東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年10月の記事です。

湿度、標準、昔の・・・(10/8)

2013年10月 8日 (火)

 今日もずいぶんと湿度が高い。数日前までは、乾燥しすぎるくらいであったのに、冷たいものを買ってきて、机の上に置いておくと、周りが気がつかないうちに水浸しになる。それくらい空気中の水分が違う。今の時期に湿度計が60%を越えているというのも珍しいような。。。これだけ湿度が高いと困るのは、印刷機というか、プリンター。ちょうど、科研費などの書類書き出前講義のコメントを書いていて、その出力の時に、止まることが今日はやけに多い。この湿度が関係しているとしか思えないというか、昔から、湿度が高い、梅雨時分には紙詰まりが起きて、大変だった。。。この湿度、もちろん、台風24号のおかげだと思っている。現時点で、960hPa(昔の960ミリバール)の方が子供頃から聞き慣れているのもあって、未だにこのhPaという単位は。。。それにしても今回のコースは、上陸はしないものの、ちょうど、稲刈りの時期で、記憶が間違ってなければ、東側の方が風が強いはずで。。。となると、日本海側の稲作地帯と東北のリンゴ生産地が。。。。。今の科学力では無理なのかもしれないが、この台風を消して、代わりにそのエネルギーだけを吸い取るようなことができないのだろうか。。。もちろん、水分は水が足りないところに回すとか。。。明らかにマンガの見すぎかもしれないが。。。それにしてもよく来る台風であり、何とかならないかと思う。。。

DSCN5127.JPG 台風を消すというのは、普通には考えられない発想かもしれない。そんな意味で普通というか、標準的には、それは。。。あり得ないとか。。。そういう点で、いろいろなものに標準というのがある。言葉で言えば、標準語。意味合いは違うかもしれないが、遺伝学なら、標準偏差というか。。。これも標準、つまり、平均からどれくらいずれているかを表す値だったはず。標準偏差は、SDと訳され、Standard deviationの略のはず。。。育種的に考えると、平均から外れたところの、分布から外れたところにあるものが意外と使える素材であったりする。つまり、標準的に最低限のpotentialを持っていて、標準から外れたおもしろさだったり、新鮮みのようなものがあるから、育種的に選抜対象になるのだろう。実際に育種をしたことがないが、そんな風に思う。言葉に戻るが、標準語という表現すら、正しいのかどうかわからないが、一定のpopulationのヒトが理解できる表現であり、イントネーションのようなものだと。。。ただ、普段使っているのは、それからはずれた生まれ故郷の「今治のことば」を使っていると思う。標準からは、ずれているが。。。また、研究室にいる時は、専門用語を略したり、英語で使って会話する部分もある。それで意味が通るというのが標準。でも、それは、出前講義の小学生には無理な世界。。。そのどこででも耐えることができるような可塑性というか、そんなことが大事なのかもしれない。。。

 出前講義が日常化していることもあって、大学生に講義をするのは、久しぶりで、今日の川内での学部生向けの講義で、事務棟の隣が発掘されていた。古い煉瓦が昔の色のままででていて、なんかすごそうだった。網の高さが高すぎる関係もあって、網ごしの写真しか撮れなかったが。。。。何かの遺構だろうと思ったが、あの場所に昔何があったのか、考えたが、考えつかなかった。。。昔から比べると、川内キャンパスもきれいになったし、とてもたくさんの学生さんがいる。。。昔だと、最初の講義だけでて。。。あとは、自主的に。。。。この点々の部分は、それぞれの時代背景によって違うのかもしれないので、あえて書くことは、ここでは避けることにする。教養部の頃は、前の方に座るということはなかったが、学部では、何というか期待していたというか、この講義でめしを食うというか、そんなで、前の方に座って聞いていた。ただ、昔は、聞いていて眠たくなることはあまりなかった。唯一苦手だったのは、海外出張で、暗くしてのそれぞれのセッションへの参加。英語が苦手で、時差ぼけで、聞いているだけで眠たくなった。。。ふと、そんなことを講義をして思い出した。で、大学のHPを見たら、ニュースでなんと。。。。。「競争入札に付する不動・・・・・について」というのが。。近いうちに青葉山に移転するというのは聞いていたが、移転する前に、。。。現在の自分を作ってくれた場所が消えるというのは、何ともいえない寂しさを感じたのは、自分だけではないのではなかろうか。。。。今回の震災でふるさとを失った多くの方の思いをさらに強く感じた今日であった。。。。

