東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【3】徒長がはっきり現れました。(工:金井凌雅)

2019年11月14日 (木)

はじめに

皆さんこんにちは、ここ一週間で急に気温が下がり、寒くなってきた気がします。

さて、今回紹介する建築物は、アメリカ合衆国・ペンシルベニア州ピッツバーグより南東に80kmのところにある、その名も落水荘(Falling・Water)です。アメリカの建築家、フランク・ロング・ライトが設計した建物で、ピッツバーグの百貨店経営者、エドガー・カウフマン の邸宅として作られました。カウマンの「家の中に滝が欲しい」という要望からこのようなデザインになったとか...。床の下に川が通っているんですって。建築学科の自分としては、とても興味のある建築物です。

今回の投稿は、かいわれについては食レポです。段落で言う5のところにコメントしてありますのでどうぞご覧ください。


今回の投稿

かいわれ Part(今回は無し)

ふあふあ Part (今回は無し)

白菜 Part

.疑問点・課題点・前回の疑問点に対する考察

いつもコメントありがとうございます。

.まとめ


1.かいわれ Part


2.ふあふあ Part


3.白菜Part

【生長】

11月5日 15:41

20191116133247-dd71e9b9e0065ff64cbbd3dcd3e101dbb5f45c2b.JPG※この時はまだ、コメント確認していなかったので、そのままです。

子葉に挟まれて、本葉が見えました。

この時点で、生長度合に差があるようですが、やはり左上の徒長が目立ちます。

やはり、日照不足、室温、水やりと改善が必要なのでしょう。

20191116134203-ce1503dfe6141c4f123e4102f6aed139dbb322a1.JPG毎回見づらいのですが、約23mmでした。(前回15mm)

確実に生長しています。

【徒長対策】

11月10日 18:59

20191116134836-30325e6c4fd5a77facee8e57588ea4d50ceb50b6.JPG徒長が進み危機感を覚えたので、コメントをチェックしたところ、、、。

すぐに対策に入りました。20191116135201-f37311d84ca03729d12f83b78a04f953778dfc44.JPG受け皿を準備し、土寄せをして、お隣さんに頼んで、外での栽培を開始しました。

20191116135649-8a35c1ecc3de97e88dc2a22e62c15dc74ea365fc.JPG加えて、水やりの頻度も変え、だいたい4日に一回のペースで水をあげています。

これで何とか、徒長が止められればいいのですが、、、。

観察を継続しながら、改善をしていきたいと思います。


 4. 課題点 ・改善点・前回までの疑問に対する考察

【前回の疑問点】

1.発芽に至るまでに時間差が生じた原因は何か。

2.発芽後の生長速度に差が生じた原因は何か。

3.ふあふあミックスが2種類のみ発芽し、生長した原因は何か。

【考察】

発芽に必要な条件を調べたところ次の4つが顕著に挙げられていた。

1.水;水分は発芽を規制する最も重要な要因であり、発芽には多くのを必要とする。種子の保水量によって吸水量は異なるが、いずれも発芽に必要な代謝を活発化させる。種子の吸水は、急激に水を吸って膨張する吸水期、ゆっくりと吸水し代謝が活性化する発芽始動期、発芽始動期で発芽に必要なタンパク質の合成が行われた後、幼根や幼芽の生長が始まる成長期に分けられる。一般に、種皮や発芽口から給水が行われることが多い。

2.光;発芽において光は、大きな影響を持つ。種子によりさまざまであるが、大きく分けて、光により発芽が促進されるもの(好光性種子)、光で発芽が抑制されるもの(嫌光性種子)、光には影響を受けないもの(光非依存性種子)の3つがある。嫌光性種子は好光性種子にくらべ赤外線や紫外線による影響を受けやすい光を感受する部位は種によって異なるが、種皮や胚、胚軸などで光を感受する種が多い。

3.温度;種子によって発芽に必要な温度は大きく異なる。、発芽に適さない温度条件に置かれた時、代謝活性が阻害されるなどして発芽が抑制されることがある。また一定の温度条件下で発芽する種子が多くある一方で、発芽に変温条件を必要とする植物も多くある。

4.酸素;水と同様に酸素は発芽に必要な代謝に必要なものである。幼根や幼芽の生長を行うためのエネルギーとしての酸素を呼吸により取り入れるが種子外部が無酸素状態であれば、発酵による酸化過程からエネルギーを得ることができる。無論、酸素濃度によっても発芽の速さが変化する。

