東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【研究室訪問】福島県立磐城高等学校・SSH大学訪問研修(4/24)

2013年4月24日 (水)

 昨年も、SSH実施校の福島県立磐城高等学校の大学訪問研修を承りましたが、今年度も同様に、8クラスの1年が、学内の4つの研究科(生命科学研究科農学研究科、理学研究科、工学研究科)と1つのセンター(東北アジア研究センター)への見学。生命科学研究科へは2クラスが配属。1年生でクラスごとなので、生命科学というか、理系に興味がないかもしれないような生徒さんもいたのでは、ただ、これから先のことを考えると、文理融合、領域融合は重要ですから。で、今年度も、科学者のたまごなどのアウトリーチ活動を積極的にされている東谷先生、日出間先生と磐城高校の卒業生である草野先生の研究室が担当頂けました。

DSCN5953.JPG それぞれの研究室での細かな見学内容については記しませんが、最先端設備、人工気象器、大きな顕微鏡での観察、大学の実験室など、普段の高校生活では見ることがないようなものも見学いただきました。昨年度もそうでしたが、20人のグループが時間をoverしないように見学してもらうというのは、時間と移動のバランスを考えるのが。。。渡辺の研究室では、今年度は研究室の中の設備というか、大学の実験室の設備を重点的に見学してもらいました。説明には、新しく入ったばかりのM1の方々にお願いをして。M1の方々には、先週のOpen lab以来で、4クラスというたくさんの生徒さんたちに話をして、説明をするよいトレーニングになったのではないかと思います。もちろん、見学に来てくれた生徒さんたちには、高校に入ったばかりで、まだ、自分の進路を考えるどころでなくて、高校になれると言うことかもしれないですが、今回のことが、将来の進路を決めたりするようなことにつながればと思います。何がきっかけで、将来が決まるかは、いろいろなことに興味を持ち、いろいろなことに注意を払っていることが大事だと思いますので。

DSCN5950.JPG 最後になりましたが、今回のことを企画頂きました、磐城高校の桑折先生、畠山先生をはじめとする関係の先生方、ありがとうございました。これを機に、また、交流できればと思います。また、説明をしてもらったM1の方々、ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 今週末には同じ福島県ですが、福島県立福島高等学校のSSH開講式。昨年度は、ぎっくり腰になってうかがえませんでした。今年度は、必ず、うかがってきちんと講義をしたいと思いますので。


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【研究室訪問】宮城県仙台第一高等学校・生物部他「研究室探訪」で来訪(4/19)

2013年4月19日 (金)

 今年度、最初の研究室訪問は、仙台一高の生徒さんたち。昨年度も、5月の連休にきて頂いていましたが、今年度も、この4月から1年生になったばかりの方々と2年生。研究室の見学とSSHをやっていることもあり、課題研究などの実験をこれからどうするかという討論のためでした。昨日に続いて、外は花冷えで。。。最高気温は、10oCそこそこ。来訪中ではなかったですが、昼には、千島列島で、M7.0の地震が。。。最近、少しずつ、地震が多くなっているのが少し気になりました。

 最初に、研究室の内容を説明するのが一般的なのですが、1年生は、イネをやりたいということで、こちらが毎年、七北田小学校で栽培している、japonica, indicaのイネの栽培に加えて、前から話になっている、コシヒカリベースで、出穂期などが異なる、日本のイネ育種技術の粋を集めた、品種群があるので、そうしたもので、研究をとなりました。もちろん、日々の形態観察から。遺伝子をとるというのは、今や、昔から比べると難しくない時代。そうした時、本当に大事なのは、違いを見つける眼を持つこと。高校1年生としては、とてもよいことではないかと思います。ぜひ、緯度が異なる地域の高校とも連携して、同時期に栽培して、ということも。。2年生は、ダイコンの多様性、遺伝子組み換え食品等の方向性の検討をして。また、訪問した時に、primerのことなどはお話しできればということで、。。。

DSCN5939.JPG 最後は、恒例の研究室見学。PCR, sequencer、顕微鏡、等を見ながら、何ができるのか、また、昔と何が違うのか等々。そのあと、寒かったですが、ガラス室の見学。アブラナの葉っぱにあるwaxを実感してもらったり、辛み成分を実感してもらったり。もちろん、アブラナ科作物の多様性も。これまで何気なく見ていたアブラナが、明日から、少し違って見えるようになるのではと思います。

