東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【その7】アルファルファの結果報告(後編)(理:藤井和樹)

2015年11月18日 (水)

 さて、【その6】の続きです。カッコつけて記事を前編後編に分けたら、某探偵マンガみたいになりました。こんにちは、藤井です。去る10月24日、ついにアルファルファを収穫しました。その日の写真です。上から4つまとめて撮ってみましたが、うまく写りませんでした。4つは多いですね。くどくなりますが、4つのグループA~Dの分け方は、A;水道水使用、B;軟水使用、C硬水使用、D;土+水道水使用です。

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 2枚目は冒頭と同じもので、コップから出して並べた写真です。4つのグループをまとめて写してみると、やはり各グループ間で違いが見られますね。Aは初めのころは伸び悩んでいたものの、後半から順調に育ちました。Bは途中まで順調に伸びていましたが、終盤になり元気がなくなりました。写真でも少し見えますが、若干変色しています。蒸れたようなにおいもしました。与えた水の量はA、Cと変わらないので、うまく吸水できなくなっていたのかもしれません。Cは最後まで元気に育ちました。太さもあり、しっかりしています。ミネラル豊富な環境がアルファルファの生育には適しているのかもしれません。Dは明らかにほかの3つよりも長く伸びています。また、ほかの3つは絡まりあいながら体を支えているのに対し、Dは自立しています。頑丈に育っている証拠です。土はすごいですね。

それから、各グループで最も長く伸びたものの長さを比較してみました。

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グループ

グループ内で最も長く伸びたものの長さ

A(水道水)

3.5cm

B(軟水)

3.6cm

C(硬水)

4.1cm

D(土+水道水)

5.0cm

 やはりDが一番長く伸びていますね。アルファルファは元々牧草として利用されています。特に南米の草原地帯で牛の牧草用に多く用いられています。その場合は地植えで、長い根を伸ばし、高さが長いものでは1メートルにも達するそうですから、コップの中でも、もっと高くなるまで育てられたかもしれません。

 

 写真を撮ったあと、水洗いしたものを生で食べてみました。感想を書いてみます。

・A:もやしの味がする、シャキシャキした食感、匂いはもやしと草原を足して薄めた感じ。細くしたもやしといった感じです。おそらくこれがスプラウトでアルファルファを育てた時のスタンダードな味でしょう。

・B:Aよりも少し味が薄い、食感もしんなり、クセがなくて食べやすい。

・C:Aに比べて味が濃い、後味が少し苦い、食感はAと同じ、匂いがきつい。少しえぐみがあり、匂いもきつく、アルファルファという聞きなれない名前に合った野性的な味でした。おいしかったです。

・D:もやしよりもレタスに近い、爽やかな後味、緑の匂いがきつい、食感はAよりもシャキシャキしている。一番量が多いからでしょうか、食べごたえがありました。レタスに近い感覚です。

 以上、食べた時の感想でした。Cが一番おいしかったです。やや苦みがありましたが、南米の草原はこんな感じなのだろうなという味でした。苦みがあったり、匂いがきつかったりするのは、やはり硬水で育てた影響でしょう。逆にBは味が薄くクセのない食べやすさでした。植物は根から水を吸収し、体を大きくしていくわけですから、やはり水の影響というのは大きいのでしょうね。量が多く、食べごたえがあったのがDです。自立できるほどしっかり育っていて、一番シャキシャキしていました。自立したのは、土に根を下ろせたからでしょうか、それとも土から何らかの栄養素を獲得できたからでしょうか。気になります。

 

 以上アルファルファの報告でした。種から育てて2週間、あっという間に育ってくれました。持って密度を上げておけばとか、水洗いの頻度は一定にしておけばよかったなとか、いろいろ反省はありますが(そのあたりもまた投稿できればなと思います)、しっかり育ってくれて、最後にはおいしく食べることができて満足です。

 長くなりましたが、アルファルファの結果報告はここまでです。アルファルファおいしかった!!

コメント

理学部・藤井さん

遺伝の渡辺でございます。続けての投稿、ありがとうございました。写真撮影は、難しいですね。理学部の学科、研究室によっては、写真が大事なことがあります。これを機に、うまくなるようになるとよいのでは。たとえば、コップが深いので、影がでますね。また、4つでなくて、別々に撮る。そうしたら、わかりやすいですね。あるいは画像の部分だけを使うなど。工夫を考えてみてください。もちろん、他の受講生も。

長さを測るというのは、niceなideaですね。ただ、1点、植物で難しいのは、根っこ、茎の部分が曲がっていますね。それをどうされたのでしょうか。こんな時、画像処理をして、二値化処理と言いますが、。。長さを測るようなsoftwareもあると聞きます。少しHPなどを検索されてはどうでしょうか。

あと、最長を計っていますが、せっかくであれば、例えば、5本くらいをランダムに数えて、平均と分散を出して、グループ間に統計的に有意な差があるのか、というのを検定すると言うこともできますね。教養の講義で「統計学」があれば、是非、チャレンジしてみて下さい。

食味試験、よくできていますね。土には生長に必要な元素が基本全て含まれていると思います。日本であれば。水栽培と土の栽培で植物に取り込まれた元素の違いを「原子吸光法」というのがあるので、それを使うことで、量まで調べられるか、ちょっとわかりませんが、理学部でしたので。。。調べてみて下さい。


わたなべしるす

旧展開ゼミ