東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和元年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

根強いやつ

2019.07.12自販機下

仙台市立仙台青陵中等教育学校

丸山柚月

根強いやつ

我が家の目の前に広がる駐車場、実は昨年の秋頃まで、桜やその他様々な草花が詰まった植え込みだったのです。それが数ヵ月間の工事であっという間に一掃され、思い出の一切はアスファルトの下に。

しかし、この間遂に、アスファルトの隙間から見覚えのある草が顔を出しているのを見つけました。そう、"どくだみ"です。植え込みの桜の足下はいつもこの特徴的なハート型の葉でびっしりと埋め尽くされていました。
どくだみは地下40センチぐらいの深さに根っこを広く深く伸ばし、そこからさらに地下茎をのばして成長していきます。この根っこが厄介者で、たとえどくだみを引き抜いても、根っこや地下茎が残る限りはそこから成長してしまいます。その為に、工事によって掘り返されてなお、アスファルトの隙間からどくだみが繁殖できてしまったのだと考えられます。まさに、"根強い"やつ。
その一方で、アジア諸国では薬味や付け合わせとして食べられたり、その栄養豊富さから薬やお茶として用いられたり、中には化粧水に加工して使用・販売する人がいたりと、どくだみは様々な用途で使用されているそうです。

 
もしどくだみがあなたの庭を侵食し始めたら、四方八方に散らばり延び続ける地下茎との戦いを選ぶのか、それとも、生活の中でどくだみの新たな活用法を模索し続ける道を選ぶのか。

私ならそのまま放っておき、もといた草花たちがどくだみによって追いやられていく様子を、日々ただ観察して過ごすような気がします。