経済の落ち着きがない中、平成最後の年末年始に。花粉症に効果がある「カンキツ」があるとか。。。そういえば、愛媛の即売所のようなところで、見かけたことがあるような。。。どこが日本での最初の栽培地かは不明ですが、いずれ、こんなカンキツもあるのだというか、将来の遺伝資源なのか。。。
今年も論文発表が難産でした。細かなことは、また、何かの機会に。。。長い研究人生を考えれば、そんなこともあるのかも知れないですが、一定程度の論文を発表することの重要性を痛感させられた2018年になりました。今回、論文として発表した研究成果は、雌しべの先端にある柱頭の乳頭状突起細胞(乳頭細胞)について。通常扱っているBrassica rapaは短いタイプ。それに対して、モデル植物でもあるArabidopsis thalianaは伸びた形。この差は、どこから出てくるのか。長く伸びている方が、花粉はつきやすいわけです。それを制御しているのは。。。受粉反応の場の理解のためには、重要なことであるわけです。シロイヌナズナをベースに解析をした結果、乳頭細胞の長さは湿度に依存しており、また、ABA(アブシジン酸)に関連したストレス応答によって制御されていることを明らかにしました。植物の生殖の過程にABAが関連しているというのは、新規なことであり、新たな展開が今後期待できるのではと思っています。
これらの研究成果は、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載されました(Takeda et al. (2018) Abscisic acid-mediated developmental flexibility of stigmatic papillae in response to ambient humidity in Arabidopsis thaliana. Genes Genet. Syst. 93: 209-220.)。freeでpdfをdownloadできますので、ご覧頂ければ、幸いです。なお、今回の研究は、京都府大、三重大、大阪教育大との国際共同研究であり、多くの方々の協力の下、この分野としては新たな取り組みとしての研究成果を発表することができました。この研究を基盤として、受粉反応の全体像が見えてくるきっかけになる論文になればと思っております。なお、今回の研究成果は、掲載誌に高く評価頂き、シロイヌナズナの乳頭細胞の電顕写真が表紙に採用されました。これまでも、数回表紙に採用されたことがありますが、とてもありがたいことだと思っております。
わたなべしるす
【研究成果】花粉管伸長をサポートする柱頭の乳頭細胞の長さは、湿度に依存し、アブシジン酸に関連したストレス応答で制御されていることを証明、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載(12/26)
2018年12月26日 (水)
【受講者募集のご案内】TEA's English 2018年度春季集中プログラム受講者募集のご案内(12/13)
2018年12月13日 (木)
平成最後の師走。文字通り、何かを片付けても、別の案件が降ってくる状態。何とか、流れ落ちてくる「諸事」に走り勝つようなことをしないといけないと思う、12月中旬。この週末の土曜日は、探求型「科学者の卵養成講座」と日本農芸化学会との合同シンポジウムが開催。当日参加も歓迎ですので。。。そんなこともあって、落ち着かないところはありますが。
そんな時代の流れとともに、昨日のニュースでは、若手が記録を更新したとか。1ヶ月とはいえ、その1ヶ月を縮めることの大変さは、サイエンスとしては、実感しています。いくつも惨敗がありましたので。。。世界に目を向けると、情報革命、情報戦争などという形で、AI、IoTの次世代の覇権がどうなるか、ということのようです。こちらはこうした技術を遺伝学に活かさないと。。。そんなAIが自動翻訳に使われているとはいえ、もう少し時間がかかるようです。渡辺も海外出張で、気の利いたことを話したいと思いますが、なかなか。。。下手くそです。何より、hearingが難しいと感じるのは、経験値が足りないからだろうと。
そんな渡辺のような方への朗報。渡辺が前後期にいくつかの講義(レポート、生命科学B、展開ゼミ)を担当している関係で、以下のような英語のトレーニングコースの紹介を。このHPを見ていて、なるほど、これはと思ったから、自分はいけないけど、という方は、先輩・後輩にご紹介下さい。渡辺の酸化は、今回も多忙で難しということでお許し下さい。。。。
わたなべしるす
以下、頂いた文面を転載。
