東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【招待セミナー】東京大学大学院総合文化研究科での招待セミナー「アブラナ科植物の自家不和合性--細胞間コミュニケーション、低分子RNA等、はやりの事柄を含んだ不思議な形質--」(7/1)

2011年7月 2日 (土)

 このところ、小学校高校での出前講義が多かったですが、本来というか、大学院生対象のセミナーに招待をされました。東京大学大学院総合文化研究科の渡辺雄一郎先生のところで、これまで植物病理にまつわる様々な研究をされており、今回は昨年低分子RNAが自家不和合性の優劣性を制御するということを発表したこともあり、お招き頂きました。ありがとうございました。渡辺がeditorを行っているPlant Cell Physiol.の2010年の論文賞が渡辺先生のお部屋の論文だったことも、不思議なつながりだなと。。。

DSCN0819.JPG 時間が1hrということで、少し駆け足になりましたが、生殖という形質がなぜ重要なのか、自家不和合性とはどういうことで、アブラナ科植物ではどのような分子が係わっているのかという概説をしたあとに、われわれの研究グループとして、2010年のトピック的研究発表をできた「自家不和合性シロイヌナズナ」、「低分子RNAによる対立遺伝子間の優劣性制御」について、お話しをしました。セミナーを聞いている方の興味も様々で、進化、栽培化、優劣性など、多岐に亘る議論ができ、こちらとしても大変有意義でした。ありがとうございました。

 植物病理の病原菌、ウィルスと植物との相互作用は、自家不和合性とよく対比され、これまでもいろいろな場面で語られ、論文も読んできました。その幅がより近くなり、今後さらなる共同研究などに発展できればと思いました。最後になりましたが、招待頂きました、渡辺先生に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 わたなべしるす


 PS. 東京大もいろいろなところにキャンパスがありますが、いつもは、弥生、本郷ということが多かったですが、今回は駒場。大学に入った学部生の頃に、高校の友人がいた頃に、駒場を訪ねて以来と思うと、ずいぶんと伺ってなかったなと。とてもよい環境でまた伺いたい場所になりました。

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【招待セミナー】京都大学生態学研究センターでの招待セミナー「アブラナ科植物の自家不和合性--故きを温めて新しきを知る--」(12/7)

2010年12月 7日 (火)

 12/7の午後は、特定領域研究「植物ゲノム障壁」で、公募班員で参加されていた、京都大・生態研の工藤先生のところに招待頂き、アブラナ科植物の自家不和合性研究の現状とそれを支えた、昔の事柄について、セミナーを行いました。午前の分子生物学会の発表に続きというのは、ありがたい限りです。

 アブラナ科植物の自家不和合性研究についていえば、2010年がまさにトピック的な年に当たり、「自家不和合性シロイヌナズナ」、「低分子RNAによる対立遺伝子間の優劣性制御」を、われわれの研究グループで明らかにできました。そんなトピックの話に至るまでのここ20年の話と、そこまでに至る、S遺伝子をどうやって同定するか、S遺伝子座の本体かと考えられていたSLGとはどのようなものであるか、また、1960-70年代には自家不和合性を打破するためにいろいろなことが試みられ、今でも、採種現場では使われている炭酸ガス(CO2)処理による自家不和合性の打破など、シロイヌナズナ研究を行っている人たちには、あまり知られてないようなことをお話しして、よい交流ができました。

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 新しいことは、次々と出る論文をカバーすればよいわけですが、その研究領域の古いことがどうなっていたのか、なぜ、そのような研究をしたかというのは、やはり、それをやっていた当時の先生方に話を聞くのがと思っております。以外とそうした方々との話で、思わぬ発展があるのではと。そうした古いことを大切にして、これからの研究をよりよい方向に発展できればと、思い起こさせてくれた、セミナーでした。

 また、工藤先生自身、学生の頃に、遺伝生態研究センターで数年間、タネツケバナを使って、実験をしていたとか。その時期も、渡辺が農学部で助手をしていた頃で。重なりがあり、当時のセンターの先生方の話にもなり、びっくりでした。世の中の狭さを感じました。

 最後になりましたが、招待頂きました、工藤先生に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後、よりよい方向で、共同研究などができればと思っております。

DSCN5242.JPG わたなべしるす


 PS. そういえば、渡辺が今所属しているのは、生命科学研究科ですが、その母体は、「遺伝生態研究センター」でした。そこの客員教授をされていた方が、京都大の先生だったような。ふと、帰り道で、そんなことを思い出しました。
 また、岩手大時代にお会いした方にも、最後の懇親会でお会いできたり。びっくりの連続の1日でした。


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宇都宮大・農学部・c-Bio招待セミナー「アブラナ科植物の自家不和合性--花粉と雌ずいにおける自他識別分子機構--」(11/12)

2009年11月15日 (日)

宇都宮女子校でのSSH研究指導の翌日に、宇都宮大・農学部の高橋先生にc-Bioセミナーにご招待いただきました。高橋先生は、数年前に東大の西澤先生のところから、異動され、新たに、植物栄養を考える上で欠かせない、重金属と生殖過程との関係を新たなテーマとして研究を進めていると言うことで、研究面で意見交換ができると言うことで、そちらも楽しみで伺いました。

 セミナーでは、花としての一般的なことから始まり、自家不和合性の分子機構までお話ししました。発表が終わったあとには、たくさんの質問をいただき、また、こちらがこれから考えなくてはいけないような質問も飛び出し、こちらとしては、良い刺激を受けました。ありがとうございました。

 次回は、ぜひ、高橋先生をお招きして、生殖過程における重金属の話をお願いできればと思います。重金属である微量元素の重要性は、学部生の時に植物栄養学で学んだのが、最後のような気がしますので。ぜひ、よろしくお願いします。


わたなべしるす

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福井県立大・生物資源学部招待セミナー「アブラナ科植物の多様性--自家不和合性と形態--」(3/16)

2009年3月17日 (火)

 今年度最後の招待セミナーは、福井県立大・生物資源学部でした。コムギをベースに生殖形質を研究されている村井教授にお世話いただきました。ちょうど春休み期間ということもあり、学生、院生の聴講は少なかったですが、プレゼンのあと、30min以上の質疑があり、好評でした。

 コムギといえば、京都大・遺伝研の木原均博士が、「ゲノム」という概念を構築され、コムギは、A, B, Dゲノムから構築されている6倍体であることを思い出しました。村井教授は木原先生のお弟子さんのお弟子さんだとか。コムギと同様に、Brassica属のA, B, Cゲノムの解析について1935年のU博士の解析が有名です。世の中不思議とつながっているものだと思いました。

 そういえば、昨今の市町村合併で福井県立大のある町も統合され、永平寺町になったとか。永平寺といえば、曹洞宗の大本山。厳しい修行のお寺と聞いたことがあります。研究も同じように厳しくなければならないと思う今回のセミナーでした。

わたなべしるす

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大阪大で招待セミナー(10/31)

2008年11月 5日 (水)

共同研究の打ち合わせを兼ねて、大阪大で、アブラナ科植物の自家不和合性に関するセミナーを行いました。

理学部化学科、生物学科というheteroな場所でのセミナーでしたが、なぜ、SP11とSRKが共進化するかなど、これから解決しなくていけないような問題について、質問を頂き、まだまだ、研究の深さを追求しなければと思ったところです。

生物学、農学、遺伝学をベースとする研究室としては、化学系の研究室との連携はこれから不可欠です。よりよきパートナーとして、研究の幅を広げていければと感じた、打合せ、セミナーでした。

わたなべしるす

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