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共同研究成果:イネ・BT型細胞質雄性不稔の稔性回復機構解明

2008.08.11

イネはアジアを中心とした数億の民の食糧であるとともに、近年はバイオエタノール、バイオマテリアルへの利用の可能性も示唆され、応用度の高いモデル植物といえる。イネを高収量で生産するための手法として、中国などでは雑種強勢によるF1品種育成がなされている。その基礎技術となるのが、細胞質雄性不稔である。

BT型細胞質雄性不稔は、品種Chinsurah Boro II細胞質に由来し、ORF79が蓄積することにより、不稔性が誘発されることは明らかになっていた。また、その稔性を回復させるために、PPR(pnetatricopeptide-repeat)タンパク質をコードするRF1が重要であることは示されていた。しかしながら、その分子機構は不明であった。

当研究室では、本学農学研究科・鳥山教授、名古屋大・杉田教授との共同研究により、ORF79タンパク質の蓄積の量的制御が不稔性に影響していること、RF1タンパク質が直接的に、atp6-orf79転写産物のプロセッシングを制御し、稔性を回復させていることを示した。今後はこの研究をさらに発展させて、さらなる分子メカニズムを解明したい。

この研究内容をPlant J. (2008) 55: 619-628に発表した。なお、Plant J.のImpact factorは、6.8である。

以上の論文のabstractは以下のリンクから是非ご覧ください。

http://www3.interscience.wiley.com/journal/120123749/abstract

わたなべ

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