 最後になりましたが、今回の研究室探訪を設定頂きました小松原先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。研究室には卒業生の方もいらっしゃいます。ぜひ、SSH、課題研究、科学者の卵などで交流できればと思います。

DSCN5948.JPG わたなべしるす

 PS. 今日、訪問してくれた小松原先生の前任地が宮城第一高校。昨日の基礎ゼミにも、卒業生がいました。なんと、小松原先生に、理数科の課題研究を指導頂いたとかで。高校生が来ている時に、研究室を訪ねてくれました。ヒトのつながりは、不思議なものです。。。ありがとうございました。


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【研究室訪問】大阪府立大阪園芸高等学校、石川県立小松高等学校、来訪(3/26)

2013年3月26日 (火)

 前日が「ジュニア農芸化学会2013」。それに発表された、SSH実施校の大阪府立大阪園芸高等学校、石川県立小松高等学校の2校の高校生と指導されている先生とが、研究室を訪問頂きました。高校生が、学会で発表できるというのは、昔では考えられなかったことですが、最近では、他に、日本植物生理学会、日本分子生物学会でされているのを見たことがあります。あくまで、渡辺が参加している学会だけですが。。高校生が、大学の教員、院生から、コメントをもらえるというのは、とてもよいことではないかと思います。

 どちらもSSH実施校ですが、大阪府立大阪園芸高等学校とは、昨年の横浜での全国発表会でお会いして以来。石川県立小松高等学校には、今年度、3回ほど、お邪魔しました。また、コアSSHでも、鹿児島水沢でご一緒しました。最初に、研究室についてと言うことで、ちょうど、今年度で終了する、科研費・若手研究(S)の報告書がありましたので、それを元にこんなことを研究しているという、研究室の概要を説明したあと、実験室の方も見て頂きました。実験室、温室のせつめいは、院生の方々にお願いをして。普段使っているような実験器具よりは、少しグレードが違う機器があり、見たことないようなものもあったのではないでしょうか。あわせて、温室の方も見て頂き、。。園芸高校では、アブラナ科作物を、植木鉢での栽培というのは、不思議に思われたかもしれません。普通は、畑作をするものですから。。。研究をする時には、こうした系も使うというのもわかったのでは。アブラナの花のシーズン前でしたが、渡辺はアブラナの花粉症なのもあって。。。院生の方にお願いしました。

 今回は、生命科学研究科・生命素子機能分野(渡辺が知っている頃の名前は、農学部・食糧化学科・食品保蔵学研究室だったような。。。)にも、ご協力頂き、そちらの研究室も見学できるように、村本先生、永沼先生に手配頂きました。農芸化学会の学会運営で、お忙しい中、大学院生の方々が、labの中を案内してくれました。ありがとうございました。植物、遺伝学とは異なる、化学系の実験室を見ることができたのではと思います。

DSCN5820.JPG 午前中という短い時間だったかもしれないですが、普段見ないような、大学での研究の一端を見て、これからの課題研究、さらにその先の大学等を考えた時の参考になれば、幸いです。まだ、どこかでお会いすることがあればと思いますし、講義にうかがえればと思います。

 最後になりましたが、今日の実験、講義、研究室見学をお手伝い頂いた、研究室の大学院生、スタッフの方々に感謝します。ありがとうございました。今年度のアウトリーチ活動も無事終わることができました。ひとえに、研究室のスタッフ、院生の方々のおかげです。ありがとうございました。次年度もよろしくお願いします。


 わたなべしるす

 PS. 日本農芸化学会では、2013年度の参加証にIC-tagが入ったものだとか。。。国際会議のようです。。。結構びっくりしました。大きな学会のすごいところだなと。。

 PS.のPS. 今日の新聞にスーパーSSHとか、小学校の理科専科とか。これからの取組として、重要という言葉が踊っていました。昨年の3月の愛媛新聞にも書いたように、理科専科は、出身の今治では、30年以上前から。。。ぜひ、そうあってほしいなと。。

