東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和3年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

ツユクサ

2021.08.03公園

東京学芸大学附属高等学校

大倉早葵

ツユクサ

こんにちは。東京学芸大学附属高等学校1年の大倉早葵です。私は自宅周辺の公園でツユクサが咲いているのを見つけました。青い色が魅力的ですが、ありふれた植物で、あまりじっくりと観察することはないかもしれません。今回はツユクサの秘密に迫りたいと思います。

みなさんはツユクサは花弁が何枚あるか知っていますか。「青い花弁が2枚でしょ!」と思う人が多いのではないでしょうか。青い花弁に目がいきがちですが、近づいてよく観察してみると、実はツユクサは3枚の花弁を持っていることがわかります。青くて大きい花弁2枚と白くて小さい花弁1枚から構成されています。また、雄蕊は全部で6本あるのですが、黄色の短いものが3本と黄色の長いもの1本、茶色の長いものが2本と3種類あることにも気が付きます。黄色くて短い雄蕊は黄色いちょうちょのようなとってもかわいい形をしています。他の3本の雄蕊は花粉を出す一方で、黄色くて短い雄蕊は花粉を作らないそうです。
先日の渡辺先生の「植物の自家不和合性」の講義を受けてから、頭の中が自家和合性と自家不和合性でいっぱいの私は、早速、このツユクサが自家受粉をすると調べました。アサガオと同じように朝開花して昼には花を閉じるツユクサが自家受粉することはすぐ理解できましたが、では、この青い花びらや3本の黄色い雄蕊が昆虫を引き寄せる役割はなんでしょうか。
自家受粉だけだと、環境が変わったり病気になったときに同じ遺伝子だと変化に対応できなくなりますが、昆虫による他家受粉によって変化に強くなるのです。ここにも遺伝的多様性がみられました。先日の渡辺先生の講義及び課題に通じる点があり、とても興味深く感じました。講義はすぐには理解できないこともありますが、今日、ツユクサが考える機会をくれました。植物って面白いです。もっと他の身近な植物にも目を向けて、新たな発見をして不思議を解き明かしたいです。