その冊子を読み進めると、生物模倣(バイオミメティクス)について、つづられていた。動物は、害虫くらいしか扱うことはないが、植物のいろいろなことを見ているつもりである。つもりというのは、まだまだ、観察が足りないと思っている部分があるから。キャベツなどアブラナ科植物の表面に水をかけると水玉になる。葉っぱの表面にワックスがあるから。実際、waxがないmutantもとられていて、それらのいくつかは、花粉ができなかったりする。つまり、花粉にはwax、つまり、油分が必要になると。。。話はそれたが、こうした葉っぱの表面構造を活かすことというか、それをまねして、工学的に利用することが生物模倣というのだろう。。。もちろん、こうした表面のwaxを見るためには、電子顕微鏡レベルでの観察が必要。さらには、それを工学的に再構築することも。。。観察はできるが、どうやったら、工学的に再構築するための技術力は、少なくとも生物をやっているものにはない。農工連携のようなことが起きないと。。。遺伝学をやっているとどうしても農工連携のようなことは難しいが。。。そこを越えることでまた、新たらしいことが見えるのだろう。。。
そんな観察も何を専門にしているかでずいぶんちがう。植物を扱い、花を材料にしていると、そうしたものについつい目が行く。というか、自然の観察対象の多くがそうである。もちろん、趣味になっているようなものだと、それらに目が行くことも。。。ところが、今日の出張でご一緒した工学部の先生。専門は電気系というか、物理系というか。。。栃木県内にある変電所を見つけて、「へーーー!!すごーー!!!」。こちらは、大きなのがあるのは知ってはいたものの。。。やっぱり、それぞれがどの様なことに着眼点を持つのかは、その専門でこんなにもちがうのだなと。。。当たり前であるが、再認識をさせられた。だからこそ、異分野融合をしないと。。。そういえば、「WPI-AIMR」では、数学と原子とか分子の構造とか、金属が融合しているとか。数学と遺伝学はATGCということを考えれば、融合しやすいのかも。。。さらに、電気とか、もっとちがうものを融合したら、おもしろくなるのではと。。。そんなことを考えさせられた出張であった。。。
わたなべしるす
PS. 出張中に、2件の出前講義の依頼をいただいた。うち1件は新規なところ。。。ありがたい限りである。よろしくお願いいたします。