東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ハツカダイコンについて(農:竹本貴世子)

2016年1月20日 (水)

昨日に引き続いての投稿です。

前々回の投稿でハツカダイコンの食感がシャキッとしていなかったことについて、何らかの成長阻害が起きていたのでは?という指摘をいただきました。そこで、そのことについて少し考えてみようと思います。

 まず、成長阻害の原因について調べました。その中で、うちの子に当てはまるのではないかと考えられるものを以下に挙げます。

1、肥料の量が不適切

2、温度が低い

3、日当たりが悪い

 青臭いと感じたのは1が原因だったのではないかと考えられます。一度、肥料焼けを起こしそうになってから、それ以降はビクビクしながらちょっとずつ肥料を与えていたからです。必要な栄養が不足したため、味にも影響したのではないかと考察します。

 2については、ずっと心配していました。外の気温が10度を下回ったらなるべく室内飼育するよう心掛けたり、もう少し寒くなってきたら新聞紙を敷いた段ボールの中に入れて穴を空けたプチプチをかぶせたりといろいろ工夫をしていました。なるべくあったかくしてもらうためにやっていたのですが、効果が無かったのでしょうか。温度が低いことで成長が難しくなったことが考えられます。

 3ですが、私の部屋の日当たりが良くないので、考えられる可能性として大きいと思います。光が少ないことで、光合成できにくくなり、成長が阻害されてしまったと考えます。そのため、葉の色が黄色っぽくなったのではないでしょうか。

以上、簡単ですがハツカダイコンについての考察を終わります。

コメント

投稿ありがとうございます、ラボスタッフマスコです。

ハツカダイコンの青臭さについて、よく考察されていると思います。

青臭いというのは様々な物質によってもたらされるもので、植物種によっても異なりますが、主にストレス条件下においてこれらの臭気物質が合成される事が多いようです。

青臭さの原因物質のひとつにヘキサナールがあります(大豆やグリンピース等の青臭さにも含まれます)。

この物質は、通常時にはあまり作られませんが高温ストレスを感じると作られる、外から植物(イネ、トマト、キュウリ等)に与えると高温ストレス耐性を獲得するスイッチになる、という研究がありました(参考)。

これは一つの例であり、実際はどうか分かりませんが、ハツカダイコンも何らかのストレスを感じた結果、青臭い物質を出していたのではないでしょうか。

しんなりしていたのも、何らかの要因で本調子ではなかったからだと思われます。冬は日も短いですし、寒いですからね。

暖かい時期にまた育ててみてください。また違った味になると思いますよ!

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