東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

report11.(間引き)チンゲン菜の中華炒め(工:内藤晃史)

2020年1月18日 (土)

こんにちは。内藤です。題名をみて「こいつは植物の観察記事を書くつもりなのか」と思われた方も多いはず。無論書きます。ええ、もちろんですとも。

冗談はさておき、先日寝違えて(なのか?)初めて「肩甲骨」を痛めてしまいました。ベッドから起き上がるのも、うがいをするのにも、その日のすることなすことすべてが痛かったです。おかげさまでその日はほとんど何もできませんでした...。せっかくの休みがつぶれると悲しいですね。ちなみに数日たった今もまだ痛かったりします。

本題に戻りましょう。実はここのところ、記事にするネタが少なくなっていて少々困っています。とりあえず今回と次々回の記事は目玉商品なるものが一応あるのですが、それ以降、殊に次回はどうしたものか...と悩んでおります。まぁ、気にせず現状をアップすればいいのかもしれませんが。今回の目玉は、題名から察することができるように、やろう、やろうとしていたチンゲン菜の間引きを行いました。


~目次~

0.降雪の被害状況

1.チンゲン菜の間引きの様子

2.チンゲン菜の中華炒め

3.その他の植物の様子

4.コメント返し


0.降雪の状況

仙台では1/7の夜に雪が降り始め、翌日の朝には写真のような真っ白い状況になっていました。残念なことに私は鉢植たちを野ざらしにしていたので、見事に雪の中に埋もれていました。ただ、今回の雪は溶けるのが相当早かったようで(今年は暖冬なのでしょうね)家に帰ってきたときには雪はすべて水になっていました。少々雪に埋もれていたので、凍傷みたいなの起こしたりしていないか心配でしたが、渡辺教授によると大丈夫なようですね(授業評価完了報告メールでの対応、ありがとうございました)。実際様子をしばらく見ていましたが、問題なさそうです。

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ところで、北海道や長野県で行われている、育てた大根やキャベツをあえて雪に埋めておく栽培を聞いたことがあります。雪に埋めておくと甘くなるうえに、温度が一定だから長持ちするとかなんとか...中学の日本地理でやったなぁ。


1.チンゲン菜の間引き

【1/15(104日目) 天気:晴れ 気温:3度 湿度:83%】20200118134321-c3f9d39126d6e0d6db6bbf7e6c05b497e29fbe59.JPG

チンゲン菜は鉢植の中に3株植わっていました。ですが、写真で見られるように明らかに互いが互いを邪魔しあっていたので両端の2株を間引きすることに。2株ともそこそこ大きいかったので根も入り乱れていて無理に引き抜くと取り除かない株にも影響がでるだろうと判断し、茎を切断する形で間引きすることにしました。

20200118134357-ea9e3aad4afa32d08ce307699f8f10a5f09a56e3.JPGさっぱりしましたね。

さて、ここで切って残った茎を観察してみますと、以下のスケッチのようになりました。20200118150715-8200f885fa7637e93a59d7af7b266ed006b1abd8.JPGのサムネイル画像

かなりざっくりしたスケッチですが、主に観察されたのはこのように茎が3区画に分かれていました。それぞれの区画に特徴があり、色はいずれもチンゲン菜の茎の色が濃いか薄いかの違いでした。茎を少しつぶすと水がきちんと出てくるあたり、この植物も生きているんだなと感じました。チンゲン菜は双子葉類ということでしたので、(頭の片隅に残っていたわずかな記憶を頼りに)維管束などないかな、と探しましたが、私の目では観察することができませんでした。色のついた水等をやれば観察されたのでしょうか。

そしてやはり、内側の2層が固く外側の1層が柔らかいというのは理にかなっていると思いました。内側が固いことにより植物の剛性(倒れにくさ)を高め、逆に外側を柔らかくすることで弾性率を高めて、風でしなって多少たわんでしまっても対応できるようにしている。ざっくりといえば、硬いところが骨、柔らかいところが筋肉、とでも言いましょうか(医学的にかなり間違いなきはしますが。)....材料力学のからの観点ですね。20200118145742-2b6f84094a1b5e17ce99b27cff8d2b870b0265ab.JPG

そして、これは後日観察されたのですが、切った個所からは「粘性のある」液体が出てきていました。色は透明なのですが、水....とはいいがたいような。舐めたらどんな味するか確かめればよかった....


2.チンゲン菜の中華炒め

お待たせしました。間引きをしたならば、そう、みんな大好き食事タイムです!今回はシンプルにチンゲン菜だけを味わおうということで、次のようなレシピに従って作りました。

20200118134705-981599faa59a08db40ad5902f8ae680fa3151221.JPG①チンゲン菜を葉ごとに分ける

20200118134927-37f79ae85c5b183fd8f3c2f5edef1b8c8121abd6.JPG20200118134956-d420b35eab124ffaeafe2b498ad97f22d6660c6a.JPG

②フライパンにごま油をしき、チンゲン菜を炒める

③鶏ガラスープ(粉を水で溶いたもの)を投入

20200118135054-f6808813a82ef6f63844668b5a67d0f5521899a6.JPG④盛り付ければ完成!

ポイントは、チンゲン菜を炒めすぎないこと。とても簡単です。とはいえ、ちょっと量が少なくて寂しい気も...

