東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和2年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

葉の紅葉のメカニズム

2020.10.11八戸市

八戸聖ウルスラ学院高等学校

野呂知世

葉の紅葉のメカニズム

 皆さんこんにちは。この前、講習が終わってからに教室で本を読んでいたら1時間に1度しか来ないバスに遅れてしまった野呂知世です。あと1時間待つよりなら、と徒歩で帰ることにした野呂ですが、普段はバスや自家用車で登校しています。だから、同じ道のりなのにとても新鮮なものに感じました。さて、今回は「葉の紅葉」についてまとめようと思います。この写真は、バスに乗り遅れた日、学校から歩いて帰っているときに撮った写真です。
 そもそも葉が緑色に見えるのは、光合成を行う葉緑体が色素であるクロロフィルを含んでいるからです。クロロフィルは緑色の光合成色素で、光エネルギーを吸収する役割を担っています。ですが、クロロフィルが分解されて数が減り、アントシアニンが合成されると、葉は赤くなります。つまり葉が赤くなる原因は、アントシアニンという色素です。ちなみに、葉が紅葉していくとき、緑色から黒ずんだ赤色に変化し、そして綺麗な赤色になりますよね。これは、一部のクロロフィルが分解されないまま、アントシアニンが合成されているためです。クロロフィルの緑色の色素と、アントシアニンの赤色の色素が混ざると、黒ずんで見えるそうです。確かに赤色と緑色の絵の具を混ぜると、茶色の絵の具を作ることができますよね。
 では、わざわざ落葉の前にアントシアニンを合成するのはなぜでしょうか。これには様々な説があります。紫外線から細胞を守っている、虫による食害を防いでいる、などがありますが、これらはまだ証明されていないそうです。
 このように今回は紅葉についてまとめてみましたが、紅葉のメカニズムについては、まだ証明はされていないそうです。とても身近な存在である「葉の紅葉」が、実はまだはっきりとわかっていないということはとても驚きでした。この他にも、私たちの身近なことで証明されていないことは、意外とたくさんあるかもしれませんね。もし機会があれば調べてみたいと感じた野呂でした。