東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和3年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

甘酒とオリゼー君

2021.08.10十和田市

青森県立三本木高等学校

根岸絢太郎

甘酒とオリゼー君

 こんにちは、青森県立三本木高等学校の根岸絢太郎です。

 今回は、甘酒はなぜ甘くなるのかについて気になったので調べてみました。

まず、甘酒には大きく分けて2種類あります。一つ目は、酒粕と砂糖をお湯で溶いたもの、もう一つは、麴(と米)と水を保温して作るものです。ここでは後者について書いていきます。
 麹と水だけというとてもシンプルな材料でなぜ甘味が生まれるのか。それは、麹に含まれる麹菌、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)のおかげです。このオリゼー君はデンプン分解酵素であるアミラーゼを作り出します(本当はタンパク質分解酵素のプロテアーゼも作っている)。このアミラーゼが麹に含まれる米のデンプンをグルコースに分解することによって、甘酒に甘味が生まれているのです(ちなみにプロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解することで旨味を生みます)。
 甘酒の製造に麹菌が使われることは何となく知っていましたが、どのような過程で甘味が生まれるのかを知らなかったため、新しい発見になりました。
 ※撮影に使った甘酒はスタッフがおいしくいただきました。