いざ実食すると、我ながらおいしいできたのでは。

いいですね、シンプルな味付けだけに、チンゲン菜の食感やみずみずしさが感じられます。自分で育てた野菜で食費がかろうじて浮いたこともあってますます箸が進みます。ごちそうさまでした。


3.その他の植物の様子

【1/16(サニーレタス:105日目 ふわふわミックス:104日目) 天気:晴れ 気温:4度 湿度:60%】

これといって変化はありません。最近は気温が低い&晴れの日もそんなに多くないので、いかに寒さのダメージを防げるかの勝負になってきている気がします。しかし今年は暖冬なので比較的ましなのか...?20200118144419-baf069a038b96b432764fde6b5975b70ecf63dc6.JPG20200118144355-d9eeccb922da49f22ffa967d39baaf9f8f8b3be7.JPG

早く春にならないか、待ち遠しいです。

そういえば、気が付けば植物を育て始めてから100日たっていました。時間が過ぎるのは本当にあっという間です。2セメスターの終わりもすぐそこだ。(あ、最終レポート....)

4.コメント返し

今の高校授業ではモル濃度に比例する浸透圧上昇をやってないのでしょうか。昨年度まではほとんどそうした事例がないので妙に思いました。

→いいえ、きちんと学習指導要領の内です。

これは私なりの理由なのですが、肥料に対する浸透圧よりも根が水を吸収する力のほうが強いのでは。と、根拠もない考えをしていたことに起因します。

やすりで削って合わせるとは?

→我々はこの作業のことを相貫(貫きはしないのですが)と呼んでいます。2本の棒がTの字に物理的にくっつくよう、一方桁がもうひとつの桁をかんでくれるようにパックマンみたいな形にしていくのです。とはいえ所詮テーパー翼(翼端に近づくにつれ細くなっていく)なので左右対称に削れないのが難しいところなのです(しかも、その差は限りなく微妙)

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近いうちに次回の記事を書き上げたいと思います。それでは。(2584字)

コメント

内藤さんこんにちは

 若くても肩甲骨周囲が傷むことはありますね。若い人は心臓からの放散痛などという可能性はほぼ無いので、そういう時は早めに痛み止めを飲んでしまいましょう。痛みで筋肉が縮みやすくなり悪循環になるのはもちろんです。他に、痛みを脳が記憶してしまって、原因が緩和されたのにも関わらず痛みが長引くこともあるのです。それにあんまり知られていませんが痛み止めは消炎作用を兼ねています。そのため、むしろそっちを利用すると思うくらいに早く飲んだ方がいいのです。ちょっと具体的に言うとアセトアミノフェン以外のロキソプロフェン、イブプロフェンなどはみなそうですね。逆に副作用は長期連用しない限りほぼ無く......話は尽きないのでこの辺にしておきます。

 飛行機作りはなるほど難しそうです。相貫なんていう名前の精密な作業があるんですね。そして驚いたのはテーパー翼だったんですか! それほど高速になるわけでもないのにテーパーとは、強度的な利点があるのでしょうか。

 そういえば人力飛行機は素人的に見ると「柔らかい構造」に見えます。翼がしなり、まるで補助翼を付けたように立ち上がっています。これも計算のうちなんでしょう。初期の人力飛行機は強度優先で、補助ワイヤーによってしっかり止められていたように思うのですが、今は違うんですね。

 東北大は人力飛行機ですっかり有名になりました。その意味で貢献大です。昨今では会社ぐるみの社会人チーム優勢ですが、そこを頑張ってほしいものです。予算やマンパワーではどうしても不利でしょうから、そこは若者の発想力と独創性に期待です。

 さて話は植物に戻ります。仙台もとうとう雪景色になる季節になりました。まあ、おっしゃる通り野菜たちには影響ありません。キャベツに比べたらチンゲンサイやレタスは寒さにわずか弱く、歯の縁が枯れ込みやすいイメージですが、それでも特段の対策は要りません。

 間引き株での食レポも見て楽しいものです。なるほど中国野菜のチンゲンサイ、中華風な炒め物にしましたか。確かにチンゲンサイは熱を通すと美味しく、また油との相性も良い野菜ですね。しっかり食べられてよかったです。

 サニーレタスやふあふあミックスもぼちぼちですね。それほど栽培日数が長いのも、本当にあっという間でした。

 さて、最後にチンゲンサイの茎の断面図とは面白いですね。おっしゃる通り、双子葉植物ですから輪状に維管束と形成層があります。そして、見た目のことだけではなく、その硬さまで考えているのは意外なことでした。確かに構造的な利点があるのかもしれません。茎は物資貯蔵的な役割もありますが、主には構造的に支えるというのが役割で、内骨格のような合理性があるのかもしれません。私もこの点については分からないのですが。

 そして切断面から染み出していることも観察しましたか。よく見ました。実は植物体内での物資輸送については未だに分からないことが多いのです。管が細いいことによる毛管作用、葉の蒸散による陰圧、糖分などの濃度勾配による拡散、といったパッシブな作用が主なように言われていますね。しかし、植物細胞が積極的にエネルギーを使って運ぶアクティブな作用もあります。時と場合により、あるいは物質の種類によって非常に複雑な輸送体系になっています。植物学のジャンルの一つであり、特に栄養分を輸送する転流といわれる作用は盛んに研究されています。

20200119133015-00c86c49055b1a35e842b4a251ac68cfba5edfc6.JPG どうでもいいことなんですがすき家のメガ盛り食べてみました。全然、大したことなく余裕です。次回はラスボスであるキング盛りに挑戦(何と戦うのか......)、です。

さて、展開ゼミも残りわずか、また報告お待ちします。

ラボスタッフ・オガタ