 PS.のPS.のPS. 小松高校は、ジュニア農芸化学会の発表で、入賞したというか、賞を受賞したということを伺いました。詳しいことは、また、ダイコンのHPでということではないかと。。。

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【出前講義】山形県立鶴岡南高等学校理数科・SSH理数セミナーI・研究室訪問、実験実習「バナナからDNAを」、特別講義「自家不和合性、植物の生殖」(3/22, 29追記)

2013年3月22日 (金)

 昨日は、日本植物生理学会で、PCP特別企画ランチョンセミナーでした。数日前までが春を通り越したような天気だったに対して、例年並みの寒さだったですが、会場の熱気はかなりのものがあったのが、何よりでした。昨年度も年度末に、研究室訪問と実験実習などを行ってもらった山形県立鶴岡南高等学校今年度から、SSHに採択されて、本格的にこうした活動が、deepにできるようになったのではと。何より楽しみにしております。昨年の時にも書きましたが、渡辺の師匠の日向先生が、市町村合併前の旧藤島町出身で、鶴岡南高等学校の卒業生。今年度は、旧藤島町の方はいらっしゃらず、残念でしたが。。。

DSC_8711.JPG 最初は、「バナナからDNAを」という、先日、小松高校で、実習指導をした実験。簡単そうですが、意外と。。食塩水でつぶして、濾過して、洗剤を入れて、エタノールで析出させる。グループに分かれての実験でしたが、各グループごとで、実験のやり方、細かさなどが違っていて。自分たちだけのことに、いっぱいいっぱいだったかもしれないですが、次回から、こうした実験の時、ぜひ、他のグループがどうしているのかを、観察してみて下さい。自分たちよりも、よいところ、そうでないところが見えてきますので。もちろん、全部のグループで無事DNAは析出して。ほっとでした。この実験に引き続いて、2つの班に分かれて、研究室の中と、外の見学。ここでは、院生の方々に説明をお願いしました。普段見ないような設備、植物の栽培など、ちょっとした気づきがこれからの課題研究のヒントになると思いますので。最後に「自家不和合性、植物の生殖」の講義を。もちろん、自家不和合性というのは、渡辺の師匠の日向先生から、渡辺が教えてもらって、今も研究を継承しているテーマ。日向先生の後輩の方々と将来、一緒に研究ができればと思ったりしながら、お話をしました。最後に見てもらった、受精のところ動画。トレニアの。これも、鶴岡南高等学校の卒業生で、名古屋大の東山先生が撮影されたものと。そんなことも説明したら、あっという間でした。講義の最後にはいくつかの質問も。とても一生懸命な半日ではなかったかと。

DSC_8775.JPG 最後になりましたが、今日の実験、講義、研究室見学をお手伝い頂いた、研究室の大学院生、スタッフの方々に感謝します。ありがとうございました。来週、また、研究室見学があり、それが今年度最後のアウトリーチ活動になるかと。

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 わたなべしるす

 PS. 今日(3/29)に、生徒さんからの感想を頂きました。DNAをとった感動、植物も生殖という点では、必死だということ、世界トップクラスの研究ということ、「何が起きるわからないことを想定しておかないといけない」、自家不和合性のことなど、positiveにとらえてもらえた時間だったのだと。。ありがとうございました。また、次年度も楽しみにしておりますので。



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夏休みも終わって。。(9/2)

2012年9月 2日 (日)

 久しぶりに朝、仙台でも雨でした。この夏はかなり雨が少ないので、少しでもあれば。。来週にはもう少し雨が降って、少しは涼しくなるのでは。大学にいると、暦上、夏休みは9月いっぱい。10月からが後期に。ただ、どうも頭の中は、高校生までの夏休みは8月いっぱいと言うがなくならないのも事実で。夏休みにやらないといけない「宿題」も終わったのか。。まだいくつかあるような。何とかしないといけないと思いつつ。と言うことで、この夏休み(7, 8月)のこんなことがあったというのを整理したいと思います。

