東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年2月の記事です。

【出前講義】大谷高等学校・EDUワークショップ・グループ学習「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」(2/15)

2014年2月15日 (土)

 昨日の関西の雪を見ていた限り、今日、関東・甲信・東北でこんな雪になるとは。。。それも2週連続で。。。仙台はニュースでしか見ることができないですが、28cmにまでまた積雪。。。頭を抱えるばかりです。ちょうど昨年と同じパターンで、一昨日が、観音寺第一高等学校。1日おいて、京都市内の大谷高校。昨年同様にグループ学習を中心とした活動で、進路指導部長の田村先生からお願いされたものでした。最寄駅から歩いていると、ウメか何か、バラ科の花でしょうか。

DSCN1722.JPG すぐそこまで春は来ているのだと感じる一方で、学校内には雪が残っていたり、。。もちろん、学校の中にも、黄色い春の花を見つけて、もう少しがんばれば、春と思いつつ、テレビ、netでは、。。。東北の春はもう少しかかりそうです。

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DSCN1726.JPG 講義の内容は去年と同じですが、学年進行がしているので、2年生といっても去年の1年生ですので、新しいメンバー25名弱。去年と同じで、文理関係なく、文理の割合はだいたい、50:50だったのでは。最初にこちらからの自己紹介をしたあと、この高校での特徴であるグループ活動。自己紹介の時に、渡辺の出身の今治市で知っているものといって、「今治タオル」がわかっていたのは、うれしかったですね。あと、ゆるキャラのバリィさん。ただ、それぞれのパーツが今治市のどんな特徴と言うことは、意外と知らないようでした。せっかくです。この機会に覚えて下さい。そのあと、A~Dの4つのグループに分かれ、最初は、野菜などの写真を見てもらい、考えてもらうことから。京都の町中の学校の関係もあるのでしょうか。わかったのは、キュウリ、ネギ、ナスくらい。ムギとイネは慣れないと区別はつきにくいですし。。。もう少し自分たちが食べている野菜を知ってもよいのでは、何より、京野菜というのもあるくらいですから。。。これを機会にぜひ、食べているものが何か、それはどんな植物なのかを考えてみて下さい。あと、恒例となっている「ヒマワリの上のハチはどこから来て、どこへ行くのか。。。」。多くの高校で、ひまわり-1, 2, 3, ....というところを。そうでない花を答えてくれましたが、季節感が。。。。。いつもの「ワープできるハチ」と言うパターン。学校の中にもいくつもの花があります。ぜひ、そうした花を見て、季節感を大切にして下さい。

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DSCN1732.JPG 後半は花粉管伸長、自家不和合性の動画。へーと思われたのは、何よりでした。また、リンゴの花が咲いているところと、実際の関係。。。意外だったと思います。実際に切ったリンゴも見てもらいました。ぜひ、また、自宅でもやってみて下さい。最後は、名古屋大の東山先生に使わせてもらっている、受精の時の動画。植物も考えることができるというか、そんなように見えることに驚いてもらえたのは、何よりでした。また、質問の時間には、なぜ、今のような職業になったのかと。。。小学校の頃のアニメ(マジンガーZ、科学忍者隊ガッチャマン)の博士、教授の影響だと。。。そんな身近なところに、将来を決めるものがありますので、ぜひ、そうした目で、身の回りを見るようにして下さい。と言うことで、あっという間の2hrでした。

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DSCN1741.JPG 最後になりましたが、加護先生、進路指導部長・田村先生、校長先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。次年度、また講義にうかがえるのを楽しみにしております。


 わたなべしるす

 PS. 系列大学の先生で歴史に詳しい方とお会いして、昨今の教育事情、文理融合に向けての方策など、これからのアウトリーチ活動だけでなく、アブラナ科植物を違う角度から見ることもできるようになりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

 PS.のPS. この日、ソチ五輪で初の金メダリストにスケートの羽生結弦選手。渡辺が出前講義で5年くらい前からでしょうか、伺っている七北田小学校の出身。うれしいですね。今度、七北田小学校に伺ったとき、何かあるのでは。。。楽しみです。


