東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

青い花、複雑系、新たなる進化(11/14)

2013年11月14日 (木)

 先週の土曜日は科学者の卵養成講座のお世話役であった。いつもなら、3-4名の異なる学部の先生方で運営なのであるが、その日は2名の先生が出張、1名の先生はこのプログラムの全国大会への参加。結局、農学部の先生と2名で。前半は工学部の先生がお話し頂いたが、酵素、Enzymeがkey wordで、最後の話題が「花色」。青いバラ、青いカーネーションというのは市販されているが、現実的には青と言うより、紫に近い色。それをもっと変えて、青い色にしたいと。ただ、色が変化するというのは、酵素反応だけの問題でなく、pHだったり、錯体を形成する金属イオンの配位の問題だったり。単純ではない。というか、遺伝学をやっているものには、あり得ないような複雑系を理解しないといけなくなり、どうも苦手である。昨日の新聞にこれまでとはちがう植物の青色を使ってと言うのが。研究チームの中に、「愛媛県農林水産研究所」というのを見つけて。。。そんなこともしているのだと。。。ふるさとの花卉園芸がこれでまた幅が広がるのではと。。。

 複雑系というか、ここでもよく将棋のことを取り上げる。へたくそであるが、それなりに棋譜を見て、なるほどと思うことはある。ただ、どちらが有利なのかというのは、どうも間だ、というか、ずっとわからないような気がする。年間を通じていくつもの棋戦があるので、楽しめる。小学校の頃、もう少し単純な系というか、「チェス」をやったこともあったが、今では、それぞれのコマの配置と動かし方も覚えていない。チェスももちろん、奥深さはあるものの、将棋の方が楽しいと思ったのは、複雑というか、自分のコマが相手のコマになったり、その逆になったり。。。序盤には飛車、角というのを維持したいが、終盤ではそれを切ってでも、勝負に出るとか。コマの交換をしたりして。。。それが余計に複雑さをもたらしているのであろう。また、これが手筋とか、定跡とかというのが、時代によって変化し、進化しているところも複雑さの原因かもしれない。

DSCN0470.JPG 久しぶりに将棋とかと思うが、昔の研究室にあったような将棋盤とか、麻雀パイというのは今ではなくなった。碁盤と碁石は、研究科のどこかで見たことがあったような。囲碁はできないが、五並べというか、連珠ならできる。久しぶりと言えば、アルバイトに来た学生さんに、DNAからアミノ酸への翻訳とか、相同性検索とか。。。ほんの10年少し前までは学生がやるよりも早かった。というか、このweb siteでこうすればよいとか、十分な戦力であった。ところが、いまではもちろん、理屈というか理論はわかっているが、いざ、やろうとすると、どこに何があってと、。。。しばし頭を抱えた。学生最初の頃は、DNASISというのがあって、読んだ塩基配列を翻訳して、とかもちろん、net環境でなく。。。そのうちに、databaseができて、相同性検索というのが、日本米国欧州の3ヶ所でできるようになり、遺伝子登録も。最初の遺伝子登録は、そういえば、netでなくて、floppyにdataを入れて送ったような。。。1990年代半ばの話しであるが。。。頭の中ではわかっていて、あの頃と比べて衰えてないと思っても、そうはいかない。。。その衰えを別の器用さというか、要領で何とかしているという感じかもしれない。netを駆使して。。。そのぶん、ちがうところであたらな進化をしていると思わないと、やっていて寂しくなる。昔であれば、その1点だけを見詰めていたのを、少し高いところと言うほどではないかもしれないが、物事全体を見て、師匠から学んだ、ここはこの一手、ここは少し手順を変えての一手、ということを考えることができるようになったことが、前とはちがう「新たなる進化」なのだろう。立ち位置を変えないで、何も進化しないのでは、10年先を見すえることなどできないのかもしれない。そういえば、10年先を見すえてというプロジェクトのことがあった。さらなる「新たなる進化」をして、紫と言われない青いと言われる花になれるように。。。

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 わたなべしるす

 PS. 関門海峡の橋が架かって、40年になるらしい。あまりイメージがない。小学校の頃のイベントだったからであろうか。それよりは、瀬戸大橋が開通し、道路と鉄道で本州、四国が結ばれた時の感動の方が。。。もちろん、あの頃は大学生になっていて。。。宇高連絡線がなくなる方が、寂しかったような。。。。それはそれで。。。いずれ時代の流れはあっという間。時代の流れを読み、流れを乗り切ることが大事なのであろう。。。

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