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 わたなべしるす

 PS. こんなことに現実逃避しないで、早く科研費を仕上げないと。。。。日々、プレッシャーを感じる毎日です。。。。今日は、90-95%くらいになったものを事務で丁寧に見て頂きました。細かくコメント頂き、とてもありがたかったです。もちろん、うちのlabのmemberにも。この場を借りて、お礼を。。ありがとうございました。あと一息でこの難局を乗り切りたいと思います。

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回復、得手不得手、来週(10/4)

2013年10月 4日 (金)

 仙台での稲刈りは見ていないが、その周辺では黄金色に実ったイネの収穫が行われている。作況指数も天候の割にはよかったのではないかと思う。一時期は冷害になるのではと、かなり心配した。作況指数が102まで回復できたのは、8月以降の高温というより猛暑のおかげかもしれない。そんな風に回復できるというか、植物というか、生き物に柔軟性というか、可塑性というかそんなのがあるからであろう。。。ただ、単純に回復できてないのは、沿岸部の水田。今年も作付けができなかったところもある。また、作付けができず、病害虫が発生しているというのも見た。特に、特に部分的に水田として回復できても、周りが雑草だらけであれば、水田に病害虫は集中する。この前の町中の仙台一高でのイネの栽培で鳥害をうけたように。。。害を与えるものは違うにしても。。。そう考えると、回復は単純ではない。もちろん、心の復活の問題の方が大変なのだと思う。震災でのことはもちろん、それ以外、学生の頃、実験がうまくいかないこともずいぶんあった。そこからどうやって復活したのだろうか。年のせいか、どうも思い出せない。気合いと根性というと、昭和の色が出るというかもしれないが、その頃はそうやっていたのだろうか。時間が解決したのだろうか。。。いずれ、いろいろなことの回復力が必要だろう。形状記憶合金のように単純でないにしても。。。

DSCN7403.JPG 回復できるのはもちろん、被害というか失敗の程度による。ただ、大失敗でも不得手なことでなければ、比較的早く回復できることもある。その逆もある。慣れていることであれば、何か変化が起きても対応が可能であろう。不慣れなことは変化に対して回復力は小さいというか、ちょっとした変化でも大きな失敗につながる。だからといって慣れたことの方がよいという訳ではない。慣れないこともやらないと進歩はない。そんな時、ふと、師匠の日向先生の言葉を思い出す。「うまくいっている時は、少々無理をしても、がんばれば、うまくいく。でも、うまくいかない時はあっさり撤退というか、一休みするのも大事だ」と。。。。確かにそんなものである。体力が落ちているのに無理をすると、さらに具合は悪くなる。早めに風邪薬とか、ねるとかを心がけるようにしている。ただ、年のせいか、回復力は前のように早くない。。。。何とも寂しい。。。ぼちぼち、体力作りというより、10年前といわないで、数年前の体力に戻すことを考えないといけない時期になったのを感じる。まず、歩くなど、そんなことから初めて見ることにする。腰痛にもよいらしいので。。。

 時期といえば、来週はノーベル賞が発表される週。ノーベル週間と呼ぶのだろうか。いろいろなところで、誰が、どの分野が受賞するかということを予想している。もちろん、自家不和合性がという話は聞いたことがない。植物の研究で受賞したのは、トランスポゾンという動く遺伝子を見つけたマクリントック短稈育種をして緑の革命をもたらしたボーローグ。どちらも学部の頃に、育種の講義で日向先生から聴いたような気がする。誰が、何がと考えるのも楽しいが、まず、来週しないといけないのは、学部の講義と学会参加と出前講義。もちろん、忘れてはいけないのは、9月か書いている科研費の書類を仕上げること。共同研究をしようと声をかけてくれた先生から、書きかけの科研費の答案を見せてもらった。異分野融合なので、自分たちとは違いfieldだが、書き方はずいぶん参考になる。せっかくの頂き物を参考にしてよいものに仕上げないと。〆切も近いし。。そうそう、忘れてはいけないのは、先月の科学者の卵養成講座で講義をした時のレポートへのコメント書き。70%くらい終わったであろうか。。。やることがこれだけ積み上げられると、どうも片付けるのが苦手である。山のように積み上げないうちに、右から左に片付けることを心がけないと。まずは来週、というよりこの週末から、片付けるようにしよう。