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Tohoku University English Academy(TEA) TEA's English事務局でございます。年末でご多用の折、大変恐れ入ります。TEA's English 2018年度春季集中プログラムの申込が12月14日(金)に開始いたしますので、ご案内を差し上げております。TEA's Englishプログラムは、2015年に開始以来、のべ1,500名以上の東北大学学部生および大学院生が受講し、大変好評をいただいている課題英語学習プログラムでございます(※授業料無料、教材費のみ別途必要)。
本プログラムでは、アカデミック英語を身につける講座に加え、英語論文執筆講座やTOEFL iBT対策講座など計4講座を開講予定でございます。ぜひ学生の皆様へご案内をいただけますよう、ご助力を賜れましたら幸いでございます。
以下、2018年度春季集中プログラムの開講予定講座でございます。
① Academic 1(中級レベル)/2(上級レベル)
大学・大学院への留学に必要な英語力を総合的に伸ばしたい学生向け
② Academic General Writing
英語で研究論文を書くスキルを基礎からしっかり身につけたい学生向け
③ Academic Science Writing
英語で理系の研究論文を書くためのより専門的なスキルを身につけたい学生向け
※大学院生および学部3年生以上対象
④ TOEFL iBT対策講座
TOEFL iBTのスコア向上を目指す学生向け
以下の日程にて募集説明会を実施いたします。多くの学生の説明会参加をお待ちしております。
【日時および場所】
2019年1月17日(木) 12:10~12:50 川内北キャンパス 講義棟A棟 A 101
18:30~19:30 川内南文化系総合講義棟 第3小講義室 213
教職員の方々の説明会見学も可能でございます(※席は学生優先)。
詳細は、以下グローバルラーニングセンターのホームページをご確認くださいませ。
http://www.insc.tohoku.ac.jp/japanese/global/tea/teas-english/
2018年度夏季集中プログラムの受講後のアンケートでは、回答者(32名)の87.5%がプログラム全体の満足度について「とても満足」または「満足」と回答するなど、評価の高いプログラムとなっております。
過去の受講者からは、受講後アンケートにて以下のようなお声をいただいております。
「ライティングの力がつく授業を受けることができた」
「教科書に載らない実際に使われる英語を知ることができた」
「文法だけではなくプレゼンテーションについても学ぶことができた」
ぜひ一人でも多くの学生にご活用いただきたく存じます。
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転載ここまで。
PS. 第31期竜王戦七番勝負第6局は、昼過ぎに挑戦者の広瀬八段が勝利して、3勝3敗に。。。最終戦、どうなるのか。。。渡辺に近い羽生竜王になんとか。。。と思うわけですが。
【お知らせ】ふくしまサイエンスフェア(福島県立福島高等学校SSH事業)に協力(12/8開催、11/28)
2018年11月28日 (水)
今年は、本当にこのまま、暖冬になるのか。農作物の生育が予定よりも早くなるので、その分、注意は必要ですが、実験用に栽培している植物にとっては、安定した生育を確保できるので、問題はないのですが。。。もちろん、早めに春が来るので、その分、春先の交配実験などが前倒しになるという問題もあるわけですが。。。そういえば、この時期には、色々な果物が。。。今日は、後熟が必要な「洋ナシ」を頂きました。ありがとうございました。
この年末のこの時期になると、SSH事業の運営指導委員を仰せつかっている、福島県立福島高等学校の「ふくしまサイエンスフェア」が開催され、今年も参加し、7年目。渡辺は「バナナからDNAをとりだそう」という実験を担当します。毎年、親子連れの方が、楽しそうに参加してくれています。そうそう、いつも福島県立福島高等学校の生徒さんたちがサポートしてくれています。
日時:平成30年12月8日(土) 11:00~15:30
場所:福島市こむこむ
ポスターにあるとおり、当日は、福島県内のいくつかの中高生も企画を出していて、毎年、渡辺も感心しながら、拝見しています。そちらに、興味があってという方ももちろんwelcomeです。もちろん、入場無料。少しでも科学に触れる機会が増えることは、よいことかと思いますので。たくさんの来客をお待ちしております。
わたなべしるす
【お知らせ】Visionary 農芸化学100 シンポジウム「微生物と私たちの健康・暮らし・環境 ~世界に誇る日本の応用微生物学研究~」開催のお知らせ(2018/12/15(土)開催, 10/17)
2018年10月17日 (水)
日本の研究力について、新聞紙上などで議論されています。一方で、昨日は、世界ランキング50位以下の日本がが5位のチームにサッカーの親善試合で勝利したり。もちろん、もっとチャンスがあったり、防ぐことができた失点もあったはず。そんな時、風化させてはいけないのは、過去の歴史なのかも知れないと。。。大事なことなだろうと。。。そう考えたとき、日本の科学力をどうするのか。もちろん、若手の育成は不可欠ということで。昨日の若手の活躍のように。。。