(参考文献 鈴木善弘『種子生物学』東北大学出版会、2003年)

このことをもとに上げられる考察は、

1.自分の部屋の遮光度合、光、温度、酸素濃度などの条件は3つの種子の中では白菜の種子の発芽条件が最も近かった。(対 疑問1)

2.適切な条件と近い条件で発芽したのは、白菜>かいわれ>ふあふあ の順。(対 疑問1)

3.ふあふあミックスの2種類のみの発芽は、盛り土を行わなかったことによる光が2種類の残りの種子に影響した。(対 疑問3)

疑問2についての考察は次回投稿に回します。


 5.いつもコメントありがとうございます

コメントを読んで、大変危機感を覚えましたので、それぞれの植物へのその後の対応を変えました。(主に白菜)

かいわれ →収穫し実食、ふあふあミックス →収穫、未実食

白菜 →隣の家の人に協力して頂いて、隣の家の玄関前に白菜の鉢を置かせてもらった。(日光不足解消か...)受け皿を設けた。水やりの頻度の改善。

【実食】

では、食レポに移りたいと思います。

いざ食べるとなると緊張するもので、写真の状態で、1分ほどにらみ合っていました(-_-;)

20191116131941-fbf7412a1197f42f75ff7d560a3c77aaa21ff646.JPG

まず収穫して感じたのは、1.葉が大きいこと  2.葉がギザギザしてること  3.茎が太いこと  です。

市販のカイワレ大根に比べて、結構渋い味、香りがするだろうと予想していましたが、さて、どうでしょう...

口に入れかんだ瞬間、よく知っているかいわれの香りがしました!感動の瞬間でした。が...何度か噛んでいくうちに...辛い。市販のかいわれの倍ぐらい辛味がありました。

辛さについてGoogle検索してみると、カイワレ大根の辛さの原因は、イソチオシアネートという成分だそうです。

<イソチオシネアート>

わさびやマスタードなどにも含まれる辛味成分。抗酸化作用が注目されている。体内で発生しすぎた活性酸素を除去したり、殺菌効果なども期待できる。また肝臓で行われる解毒を手伝う作用があり血液をきれいにする肝臓の働きを助ける効果。このことから、がん予防効果に好ましいと注目されている成分だとされている。

https://rassic.jp/content/8377より参照(一部抜粋) 

辛味を感じたということは、とても栄養素の豊富なかいわれ大根を栽培できたということでしょうか??

ともかく、普段は少し遠ざけてしまうようなカイワレ大根の辛さですが、今回はそんなを確かめ、味わうように何本か摘んでは口に入れを繰り返しました。

次に、料理の紹介です。今回は初めてですが、クリームパスタにしてみました。

20191116131832-12d442e134c3354909bfa212365d98dd483112cb.JPGおいしかったです、おいしかったですが、かいわれの辛味を味わえる味付けではないなと少し後悔、、、

そんな感じで、かいわれの食レポは終わりです!

ふあふあミックスは次回投稿で食べてみようと思います。

かいわれとふあふあミックスについては、中間発表後にまた栽培開始していきたいと思います。


6.まとめ

今回は、自分の管理力、情報収集不足を痛感する回になりました。

徒長してしまった白菜を復帰させていくために頑張りたいと思います。

また、実際にかいわれを食べてみて、2回目の栽培へのモチベーションが感じられました。投稿遅れていますが、次回もよろしくお願いします。

コメント

金井さんこんにちは

 さてさて、冒頭の写真は面白いですね!

 家の下を川が流れ、滝となって落ちる......

 まあ、日本人にとって馴染みのある感じがします。下に水を流すのは寝殿造りに多く見られる装飾&実用ですね。日本・京都は夏冬の気温差が激しいので実用性がありますが、アメリカの森の中での必要性は......