 HPに記す時間がなかったのですが、8/30の早朝に、宮城県沖地震が。。M5.6。久し振りに大きなものでした。出張先で知って、labなどを確認したところ、軽いものが少し落下したくらいで。何も被害がなかったといってもよいのかもしれません。3.11の大地震の時には、その2日前に「前震」があったので、この週末が危ないのかと。。。直接関係ないかもしれないですが、フィリピン東方海上で、8/31の夜に、M7.6の大きな地震が。テレビには津波警報も出て。。何とも言えない緊迫感でした。翌朝の情報では特に何もなく、ほっとしたものでした。地震といえば、SSHの関係で鹿児島出張した折りに、仙台空港から沿岸部を見たとき。ずいぶんと緑の水田が海岸近くまで広がっていたのには、ほっとしました。3.11から1年半ほどですが、少しずつこうした農業環境も戻っているのだと。。。一方で、7/2で、釜石高校におじゃましたときには、震災後初めて、津波被害を受けたところを、この目で見たときには、目をおいたくなるような。また、当日の様子を現地の方から聞いたときには。。。町並みが少しずつですが、復興していたのには、住んでいる方々の心意気というか、がんばりに感動したのを思い出します。

DSCN3460.JPG 夏休みは、イネをやっている研究室では農繁期。特に、花を扱うとなると、穂孕期から開花まで1週間程度。品種、処理条件などが違うと、少しずつずれはするものの、一気にサンプリングしないといけない、毎年恒例の行事というか、作業というか。。。今回も、イネチームの方を中心に、アルバイトさんもたくさん手伝って頂き、ずいぶんたくさんの葯のサンプリングが出来ました。これを1つでも多くの業績につながるようにと。。。

 アルバイトさんたちには、研究室の様々な仕事を手伝ってもらっただけでなく、HPに日々のことを書いてもらう試みも始めました。帰省中のこと自分の出身校への訪問毎日の生活のこと観察したこと旅先での出来事、今までは、lab memberというと大学院生以上に限られていたのが、もう少し若い世代の目から見た世界も綴ってもらうのがよいだろうと。これからもlab memberだけでなく、こうしたアルバイトさんからの目ということで、研究室を紹介したいと思います。

DSCN3469.JPG この夏休み中に論文発表がなかったのは、。。。自分を含めたlab memberの努力がということだと思います。いわゆる「夏休みの宿題」をちゃんとやるということだったと。。。これをきちんと反省して、constantに論文発表出来るように。自戒を込めて、記しておきたいと思います。lab memberといえば、夏は大学院の入試。来年からのメンバーも1名増えることになりました。まだ、II期の募集も行います。ぜひ、われはという方、10/13のopen labにいらしてください。お待ちしております。

 その代わりというのは、あれですが。。。社会貢献というか、出前講義、研究室訪問ではかなりの方々と交流が出来たのは、次の世代を考えた時、よかったことであろうと。少しだけほっとしています。研究室に来てくれた方々も、いつもの高校生(釜石高校観音寺第一高校小松高校、松山南高校高志高校秋田南高校相馬高校錦江湾高校浦和第一女子高校秋田県教育委員会)だけでなく、小学生が夏休みの実験ということで。渡辺自身が染色体の実験というの久し振りでしたが、いろいろな方々に教えてもらいながら、何とか。。それから、大きなイベントとして、「科学者の卵」と「植物生理学会」との合同で、高校生向け、シンポジウムを行いました。夏休みの忙しい時期というのもあったのかもしれないですが、100名を超える生徒さんたちに参加頂けたのは、何よりだったと思っています。ありがとうございました。

DSCN3422.JPG 最後になりますが、夏の初めの頃は、ずいぶんと低温が続いて、もしかしたら、冷害になるのではと思ったほどでした。。。ところが、梅雨明けからは、好天に恵まれすぎというくらい晴れが続き、今では、秋にかけて渇水対策本部が出来るのではといわれるくらい雨が降っていません。。。。今週はずいぶんと雨の予報も出ており、一雨毎に秋らしくなることを祈りつつ。。。


 わたなべしるす

 PS. 昔のシステムで見るのが大変だったものを少しずつ、現在のHPの形式にchangeして見えるようにしています。7, 8月に1度ずつ、行いました。古い記事と思われるかもしれないですが、意外な発見があると思います。ぜひ、ご覧ください。



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