東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

豆苗の収穫(工:山口智香)

2015年11月16日 (月)

お久しぶりです。大変遅くなっていしまいましたが、中間レポート参加させていただきます。この後、期間内に仕上げたいとおもいます。

さてさて、最近忙しく、ブログの更新ができていなかったのですが、実は11/1日に豆苗を収穫し食していました。その事を報告したいと思います。上の写真は市販の豆苗です。



豆苗とは

実は私、この展開ゼミをとるまで、豆苗という植物のことを知りませんでした。今回、豆苗の食べ比べをするためにスーパーで市販の豆苗を買ったところ、パッケージに栄養価など色々興味深いことがたくさん書いてあったので、この機に調べてみようとおもい、豆苗について調べてみました。

まず、豆苗とはエンドウマメの若い茎と葉っぱです。豆苗としてエンドウを食べ始めたのは中国だそうです。昔は高級食材だったものが日本で植物工場で水耕栽培されるようになり、天候に左右されないリーズナブルな野菜になったそうです。ここ数年は栄養価も高く注目されているそうです。

おどろきの栄養価

そこで、その栄養価はどのくらいかといいますと、豆苗50g食べると、一日に必要なビタミンA、C、E、K、葉酸がほとんど取れてしまうほどです。トマトやほうれん草よりもビタミンは豊富なようですね。

以上の情報、村上農園という豆苗を育てている工場のサイトから得たのですが、グラフや写真などたくさんあってわかりやすく、豆知識も楽しいのでよかったら、豆苗に興味のある方、見てみてください。豆苗レシピもあります。



豆苗の収穫

では本題の豆苗の収穫についてお話したいとおもいます。以前の記事を覚えてくださっている方はご存知かもしれませんが、わたしは豆苗をキッチンペーパーとティッシュペーパー、生ごみ用のネットで育てましたそれぞれがどうなったかというとこちらです。20151115225511-0583eaa96ba13f392bb0b76f92ebf88148fafd81.JPG収穫した豆苗は左から市販・ティッシュ・キッチン・ネットの順

市販のものを収穫できた本数と同じくらいの量きりとって並べました。以前お話したようにティッシュ>キッチン>ネットの順でよく育ってします。詳しくみてみますと、

①ティッシュで育てたもの

市販のものと比べても見劣りしないほどよく成長している。茎の太さ、長さも市販のものと同じくらい。ただ、葉の枚数は市販のものよりやや少なめ。茎や葉の色は市販のものに比べて濃い。

②キッチンペーパーで育てたもの

半数はよく育っていて、市販のものと同じ茎の太さ、長さ。もう半分は本数ほどの長さ。葉や茎の色は市販のものよりも濃い。

③ネットで育てたもの

全て、市販のものの半分程度の長さ。葉も小さめ。葉や茎の色は市販のものより濃い。

といったようになっています。ここで、以前投稿したときになぜそのような差が生まれるのか考察してみることが重要だと渡辺先生にコメントをいただいたので、考察してみました。

どうして差ができたのか考察

この三つの条件の違いがなにに一番違いをあたえるのか考えてみたところ、やはり、どう考えてもねの根の成長に影響を与えそうです。ぱっと見ただけでは根の本数などよくわからないのですが(ネットはよくみえるのですが、他二つは透明でないため、どれほど中にのびているのかわかりません。そして、見えるところを比べても、大差はないように思えます。)根にかかわる何かが、成長と関係しているのでしょう。

そこでまず考えたのが、空気です。植物は根でも呼吸をしていて、空気が足りないと根腐れを起こしてしまいます。(参考)ここで、私の育てた豆苗をみてみますと、ティッシュペーパーとキッチンペーパーで育てたものは、それらの上にのった部分が空気に触れています。しかし、ネットで育てたものは、根っこがネットを通過して、全て水に浸ってしまっています。このため、根がうまく呼吸ができず、ネットで育てたものの成長は悪かったのかなと思いました。

そして、次に考えたのが、紙の柔らかさの問題です。こちらのサイトで根の機能をうまく機能させる一環として、土に植えるのではなく、水耕栽培にすることをあげています。土よりも水の方が物理的抵抗が少なくなり、根が良くのびるそうです。ここで私の育てた豆苗の条件に戻ってみますと、キッチンペーパーよりもティッシュペーパーの方がやわらかいです。そのため、ティッシュペーパーの豆苗の方が根をよく伸ばすことができ、成長がよかったのだと思いました。

以上豆苗の成長差の考察でした。



豆苗の試食

収穫したということで、もちろん豆苗を食べてみました。人生初の豆苗経験でした。

20151115234427-5a286d08276c8a5099f471b67ecd202994f95d08.JPGゆでた豆苗:右市販、左栽培

豆苗そのままの味を比べようと思い、ただゆでただけです。はじめて豆苗を食べた感想は、豆の味がするなといったものでした。市販のものと、自分で育てたもの、ゆでた後の見た目はさほど違いがありませんでした。肝心の味ですが、これは素人の私でもわかるほど、自分で育てたものの方が味がこく、豆のような風味がしました。また、自分で育てたものほうが、繊維質で固かったです。(少し育て過ぎたのでしょうか)市販のものは、みずみずしく、シャキシャキしていました。

すぐに育ったとはいえ、自分で育てたものを収穫できるとうれしいですね。

以上豆苗の収穫の報告を終わります。



じつは、豆苗の二回目の栽培と、新しく始めた栽培の報告もまだまだあるのですが、長くなってしまうので次回に回します。

コメント

工学部・山口さん

遺伝の渡辺でございます。中間レポート、楽しみにしております。皆さん、お忙しいようですね。という、渡辺も、このところ、何かと忙しく、気がついたら、この時間というのが多いですね。。。

さて、豆苗。驚きの栄養価というので、これからの食生活に活かしていけそうでしょうか。というか、マメですので、高い栄養価、ぜひ、色々な加工法で食して下さい。

早速こちらのコメントに対して、条件を変えたとき、なぜ、そうなったのか、考察している当たり、niceですよ。やったということももちろん大事。でもそれ以上に、その中から、なにがわかったかを考えるのは、さらに大事なことですから。これからも是非、継続して下さい。

考察も、空気のとり込みと根っこの機能を結びつけて、よくできています。水耕栽培まで行き着いたのは、よくできています。実際、水耕栽培して、トマトの場合、もちろん、水耕液に液肥を入れるわけですが、トマトだと、1つの種から、1,000個は十分、収穫できますね。土では、こうはならないですから。

食味試験で、自分が作ったものの方が味が濃いというのは、まさに、収穫の時期を少し過ぎてしまった可能性がありますね。というか市販と比べることで、なにがちがうのか、次はなにを工夫しようかというのがわかるのではないでしょうか。

2回目の栽培では、上記の考察、反省を元に、よりよい豆苗ができることを楽しみにしております。

わたなべしるす

旧展開ゼミ