東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和3年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

カサブランカ

2021.07.27自宅

宮城県仙台第二高等学校

浅野木葉

カサブランカ

こんにちは。仙台第二高等学校の浅野木葉です。自宅近くに生えていたヤマユリが今はすっかり花を落としてしまい、もう少し楽しみたかったなぁと思うこの頃です。
 
さて、写真は“カサブランカ”という園芸品種のユリです。ヤマユリによく似ていますが、花弁の内側の赤い斑点が無色の突起になっています。こちらはまだ花を落としていません。植物の開花時期が何によって決まるのか気になったので調べてみました。
植物の開花には、植物ホルモンであるジベレリン、エチレン、フロリゲンなどが関わります。(その他にもあるかも知れません)
エチレンには、バナナをリンゴと一緒に置くとリンゴの放出するエチレンでバナナが熟す、というように植物を成熟させるはたらきがありますね。
ジベレリンには長日植物の開花促進のはたらきがあります。仕組みは複雑ですが、開花促進に必要な物質の転写を開始する調節タンパク質をつくるための、更に別の転写において、ジベレリンがあることで転写が開始できる、というようなことだと思います。
最後にフロリゲンは、花芽形成促進物質として適当な日長条件のとき葉で作られ、師管を通り茎頂で作用します。このホルモンは花芽形成を促進はしますが、必須ではないという研究があるそうです。
 
植物の開花時期は、日長条件という環境要因が関係し、それを受けてどう反応するかは遺伝子によるという、当たり前のようなことですが、そこで起きている反応の複雑さに、植物の奥深さと面白みを改めて感じました。(いつかヤマユリの花を散る前に採集し、カサブランカとじっくり比べてみようと思います)