東北大で高校生向けのイベント「科学者の卵養成講座」を開始して、今年で10年目。色々なチャレンジを行ってきましたが、12月には、久しぶりに、学会とのコラボが実現しました。前回は、2012年に震災復興ということもあり、日本植物生理学会とコラボで、「東北植物のチカラを。」ということで行いました。夏休みということ、また、当日、開始のタイミングで、かなりの雨が降ったことも影響したのか、150名余りだったでしょうか。参加を頂きました。ありがとうございました。
さて、前置きが長くなりましたが、2ヶ月ほど先になりますが、12月15日(土)に今度は、日本農芸化学会とのコラボで、「微生物と私たちの健康・暮らし・環境 ~世界に誇る日本の応用微生物学研究~」と題したシンポジウムを行います。日本における微生物を利用した食品加工などの歴史は古く、近年は環境修復など、様々な面で活躍しています。当日は、6名の先端研究者をお呼びして、お話しいただくように設定しました。
日時 :2018年12月15日(土) 12:00~15:40
場所 :東北大学工学研究科中央棟大講義室(青葉山東キャンパス)
募集人数:300名(交通費の補助あり、レポートなどの提出後、審査あり)
参加登録〆切: 交通費補助希望の場合、11月7日(水) 17:00までにオンラインから提出。旅費の必要がない場合は、参加申込のみでOK。
当日の参加者がどれくらいになるのか、ということを準備の都合もあり、あらかじめ把握したいと思います。また、今回は、高校生だけでなく、一般の方も参加できます。ついては、保護者の方、学校の先生なども、万障繰り合わせの上、参加頂ければ、幸いです。一般の方々も、申込登録を必ずお願いします。
シンポジウムの詳細、参加申込のオンライン申込、旅費の補助に伴うレポート提出については、学会のそれぞれのHPを参照の上、登録頂ければ、幸いです。また、近くなったら、ご案内申し上げますが、これだけの微生物科学関連の先生方にお話し頂ける機会は、めったにないことです。12月の土曜日の午後、先端科学にふれてみるのはいかがでしょうか。お待ちしております。
わたなべしるす
PS. このシンポジウムの前というか、今週末の土曜日(10/20)に、同じく、日本農芸化学会が企画しているサイエンスカフェ in 仙台「遺伝子/ゲノムの学び方」を行います。こちらは、渡辺が図書館の講義を担当しているということの繋がりということで。
日時 :2018年10月20日(土) 15:00~17:00
場所 :東北大学 青葉山コモンズ(青葉山新キャンパス)
募集人数:40名
地下鉄東西線・青葉山駅から徒歩5minですが、車でという方もいらっしゃるかと。そうした方は、宮城教育大の向かいに、農学部キャンパスへの入り口があります。インターホンで「サイエンスカフェへの参加」ということを、お話し下さい。ゲートが開くように、お願いしてありますので。詳細は、本件が記されたHPをご覧下さい。渡辺のHPでも以前、紹介してありますので。で、こちらのシンポジウムにも、渡辺は参加しますので。久しぶりという方もいるかと。お待ちしております。こちらについても、準備の都合上、参加人数を把握したいこともあり、参加申込から、登録をお願いします。
【お知らせ】学部講義・展開ゼミ「秋冬野菜を盆栽として育ててみよう」、申込は、現時点で9名、必ず事前の申込を。。(10/1)
2018年10月 1日 (月)
昼を過ぎても仙台東部には、暴風、波浪警報が。台風24号は、西南諸島、九州、四国、関西、関東、東北でもかなり被害があったようで。関東でも45m/sの強風だったとか。台風一過で仙台も青空ですが、気温は29oCを超える状態。風対策で窓を閉めていたガラス室も急ぎ開けないと、植物がしおれる状態で。。。10月でこの気温は。この気温がしばらく続くというほどではないにせよ、それなりの気温なので、植物の生育にはよいのではと。
今日から後期がスタート。ただ、この台風24号のおかげなのか、大学の午前の講義が休講に。。。渡辺が学生の頃には、大雪になっても、大学から休講ということはなかったような。。。。渡辺が学部3年の時、園芸学講座の堀先生による蔬菜園芸学の講義が大雪で堀先生が来られなかったことはありましたが。。前置きが長くなりましたが、後期の展開ゼミは今週からスタート。で、渡辺の講義は、事前申込の形。現時点で、9名の応募。20名枠ですので、あと11名。現時点までの申込はどちらかというと、文系からが多いという状態。是非、農学部をはじめとする理系の方々。応募してみて下さい。
前回の記事にも書いたとおり、今回は「タキイ種苗プレゼンツ」ということで、楽しみにしていて下さい。前回の記事、前々回の記事をご覧下さい。
わたなべしるす