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 わたなべしるす

 PS. きょう、慌てていて、「回復」できない失敗を。。。やっぱり慌ててはいけない。。テレビのアニメで。「慌てない、慌てない、一休み、一休み」というのを思い出した。一息ついて、もうちょっと。。。

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○○の秋。

2013年10月 4日 (金)

ご無沙汰しております。こぶしろです。

今年もあと3ヶ月ですね。今年の仕上げに入らなければ・・・ということで

私の"今"と"これから"についてお話します。

 

東日本大震災のあった2011年の4月に宮城へ引っ越してから2年半が経ちました。

研究室でいろいろなことを学び、多くの人と関わり、

私にとって密度の濃い2年半でした。

 

今年やり残していることの一つである、被災された方との交流を行うために

私は現在、休学し、宮城県亘理町に足を運んでいます。


写真1.JPGのサムネール画像

 

亘理はイチゴの産地で有名な場所でしたが、

津波でビニールハウス全て流されました。

一部イチゴ団地が再生されていますが、

イチゴ栽培ができない地では復興の第一歩として

去年からトマトやにんにくなども栽培されています。

 

今までメディアを通してしか知ることのできなかった被災地の状況について

現地へ足を踏み入れたことでメディアからは伝わらない被災された方の思いや

被災地の"今"を知ることができました。まだまだほんの一部ですが・・・。

 

写真2.JPG


こちらは今年収穫した加工用トマト。

収穫量は去年の3分の1ということですが、

今年もこのトマトを使ったトマトジュース、トマトケチャップ販売するそうです。

 

 

東北の稲刈りも本格化して、【収穫の秋】ですね。

私も今からいっぱい収穫してきます!!

 

少し真面目な話になってしまったので・・・

ここからは楽しいプライベートの話。

 

秋といえば、

そう!食欲の秋!!芸術の秋!!!

 

【食欲の秋】

2年前、宮城に来てはじめて、"はらこめし"というものを食べました。

研究室の鈴木(増子)さん手作り絶品"はらこめし"を今年は食べられないかもと思い、

亘理町で食べてきました。

 

写真3.JPG


お店で食べるとけっこうなお値段しますね。

郷土料理なので地元の方は各家庭で味がちがうらしいです。

 

【芸術の秋】

先日、昨年から塩竃市で始まった

GAMA ROCK FES」というイベントに行ってきました。

MUSIC / ART / FOODを通して塩竃の魅力を伝え、

塩竃の街を盛り上げようと始まったイベントとのこと。

 

写真4.JPG   写真5.JPGのサムネール画像

参加している人、全員との距離が近くて

大変魅力的なイベントでした。

(イベントの雰囲気が伝わるような写真がなかった・・・)

 

こんな感じでいろんな秋を楽しみつつ

年末へ向けて、そして来年へ向けて突っ走っていきたいと思います。

 

長くなりましたが

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

こぶしろ

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【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP特別講義「ひまわりのお花の秘密--たねはいくつあるのかな???--」(10/3)

2013年10月 3日 (木)

 一昨日の木町通小学校に続いて、七北田小学校で「ひまわりのお花の秘密」の出前講義でした。台風一過というほどの晴天ではないですが、。。昨日の夕方ころに太平洋沖を台風が通過したとか。ということは、昨日の夕方の「地球の終わり」のような空模様は、実は台風の雲を見たのだったのかと。。。そんなことに気がつかないくらい、慌ただしさだったとはいえ、観察と洞察力が不足していたなと。。。