 建築について、いつも私が思うことがあります。建築物で大事なのは基本、つまり空調・音響・照明ではないかと。デザイン性の高い建築と言われるもので、足元が妙に寒かったり、声がやたらと響いたり、暗かったりするものが多々あります。

 特に美術館やコンサートホールロビーで吸音が悪いのは困りものです。是非、建築学科の人たちは多くの物事を知っておいて欲しいと思います。例えば、気柱共鳴において片閉鎖端であれば奇数倍共振することはご存じだと思います。しかしその共振Q値は? 意外なことに7次共振9次共振の方が基本共振よりもずっと高いのです。そのため長い廊下でも共振が起こり、単純な定在波ばかりにならず、数kHz以上に及びます。それは建築学科の人でも知らない人が多々います。そういう場合、更に感覚対数の法則、いわゆるウェーバーの法則によってうるさく感じます。

 照明でも蛍光灯はその名の通り波長変換の蛍光を使うのでピーク性の光になりますが、LEDは原理上それよりもピーク性が高く、極端に言えばたった3波長しかありません。網膜色素の感光特性よりもピークが鋭くなれば、対象物の色味が変わる場合が出てきます。それにLEDの駆動回路も知っておかなくては、安物LEDは抵抗駆動だったりリアクタンス駆動だったりします。リアクタンス駆動は電源雑音も出すし容量抜けも起こしやすくなります。高いものはさすがにフィードバックをかけた定電流源を用意しますね。その中にも粗悪品もあればショットキーバリアを使ったような高級品もあるのですが。

 昨日ホームセンターで見かけたものに、自分でできる断熱施工として、スプレー缶のウレタンフォーム剤がありました。30L分で千円ほどです。ウレタンフォームであれば、熱貫流率はおそらく16Kグラスウールの4割くらいかと思いますから、便利な世の中になったものです。工学部の中でも特に建築学科の人たちは、いろんなことに興味を持って世の中を見てほしいと思います。それには機械も、電気も、化学も、もちろん生物も含まれます。

 まあ趣味的な話が長くなりました。今回の報告について、先ず面白い点は、「報告が無いものでも段落がある」ということです。これはなかなか斬新であり、リーダーフレンドリーな点を高く評価したいですね。

 報告のあるハクサイ、逆光写真は凄いですね。芸術的な感じがします。今回の主眼である徒長対策、こちらのコメントも参考にしつつ、自分で考えたところもあり、しっかりされているようです。

 さて考察欄においては色々な疑問点を調べてまとめています。今回は主に発芽条件についてですね。綺麗に転記されていますし、正にこの通りです。

 報告として丁寧で、素晴らしいのですが、ここで敢えて言います。その仮説は本当でしょうか。発芽速度と好適条件との対比は、本来のその種子の発芽速度が分からなければ対比になりません。つまり、もともとハクサイがふあふあよりも早く発芽するものだったとすると...... 

 それに発芽条件を比べる指標として速度だけでいいのでしょうか。発芽率は? というのは生物は温度が高ければ反応が早くなります。そのため発芽速度だけを指標として見れば、最適温度よりも見かけ上高い温度の方が良いことになってしまいます。理屈上は。

 まあ、卒業論文を書くときには、穴がないように条件を考え、一つ一つ確実に結論を導けるような実験をしていきましょう。

 もう一つ、今回に関してはこれでいいのですが、インターネットで調べる際に「列挙」を疑ってみて下さい。よくインターネットで載っている病気診断などは全く無意味です。同じ症状から病名が並んでいても、よくある病気から滅多に見ない病気まで列挙されています。それに比べて理屈が薄いので、「これとこれならたぶんこれで、あれは無いはずだ」みたいな判断が付けられず、誤ってしまいます。建築でも床鳴りで、板の乾燥、束の調節、シロアリなど列挙されていても困るでしょう(想像)。

 次に食レポについてです。写真が面白いですね。考える様子がリアルに伺えます。というかこれは既にカイワレではありません。本葉ですから。辛いのはもうダイコンと同じです。

 イソチオシアネート、これはアブラナ科植物に広くみられる含硫黄化合物です。ブロッコリーのスルフォラファンもこの中に含まれますね。栄養というべきか分からないのですが、本来植物にとっては草食昆虫などへの嫌がらせの成分なのに、人間の嗜好品というか食文化発展に役立っています。

 クリームパスタは素晴らしいですね! まあ、市販のレトルトかと思いますが。想像するとカイワレには合うような気がします。ちなみにですが、ホワイトソースの手作りはとても簡単です。知っておけばグラタンなど多数に応用が利きます。

 さて、徒長の方は置き場が変わったということで立ち直るか要注目ですね!

次回報告もお待ちします

ラボスタッフ・オガタ