東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ホウレンソウ栽培の過程(経:富樫泰杜)

2016年1月21日 (木)

さて、この記事ではホウレンソウの生長のうち、前回の記事から中間発表の頃までをまとめたいと思います。


 前回の記事にある通り、我が家のホウレンソウは、10植えたうち1しか子葉が土から出ないという事態に見舞われました。10月25日、先生からのアドバイスに従い、爪楊枝で種子を植えた辺りを少し掘ってみたところ、度の種子も干からびていない状態で見つかったので、発芽しやすいよう、少し浅い位置に配置しなおしました。

・10月31日~11月1日
 この2日間は、家族で松島に旅行に行きました。家を空ける前にカーテンを全開にして、日中なるべく長い時間日が当たるように植木鉢を室内に置いて出かけました。旅行から帰宅すると、その唯一の個体からさらなる葉が出てきました。

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・11月6日

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 1個体しか出現せず、栽培に失敗したかとだいぶ焦りましたが、この日までに合計5つの個体が出現してくれました。やっとのことで一安心。種子を浅い部分に植えなおしたのが良かったのでしょうか。この撮影の後に水やりをしたのですが、それまでの水やりを含め、水を与える時は鉢のはるか上から与えていたので、水が落ちる衝撃で土が少しえぐれていることに気付きました。この衝撃で、土の表面から1cm未満の深さに植えた種子が、次第に深く深く流されor押し込まれてしまったのかな、と考えています。

・11月19日

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 このくらいまで育ちました。このころから、新しく出現した5個体の生長の差がはっきりしていました。トウミョウ同様、一様には育たず......。

・12月5日

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 個体差がこの程度まで拡大してしまいました。この段階で、子葉が土から現れることのなかった種子4つを回収することに。
 またこのころから、日中以外ホウレンソウの鉢を置いていた玄関の気温が生育に適した気温の最低ライン、15℃を下回るようになりました。このころまだ自室の気温は15℃以上あったので、夜間は自室ホウレンソウの鉢を置くことに。もちろん、袋や段ボールで照明の光は遮りました。

・12月20日

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 最終的に、4つの個体が生長しています。講義当初に頂いた資料のうちホウレンソウの種子の袋に、子葉が開いた後の管理について、「〔前略〕密生している所や生育遅れの弱い株を間引いて〔以下略〕」と記されていたので、よく生長している4個体以外は間引きすることに。間引いた個体は、他に植物を植えられるようなものが家になかったので、今回は栽培を断念しました。もしまた栽培するときに資金の余裕があれば、間引いた個体も育てて、生長具合の良い個体と色々比較してみるのも面白いと思いました。
 またこのころから、ホウレンソウの鉢を置いていた自室の床の上の温度が15℃を下回るようになりました。栽培前に前年度の展開ゼミの記事を見たとき、過去の受講生は、ジップロックやアルミホイル、黒い袋で覆う、PCのアダプターや電気スタンドに固定するなど、様々な方法で温度調整をしていたことが分かっていました。そのうち、ホウレンソウがある程度育った今でもできそうな「ペットボトル湯たんぽ」をやってみました。遮光用の段ボールに鉢とお湯を入れたペットボトルを入れて、寒い夜を耐え忍ばせています。

・12月29日~1月4日

 この期間は実家のある福島に帰省していました。ホウレンソウも、一週間も寒い家に放置したら危険だと思ったので、ホウレンソウの鉢を伴って帰省しました。さすがに親は驚いてました。
 昔色々栽培していた親にホウレンソウを見せ、生長速度のバラバラさ加減について色々助言を求めてみましたが、「個体差」の一言で片づけられました。やはりそんなもんなんでしょうか......。
 余談ですが、震災以降作物の栽培を自粛していた我が家ですが、昨年末にようやく庭の土の諸々の除染処理が終わったので、ぼちぼち栽培を再開するようです。ホウレンソウの種子が大量に余っているので、仙台と福島、親尾で栽培もまた一興かなと思っています。

・現在

今は冒頭の写真のような状態です。茎葉が次第に増えている以外特に大きな変化はありません。


このような過程を経て、現在に至っています。色々思うところはあったのですが、これ以上書くと長くなるので、トウミョウのことと合わせて、次の記事で述べます。

コメント

投稿ありがとうございます、ラボスタッフマスコです。

ホウレンソウ、だいぶ気を付けて育てている様子がうかがえます。ホウレンソウも幸せなのではないでしょうか。

ホウレンソウは寒さに当ててもOKです。ホウレンソウを寒さに当てると、彼らは寒さに耐えるために糖分や様々な物質をため込みます。これがうまみを引き出す。寒締め栽培と言われています。

逆に、寒さに当てないと、アクの少ない食べやすい食感になるといわれています。(参考)サラダ向け。

芽出しのところでは、温度と湿度を一様に保つことが、揃い良い発芽に重要とのこと。揃いが良ければ肥培管理も楽なので良いと思います。

しかし、個体差があれば、収穫時期をずらして食べることが出来るので、長く楽しめると思いますよ。

ホウレンソウの仙台と福島での栽培は、楽しみですのでもし良ければ行ってみてください。除染作業がようやく終わってきたとのこと、お疲れさまです。

庭で食べられる植物を育てられる状況になって本当に良かったですね。心理的ストレス如何ばかりか。お察しします。

旧展開ゼミ