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物理、気象、心理(2/14)

2014年2月14日 (金)

 また、雪が降り始めた。というか、明日の京都市内での出前講義で京都であるが、関西も雪で大変なようである。最初は、暖冬といっていたような。。。そんな冬。というか、冬のソチ五輪が始まって、1 weekが過ぎたとか。スポーツは見るものというか、寒い雪の中でなにかをするというのは、自身としては苦手である。スキー、スノーボードはやったことがないというか、スキー場に行ったことがない。仙台にきて、30年になるのにもったいないと言われるが、寒いときに、寒いところにいくというのは。。。やっぱりだめである。ただ、高校時代に苦手であった「物理」現象が随所にあるような。典型的と思えるのは「カーリング」。石と石がぶつかる。その速さと角度を考えると。。ただ、理論の通りにはいかないというのが、人間がやるスポーツだからであろう。ちょっとしたコントロールで、思ったようになったり、ならなかったり。。。

DSCN1718.JPG 氷の条件というか、製氷も理論的な平面ではない。その意味で、微気象というか、そんなこともあるのだろう。こうした細かな数値を仮定して、シミュレーションするというのはできないのだろうか。たとえば、SSHの課題研究のようなことで、一連のことをシミュレーションしてみるのはどうだろうか。netなどのゲームをやるより、おもしろい結果が出るような気がする。もう少し気象が大きく関係するのは、スキーであろう。雪質によって使うwaxも違うとか。スキーをしたことがないので。。。正確にわからないのであるが。。。それから、スキーのジャンプはジャンプ台の形状によっても、先の物理現象も影響を大きく受けるであろう。もちろん、気温、風速、風向など、考えないとというか、その条件でどうするかをより考えないといけない、そんなこととなると、物理現象だけではなくなる。

 つまり、刻々と変わる気象条件にあわせて、どのように「即時対応」するかというある種の心理戦になる。というか、心理面をより強化することも大事なのであろう。こうなると、スポーツであるが、刻々と変わる世界状況に合わせて、自分たちの研究をどう展開するのか、どの様に発表するのかなど、研究をするということとも相通じるというか、同じような感覚になる。次の一手をどうするのか、それをどの角度から、それによって、展開が違ってくる。あと、1 weekくらいあるのだろうか。ソチ五輪。スポーツから多くのことを学んで、研究に活かさないと。。。これも異分野融合ではないのだろうか。。。。こんなことをしないで、明日の出前講義に備えて、宿題をしないと。。。

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 わたなべしるす



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【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH運営指導委員会(2/13)

2014年2月13日 (木)

 SSH研究成果報告会に続いて、運営指導委員会。十分な時間を使って、活動内容を伺って、質疑の時間があったり、先生方と立ち話をする時間もありましたので、内容の説明を省いて、運営指導委員の側から、free talkという形で。こうしたやり方もよいのではと。1日、缶詰なのはありますが。。。

 もちろん、いくつもの課題というか、ポイントがあったかもしれないですが、全体として言われていたことは、観音寺第一高等学校のSSH活動のactivityの高さだったと。プレゼン力、海外科学体験研修などを通じての英語力の充実化。そうした中で、今日の課題研究の中で、繰り返し実験と統計的有意と言うことを示すことの重要性。また、せっかくなので、平均はExcelを使わなくても、手で計算できるかもしれないですが、分散を計算するとなると大変。ただ、分散を出すときに、その数式にどの様な意味があるのかを理解しておくこと。それは、公式を知っていると言うことでなくて、原理原則を理解していると言うこと。考えると言うことでも重要ではないかと思います。ぜひ、充実して頂ければと。