DSCN7573.JPG さて、七北田小学校での出前講義NSPは3年生。講義をする教室で準備をしていたら、子供たちだけがクラスごとに入ってきて、委員長さんらしい方が「ちゃんと、並んで下さい」と。そのあと、静かに座って待っている。とても感動しました。講義の最初に、クラスの委員長はいるのですかと、聞いてみたら、「はい」と手を上げてくれました。なので、自分も小学校の頃に学級委員長をしたことがあるので、先生のいない時など、こんなことをしていたなと。。。なので、とってもすごいことで、すばらしいことです。ぜひ、続けて下さいという話しから始まりました。朝から、すごい感動で、講義が始まった訳です。

DSCN7576.JPG 3年生は今も昔もヒマワリを栽培しているので、種から、種になるまでの復習から。では、お花が咲いた後、種ができるためには、何が必要なものはないかと。。。もちろん、水、空気などという答えとともに、「虫、ハチ」という答えも。そうです。媒介昆虫がいるので、受粉され、イチゴなども食べることができると。。。では、ヒマワリの花の中には、一体いくつの種があるのだろうということで、各班ごとに分かれて、数える作業開始。先日の木町通小学校と同じで、班ごとに要領の良さが違うのはどこでもあること。それを見ているのも、なんというか、。。がんばっているなと。。。

DSCN7579.JPG 3クラスが終わったところで、全体のまとめ。数える前に、それぞれの花の中にいくつあるか予想して、実際に数える。一番すごい予想と実数の違いは、「3個」・・。感動ものでした。七北田小学校では、午後の講義がこれまでだったのですが、今回は時間の都合で午前中に。初めて、子供さんたちと給食を。写真を撮ったり、質問に答えたり。。。。あっという間の午前中でした。

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DSCN7585.JPG 最後になりましたが、お世話になりました、校長先生、教頭先生、理科の椎名先生、3年生担任の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今月は残り4年生。今度はヘチマの講義で伺います。よろしくお願いします。

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 わたなべしるす

 PS. 来客があったこともあって、校長先生との懇談会というか、意見交換会もゆっくりできなかったのですが、命、生命の大切さを動く、動物で教えるのは、わかりやすけど、植物ではといわれて。。こちらも少し考えて、。。。植物も動物も遺伝子、DNAを次の世代に渡すということでは、同じこと。そうした観点から話して理解できる、高学年くらいであれば、よいのではと。。これも先日、JSTの地球外生命体のことを校閲というかお手伝いしたので、そんなことを思ったのかもしれません。不思議なご縁だなと。。。。

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紫式部から福沢諭吉まで

2013年10月 3日 (木)

この研究室で仕事をするまでは花に特別な興味はなかったけれど、

ダイアリーに写真を載せられる様に、最近は出かける時にカメラ持参!

を心がけている。


公園で「紫式部」のプレートの掛かった枝にきれいな実が付いているのを見つけて、子どもとの会話も弾む。


「源氏物語を書いた人は誰でしょう?」

母の視線に気づく息子。ニヤリ。

「紫式部!」

「せいか~い!」

「やった!僕が写真を撮ってあげる。」


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この名前は

紫色の実の清楚な美しさを、平安美女の「紫式部」にたとえた説、

また、紫色の実をびっしりつけることから「紫重実、 紫敷き実(むらさきしきみ)」と呼ばれていたものが、いつのころから「紫式部」となっていったとの説があるそうです。


図鑑によると、「紫式部」によく似た「小紫」という花もある様で、写真では区別がつきませんでした。

次回からもっと良く観察してみますね。



話は変わって、最近6年生の息子のクラスで、変わったドッジボールが流行っているらしいです。

ルールが変わっているというわけではなく、ネーミングが可笑しい。

まず、チーム名が「黒船」と「薩摩藩」。

一人ひとりも「ペリー」や「西郷隆盛」と名前があり、息子には「福沢諭吉」という有り難い名がついています。

ボールを投げる時に「黒船」チームは「ドーン」と大砲の効果音付き、「薩摩藩」は「鉄砲」で攻撃するそうです。

なんじゃそりゃ???

男の世界にはちょっとついていけないけれど、、、とても楽しいらしいです。


学生の頃から歴史はあまり好きではなかったけれど、子供に馬鹿にされないように、ウィキペディアでこっそり基礎知識を復習したりしている母です。


いとう


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