東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

④ 観察時の着眼点は? ー変化への対応が難しいー(農:小島蒼太)

2021年10月21日 (木)

みなさん、お元気でしょうか。ここへきて、いきなり冷え込んできたせいか、授業中に誰かが鼻を啜る音を聞く回数が激増したような気がします。私は今のところ元気ですが、皆さんも体調にはくれぐれも気をつけて、元気に栽培を楽しんでいきましょう!

今回の写真は私が高校生の時に、県の高校生派遣団の一員としてモンゴルへ行ったときの写真です。モンゴルの草原の中で「山」のTシャツ。なかなか良いと思いませんか?

さて、前回の記事でカイワレ大根のまとめは終了したため、ここからは他の野菜たちの成長具合をお伝えしようと思います。もう気がついたら栽培を始めてから3週間が経ち、野菜たちも大きくなってきています。

 

目次


1. 現状報告

1.1. イトウミックス

1.2. 大根 赤房

1.3. ミニ白菜 めんこい

2. 観察の着眼点について

2.1. 試した内容 

2.2. これから記録していこうと考えている内容

3. まとめ


1. 現状報告

本当ならば各野菜たちについて播種からの成長過程を紹介したいのですが、それをやると文章が長くなってしまうため、現在の様子に絞ってお伝えします。(撮影日:10月26日(火)・天気:雨 ・気温:13℃)

   

1.1. イトウミックス

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何度かの間引きを経て、このように育っています。本葉は2~3枚で、直径は大きなもので3cm程になりました。ここ3日間で葉の緑色が濃くなってきたような気がします。葉の形が団扇のように丸いものと、ギザギザした楕円状のものがあります。もう少し混み合ってきたらさらに間引きをしようと考えています。

  

1.2. 大根 赤房

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初めに植えたのは5本でしたが、徒長によって茎が折れてしまったり間引きをしたりした結果、現在は2本が育っています。徒長が酷かったため、土寄せを何度かした結果、土が山盛りになってしまいました。しかし、そのおかげで最近の強風にも耐えてくれています。葉も長径が大きなもので8cmほどになり、立派に育っています。他の野菜と違って目を引くのはなんといっても茎の赤色です。大根の根の部分が赤くなるとのことでしたが、茎も赤くなるようです。大きく育ち、2本でもかなり混み合っているため、鉢の端で育っている個体は間引いて1本に絞って育てようかと考えています。

 

1.3. ミニ白菜 めんこい

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ここ3日間で急激に大きくなってきました。葉は白菜らしく楕円形で、緑色も他の二つよりも少し薄めです。まだ間引きはしていませんが、混み合ってきたので3本くらいにするつもりです(現在5本)。ただ、どれも順調に育っているため少しもったいないような気がしてしまいます。

 


2. 観察の着眼点について

さてここから観察を続けていくにあたり、どこかポイントを決めて成長を記録していきたいのですが、なかなか難しくて悩んでいたため、そのことについて記事にしようと思います。

  

2.1. 試した内容

①背丈

初めは土の部分から一番高い部分の背丈を測っていましたが、土寄せの結果背丈が低くなってしまう・葉の成長に対して茎頂部分の伸びがかなり小さいなどの問題が出てしまいました。

 

②茎の太さ

これは良い感じですが、1/10mm単位での成長になるため、定規では測定が大まかになってしまうのが難点です。

 

一番大きな葉の長径・短径・長径×短径

面積を測るのは難しかったため、長径×短径の値を面積の代わりに採用しました。ただ、本葉が一枚だけだった時はよかったのですが、本葉の数が増えてくると「一番大きな葉」を決めるのが難しくなってきました。一番最初に生えてきた本葉が一番大きい葉になるというわけではないということが分かったのは、一つの学びになりました。

 

2.2. これから記録していこうと考えている内容

①背丈

これまでの手法を変えて、これからは土寄せの影響を排除するとともに葉の成長を反映するために「鉢の端から植物体の一番高い部分」までの高さを測っていこうと考えています。

 

②茎の太さ

これは継続して行おうと思います。

 

③1枚の葉の長径・短径・長径×短径

「一番大きな葉」としてしまうと、観察対象が途中で他の葉に変わってしまうことがあるため、一枚の葉に限定して成長過程を記録しようと思います。

 


3. まとめ

野菜たちは大きく育ってきましたが、それだけではダメなのがこの授業です。しっかりと観察し、記事にしていかなければなりません。ただ、成長が進むにつれて間引きで観察していた個体が無くなってしまったり、土寄せなどにより変化が生じてしまったりと、一つの視点で継続して観察を続けることの難しさを実感し、1週間ほど記録が途絶えてしまっていました。これからは生じてくる問題点にも上手く対応しながら、この記事の投稿を転期に、継続的に観察記録をつけていきたいと思います。

また、もし「こんな着眼点もあるよ」などのアドバイスがあったらぜひ皆さんからもいただきたいです!

コメント

農学部・小島さん

記事の書き方はいろいろあると思います。まとめて報告というのもありですが、こうして、現状として、それぞれの植物がどうなっているかという報告があると、こちらとしては、タイミングを逸することなく、ここでこんなことをしたら、これはよいとか、よくないとかのコメントができます。

イトウミックスですが、これくらいに生育していれば、施肥をするのもOKです。皆さんへのコメントを書くことができていませんが、この農学部の小島さんの記事を見た方、これくらいの生育になったら、写真にあるくらいの数粒ずつを数ヶ所にというのがよいと思います。ダイコンは土寄せをしている関係だと思いますが、少し盛り上がっていますね。根っこの周りを少し押さえるようにしたら、盛り上がりも抑制されて、徒長も抑制されると思います。ハクサイはハクサイらしい葉っぱが出てきていますね。間引くのがもったいない。これまでの受講生にもいました。植木ばちの代わりになるものを用意して、それに移植したり、水耕栽培にチャレンジした方もいました。展開ゼミのところでsearchができますので、探してみてください。

葉っぱの大きさが同じように大きくなるわけではない。不思議ですよね。どのような制御がかかると、そんなことが起きるのか。おもしろい実験のテーマだと思います。もちろん、どうやってそれを評価するかと言うことを考えることからスタートですが。1枚の葉っぱに着目、もちろんですが、例えば、3の倍数とかの葉っぱは測定するようにすると、大きいのもあり、小さいのもあって、それらを経時的にグラフ化したら、どうでしょうか。葉っぱごとにどのように変化するかも分かります。最後のまとめにあるように、間引きをすると、何を観察するかを自分でしっかり決めることが大事ですね。他の受講生からのコメントなども参考にしつつ、考えて見て下さい。


わたなべしるす