DSCN1717.JPG あと、新しい試みとして「科学史というか、その科学背景にどの様な歴史があるのか」と言うことを理解しておくのは、重要ではないかと。そうすることで、モチベーションが上がったり、より深い理解ができるのでは。。これは、ぜひ、科学者の卵養成講座でも取り入れないといけない課題だなと思いつつ。。。また、SSHをやっている方の全てが科学者になる訳でないので、企業に出たとき、あるいはそれ以外の職場で、generalist, specialistのどちらでめしを食うのか。確かに大事なポイントだと。より現場に近ければ、specialistでよいかもしれないですが、そうでなければ、文理融合に近いようなgeneralistでないと。。。そうした人間力をどうやって、このSSHで育成するのか。難しい問題だなと。。。また、このSSHの活動を通じて、ぜひ、「光る璧」を見つけて、より磨いて、それ以外の部分の平均も向上できれば。。。。

 いろいろな基礎が最初の2年でできているからこそ、より高い目標が出てきたのだと思います。次年度もまた、6月に講義で伺うことも決まり、また、楽しみになりました。ありがとうございます。今回のSSH運営指導委員会でお世話になりました、校長先生、教頭先生、県教委の先生方、石井先生、上原先生、猪熊先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のことを踏まえて、次年度、さらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. 前半の「研究成果報告会」に昨年度までの校長先生をされていた島田先生が。今は私立大学で教えておられるとか。こうした機会にお目にかかれたのも何かのご縁かと。。。ありがとうございました。またの機会を楽しみにしております。


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生命科学研究科修了祝賀会2013

2014年2月13日 (木)

昨日で研究科の博士修士研究発表会がすべて終了し
夜には修了祝賀会が催されました.

高橋研究科長からのありがたいお言葉と乾杯のあとに待っていたのは・・・

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昨日は昼間から食べっぱなしで全くお腹は減っていなかったのですが,
目の前においしそうな料理があるとついつい手が伸びてしまいます.

毎年恒例,職人さんに目の前でお寿司を握ってもらえるコーナーも設けられていました.

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私はわさび抜きをお願いして,「子ども舌だねえ」と返されるのが毎年の恒例になりつつあります.
わさびがあると味が引き締まっておいしいんですけどね・・・涙が止まらないんですよね・・・


修了メンバーもそれぞれ楽しんだようです.

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全員揃って発表をつつがなく終えることができて,本当によかった.
私もとてもうれしいです.

今期の修了メンバーとは,私も一緒に色々と経験を積むことができました.
試行錯誤することも多かったので何かと迷惑をかけてしまいましたが,それぞれ助けてくれてありがとう.
数年後にラボ生活を思い返したとき,「あんなこともあったなあ」と思ってもらえれば嬉しいです.

さか

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【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究成果報告会(2/13)

2014年2月13日 (木)

 昨日が福島県立福島高等学校のSSH運営指導委員会。今日は四国・香川の香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究成果報告会、運営指導委員会。さすがに四国。と思ったら、先週の雪が山には残っていて、今年は全国的に寒いのだなと。。ただ、吹く風は冷たいですが、雪がなくて、足下を気にしないのはよいことと思っていたら、明日にかけて、また、先週のような爆弾低気圧が発達するとか。。。四国から東北で明日から日曜にかけて雪とは。。。今回の出張を遂行できるのか、。。。そちらの方が心配になってきました。

DSCN1714.JPG 午前中は、1, 2年生の生徒さんたちによる国内外の大学・企業などへの体験研修のプレゼン。プレゼンの中に「土壁」の話が。。。その中に、藁を練り込んでいる理由を考えていました。おもしろいと思ったのですが、ふと思ったのは、普段の生活で「藁」をさわったことがあるのか。最近は、温暖化して、稲刈りをしたあと、ひこばえがでて、かれたものも見ることができます。ただ、残念なのは、昔のように田んぼに稲わらがそのままになっていない、cutされて田んぼにまき散らかされていて。。。そんな環境で、土壁に塗り込む藁をどれだけイメージできたのか、また、昔の家では普通だった「土壁」をどれだけの生徒さんが触れているのか。。。観音寺もまだ、そうした家もいくらもあると思います。ぜひ、観察してみて下さい。本物を見るのは、大事ですから。海外科学体験研修については、英語でのプレゼンだったのは、niceでした。途中で話に詰まった生徒さんが、「Sorry.」と言う場面がありましたが、あれは、たぶん、「Excuse me.」と言うことだと思います。わかっていても、渡辺もなかなか出てこないのですが。。。あと、国内外の先端的な研究室を見てきて、国内外の研究室のどこがどの様に違うのか、国内のどこがよくて、海外のどこがよいのかと言うことを考えてほしいと。。。。海外の研究室で博士研究員をするような方もいるでしょう。その時に、なぜ、その研究室なのかということから始まって、大事なことだと思いますので。。。プレゼンの中に、「恐竜の寿命が短いと。。」。ふと、なぜ、短いのだろうかと。。。もちろん、彼らからのプレゼンに解答はなかったのですが。。。そこに「不思議」を考えるのも大事なのでは。。。ただ、恐竜は生きていないので、生物学的な実験ができないというネックはありますが。。。。(そもそも、爬虫類の寿命を知らないのですが。。。)。こうした生徒さんからの発表があった訳ですが、惜しむらくは、質疑の時間がなかったこと。質疑があれば、先日の福島のコアSSHで英語での質疑ができたようになったのにと。。。。

