東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ハクサイの観察(理:山田和輝)

2021年11月 4日 (木)

こんにちは。

少し前から急に冷え、この調子で寒くなったら冬は冬眠するしかない。と思っていたのですが、意外と気温が下 

がらないですね。まだ暖房なしでもいけそうです。。

「寒さ」にちなんで今回は高校生の時にいった冬山合宿について軽く紹介しようと思います。

北八ヶ岳に行ったのですが、あそこまで気温の低いところにはもう二度と人生でいかないかもしれません。

夜の気温は-16℃です!テントの中にあるペットボトルなどあらゆる液体が凍りました。朝起きたら水がしばらく  

のめませんでした。仙台はここまで寒くはならないと聞いていますが、これに近い気温が月単位で続くと思うと恐

ろしいです。


本日の内容

  • 経過観察
  • ハクサイの葉について

経過観察

全体的に茎が太くなり、葉の形がギザギザし、大きくなって来ています。

一応ダイコンとミックスの写真を載せておきます。(名付けた名前で読むと初めてこれを読んだ人がわからなくな

るのでブログ上では植物名で呼ぶことにします。)

 

あと、先日の雨で温度計が壊れてしまいました。同じ温度同じ湿度を永遠に指しています。だから、気温、湿度

については記すことは出来ませんでした。また新しいのを買ってきます。

今回は大きくなって葉が重なるようになったハクサイの間引きを行いました。

間引き前は下の写真           ↓     ↓     ↓

IMG_9540.jpg

間引き後は下の写真           ↓     ↓     ↓

IMG_9542.jpg

全体的にすっきりしました。これで栄養の争いが減るはずなので成長速度は今まで以上になると思います。

ハクサイの葉について


ハクサイを観察する中で気づいたことがありました。

茎の伸びる方向と葉の大きさに関してです。

hakusai.jpg

                         図1

上の画像について説明します。1~4というのは根から土から垂直方向に離れている順に番号をつけた物です。(1の葉は土から一番遠い)

ご覧の通り、土から離れるにつれて葉が大きくなっています。また、お互いが重ならないように茎を伸ばし葉を広

げている様子がうかがえます。これは光合成しやすくするために植物がとっている機構だと学びました。

その機構については触れないでおきます。ここで疑問が湧きました。「次の葉はどのように葉を広げるのだろう

か」ということです。この個体は葉が4枚でした。間引きをしているときにちょうど葉が5枚の個体を見つけたので

次はその個体をご覧ください。      ↓    ↓    ↓

hakusai2.jpgのサムネイル画像

                         図2

数字については先ほどと同じルールです。やはり、数字が小さいほど葉が大きく、すべての葉はお互いが重ならな

いように伸びています。

ここでこれからについて予想をしたいと思います。現在は間引きの結果は、葉の枚数が4枚、5枚、5枚の3個体が残

っています。葉が4枚の個体については上の写真になると思いますが、5枚の方は次に示す、「予想ハクサイ図」

のようになると思います。        ↓   ↓   ↓

                    

IMG_9551.jpg

                         図3

この画力で理解をしてください。。。絵だけで理解していただけるかわからないので一応説明します。

5枚の葉のうち特異的なのは図2の5の番号を振っている葉だと思います。(中央に丸まっているので)だから、葉

が6枚になるときはこの5番の葉を支える茎が4枚の葉の間を伸びていき、その後新たに6枚目の葉が中央に生えてく

ると思いました。よく観察しようと思います。

もう一つ気になることがありました。それは「何か葉の大きさの違いがバランス良くないか?」ということです。

具体的には図1や図2でいうと、葉1の大きさ:葉2の大きさ=葉2の大きさ:葉3の大きさに見えなくもない、とい

うことです。ぱっと見の勘ですが、何か数学的に美しいことが隠れているかもしれないと思いました。

植物と数学は関係しているということを昔聞きました。花びらの枚数は必ずフィボナッチ数列になっているとか。

ということで、これから週2位のペースで葉の3個体それぞれについて、すべての葉の大きさを測り比を求めたり、

グラフを書いたりしていこうと思います。必ず数学との関係があると信じて観察をしようと思います。

関係を求めるといっても、まずは葉の大きさを正確に測るということを考えなければなりません。数学が関わって

いると予想した以上、大雑把に測定したら絶対に望む結果は出ないと思います。いろいろ考えた結果、葉の形を楕円で近似

して、長辺と短辺を測り面積を出そうというやり方がしっくりきました。まず、楕円で近似すると良いことが幾つ

かあります。1つは長さを測りやすいということです。長辺と短辺というのは下の図4で記してあります。つまり、

定規で確実に測れます。

また、楕円で近似し、長辺短辺を出すだけで楕円の面積が簡単に出るというのが第2の良いことです。長辺の長さ

を2a,短辺の長さを2bとすれば楕円の面積はπabで求まります。

 

<簡単な証明>

半径aの円に対してy座標をb/a倍したものが長辺短辺の長さがそれぞれ2a,2b

の楕円。この円の面積はπa^2より、楕円の面積はπa^2×b/a = πab

 

この原理を利用して何か規則性的なものが見つけられれば良いなと思います。

今後はハクサイだけでなく、ダイコンやミックスについても具体的な観察を行っていこうと思います。

(ミックスは4種類の個体が混ざっているので出来るかはわかりませんが...)

今回は以上です。

コメント

理学部・山田さん

仙台の寒さは-5oCくらいでしょうか。真冬日、つまり、終日氷点下になるのも数日が平年並みにです。-15oCに近い気温は盛岡でもならなかったような。氷点下になってくると、植物の葉っぱが凍るので、少し大変です。対処についてはまた、全体にお知らせします。

機器類への雨よけは大事です。実際の実験をするときも気をつけることです。間引きの具合はよい感じですね。間引いたものは食したのでしょうか。それともどこかに移植したとか。観察に使ったのでしょうか。実際の写真に加えて、手書きでモデル図を書いてみたのはとてもよいことです。葉っぱがどのように展開するのか、これを葉序。と呼びます。イネ科であれば、180oです。1/2と表記します。ハクサイがどうなるのか、是非、観察して結果を記事にして下さい。

葉っぱの大きさについても、こうなるのではないかと考えて、それを証明するための実験系を立てること。学部、大学院での実験の基本になります。是非、やってみて下さい。10日ほど先の予報がでていますが、平年よりも暖かく推移すると思います。しっかり観察して、記事にして下さい。


わたなべしるす