東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者の卵養成講座

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令和3年度 まちかどサイエンス

科学者の卵たちが見つけたちょこっとサイエンスをご紹介します。

 PCR検査、受けたことありますか?

2021.08.22某会場

筑波大学附属高等学校

國井結月花

PCR検査、受けたことありますか?

こんにちは、筑波大学附属高等学校2年の國井結月花です。
 
 
最初に、「場所」についてですが、諸事情により今は詳しい場所を書けないので言葉を濁しています。
これについては後日活動ブログで報告したいと思っています。
ご了承ください。
 
 
 
では、本題に入りたいと思います。
某会場にて唾液採取によるPCR検査を受けたときのことです。
ふと、空港などの大規模検査会場の中には、
唾液が出やすいように梅干しの写真が置いてあることを思い出しました。
日本人にとっては梅干しが酸っぱいものの代表例だけれど、
海外の場合はどうなのだろうと疑問に思いました。
 
気になって色々調べてみましたが、
海外でPCR検査のときにそのような工夫をしているという情報は見つけられませんでした。
その理由として考えられるのは、海外ではあまり唾液による検査をしていないことがあげられそうです。
(海外での主流な方法は鼻咽腔拭い液採取法という、
いわゆる鼻に綿棒を突っ込んでぐりぐりするものみたいですね)
 
それはそうとして、海外の人にとって梅干しのような立ち位置のものはどんなものなのか気になるので、
もし海外在住経験があるなどで知っている方がいたら教えて欲しいです。
 
 
 
さて、これだけではもったいないなと思ったので、梅干しをみると唾液が出る仕組みを簡単に書きたいと思います。
 
そもそも、梅干しなど酸っぱいものを食べると唾液が出るのはなぜでしょうか。
 
唾液は個人差はあるけれど、通常酸性から弱アルカリ性です。
酸味のある食品を食べる前と食べた後で唾液のpHを比べると、
食べる前より食べた後の方がアルカリ性に傾きます。
これは、酸味の正体である「酸」が歯を溶かしてしまうため、
口の中にアルカリ性の唾液を分泌させることで、歯が溶けるのを防ぐためであると考えられています。

では、梅干しを見るだけで唾液が出る理由はなんでしょう。
それは、パブロフの犬の実験で知られる、条件反射によるものです。
パブロフのイヌの実験は、ベルを鳴らしてからエサを与えることを繰り返したところ、
ベルを鳴らしただけで唾液が出るようになった、という実験ですね。
梅干しを見るだけで唾液が出るという現象は、経験などで後天的に獲得された反射行動なわけです。
 
和食の食材として小さいころから馴染みのある日本人には、
梅干しが一番「唾液の出る経験値が高い」食べ物ということなんでしょうね。