音は聞こえるし、脱皮したぬけがらは見つけるが、それを追いかける子供たちに出会うことがない。。。学生の頃は、まだ見かけたような。。。その意味で、その世代がやるであろうことをしておくという「らしさ」は、いつの時代も変わらないであってほしいというか、そこで学ばなかったことのつけは、あとでそれなりの代償が待っているような気がする。。。

DSCN2862.JPG
 わたなべしるす

 PS. 今日の夕方、卒業生の前田君が、研究室に。。。早速、イネのサンプリングを手伝ってくれて。。。ありがたいことです。何せ、熟練のプロですから。。。ありがとうございました。彼からのコメントは、また、別記事で。。しばしお待ちを。。。

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【基礎ゼミ113】農学・太田経過報告(66)

2013年8月13日 (火)

 こんにちは。農学部の太田です。

 私は現在岩手の実家に帰省中であります。帰省前にレタスは全て食べ、ミニトマトを持ち帰りました。こちらは照り付ける太陽のおかげで連日30度越えと暑いです。出発前に咲いた花同士を擦り合せた甲斐もあってか一つ結実しました(写真中央やや上)。まだ小さく緑色で食卓に並ぶにはまだ時間がかかりそうな感じです。

IMG_0831.JPG 仙台に戻る時は新幹線なので、トマトは地元で留守番になりそうです・・・

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渡辺コメント

 農学・太田さん、報告ありがとうございます。7/10の報告以来、梅雨明け前から比べると、ずいぶん成長もよいようですね。レタスはとてもよくできていましたね。前回。食べてしまったというのは、とてもよいと思いますよ。20名の受講生で一番よく育っていたレタスだと思いましたので。
 
 トマトの方ですが、試験が終わり、帰省したのでしょうか、いっしょに。その頃、ちょうど梅雨明けでしたね。これから太陽がたくさん当たり、たくさんのトマトが収穫できると思います。文章にあったように、花同士をすりあわせると、面倒なのと、花を切り離すともったいないので、花が付いている全体を少し揺するだけで、十分です。開花した日に。そうしたら、花粉がちって、受粉されますので。場合によっては、飛び散る花粉を見ることもできますので。

 帰り道、新幹線で大変と思いますが、可能なら、少し大きめの袋に入れて、持って帰ると、これからたくさんのみにトマトが収穫できると思います。ぜひぜひ、トライしてみて下さい。農作業はくれぐれも朝、夕の時間がよいですね。これだけ暑いと。。。

 自由投稿にしたとはいえ、こうして講義が終了したあとにも、生育をきちんと観察して、記事を送ってきてくれるのは、こちらもうれしいものです。ありがとうございました。


 わたなべしるす
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祝、大学院合格(8/13)

2013年8月13日 (火)

 8/4に梅雨明けして、しばらくは、それほどの高温でなかったですが、。。いきなり週末にかけて暑くなり、今日も30oCを越えるのは、間違いありません。昨日、四国・高知では41oCという最高記録が更新したとか。。。あまりうれしくない記録更新でないかと。いくら1番がよいからといって。。。

 さて、大学院前期課程第1期の入学試験の発表が今日でした。この試験で渡辺の研究室に合格した学生さんは、2名でした。研究科のHPにも掲載されています。これで、来年の4月からM1として、研究室で研究をして頂けると思います。合格、おめでとうございます。合格に浮かれることなく、残り半年間、それぞれの研究室でしっかり卒論に取り組んで、パワーアップして、研究室で大学院生活をしてくれるのを楽しみにしております。

DSCN6623.JPG
 わたなべしるす

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