東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和2年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

実は快適⁉︎アスファルトの隙間

2020.11.14五戸町

八戸聖ウルスラ学院高等学校

野呂知世

実は快適⁉︎アスファルトの隙間

 おはようございます。どんどん寒くなり花も枯れてきている今日、久しぶりに花を目にしました。私は邦楽などで「アスファルトに咲く花」と言うと、過酷な環境下でも精一杯生きよう、というニュアンスがあるように感じるのですが、皆さんはどうでしょうか。
 しかし実際は、コンクリートやアスファルトの隙間というのは植物の成長にとって恵まれた環境だとのこと。意外ですよね。その大きな理由は、生存競争の相手が少ない、またはいないことです。そもそも植物が多くの葉をつけて成長していくのは、より多くの日光を浴びるためです。たとえば私たち人間同士の日照権の問題ならば、人間は当然動くことができるので新たな日当たりを確保することができます。ですが植物は動くことができないため、自分の成長と生存のために競うように日光の取り合いをします。つまり競争率が低いということは、限りある日光を独り占めすることができるということです。また、アスファルトの下にはしっかりと土と水分があるので、水も吸い上げ放題です。
 しかし、車や人間に踏み荒らされやすい場所だったり、雨が降らずに水不足になり、枯れてしまうということも十分にあり得ます。アスファルトの隙間にいる植物は必ずしも勝ち組、ということでもないようですね。