DSCN1713.JPG 午後からは、SSHの今年度の取り組みと成果の報告。午前中の高校生からの話とoverlapする部分は、おいておくとして、興味深い取り組みがいくつかありました。1つ目は、観音寺市は香川県ですが、愛媛県との県境なので愛媛県川之江市、伊予三島市が隣町。いまは、四国中央市と言うようですが。。。そこは紙の町。。愛媛大学大学院農学研究科の特任教授の方と思いますが、その方々に紙についての講義枠をつくっているのは、何よりではないかと。。。愛媛県民だったものには、うれしい限りでした。第2は、国内研究機関との連携では、観音寺第一高等学校の卒業生がいらっしゃるところに。というのは、何よりのことではないかと。いつも、研究室に来るのは、母校の高校生でなくて、。。。と思っていますので。もちろん、年に1回は、母校で出前講義はできる訳ですが。。。第3は課題研究をして、学会など、可能な限り多くのところで、発表しているところ。最低1回は、どこかで発表する。とてもよいことだと思います。いろいろなヒトに見てコメントをもらうというのは、何よりよいことだと思いますので。第4は「科学リテラシー」のアンケート調査。日常の中にある不思議に興味を持たないというのは、少し残念かと。。。こんなに自然豊かな三豊地区なのに。。。ぜひ、この自然の変化、不思議を観察してみて下さい。

DSCN1712.JPG 最後は、課題研究中間発表会。2年生のポスター発表。物理、化学、生物、地学、数学で様々な試みがされているのは、なによりかと。ただ、昨日の福島高校でも課題研究の伸びしろと言うことを気にされていました。何に原因があるのか、少し考える必要があるかもしれません。1つヒントになるとしたら、なぜ、そのようになるのか、何かに書いてあるからと言うレベルではなくて、その原因はどの様な理論というか、理屈というか、そんなことを深く考えてほしいと。

DSCN1715.JPG 今回のSSH研究成果報告会でお世話になりました、校長先生、教頭先生、県教委の先生方、石井先生、上原先生、猪熊先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のことを踏まえて、次年度、さらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. ダイコンの研究班は、12月の鹿児島で発表したグループ。早速F1の種子を買って実験をしようと。。。ただ、カイワレダイコンのF1がなかったので、ハツカダイコンのF1だけど、大丈夫かと。。。ところが、ハツカダイコンでカイワレダイコンのように伸びるのだろうかと。。。「ええええ??」。そこで「ダイコンの普通、食べる部分は、根っこなの、何なの??」、「根っこと茎は何が違うの???、小学生に説明するとしたら???」。この問題に頭を抱えられたのは、こちらが頭を抱えました。今日の帰り道に、スーパーでダイコンを見て、根っこだと思っていたダイコン、どこが何なのか。しっかり観察して、明日からと言わず、今日からの課題研究に活かして下さい。というか、毎日の自然観察に活かして下さい。

DSCN1716.JPG PS.のPS. 学校は現在、立て替え中。次に来たとき、新しくなった校舎を見れるのではと。。楽しみにしております。

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