東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

久しぶりの更新 ふだんそう(スイスチャード/虹色菜)の報告 H.28 Part 1(素人2号)

2016年1月17日 (日)

みなさんこんにちは.素人2号です.遅ればせながらあけましておめでとうございます. 長らく報告を休んでおりましたが,最終発表も間近ということで,前回の中間発表からここまでの報告をさせていただきます.

ふだんそう(スイスチャード/虹色菜)

20160117181800-9a3056207209586ee01d7cd2fcd18d5d9e62129d.jpg立枯れ病の発生2015/11/20/室温18℃/この時期になって実は胚軸の基部がくびれて枯れてしまう「立枯れ病」が発生してしまいました.原因菌はリゾクトニアやピシウムなどの糸状菌で,一般的には高温の育苗期に発生するものですが,室内という閉鎖環境と,土が常に湿っている状態が重なって発生してしまったものとみられます.

20160117183238-6ae85a2671ff54e03ccba1aff8126c87ef8a21ff.jpg 株数が多ければ,罹病個体だけ抜き取って,管理法を改善するだけで良いのですが,株数が少ないので,少々リスキーでしたが抜き取って薬剤防除をいたしました.使用薬剤はバリダシン.放線菌由来の抗生物質「バリダマイシン」を有効成分に含むものです.そういえば放線菌といえば昨年のノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智さんが発見した「イベルメクチン」も放線菌由来の成分でしたね.放線菌の医学・農学分野への応用の可能性はまだまだ広がるものと思います.農業分野では放線菌をはじめとした,拮抗微生物による減農薬栽培などが環境負荷の少ない新たな農業手法の一つとして現在盛んに行われております.

 

コメント

ラボスタッフマスコです。こちらこそ遅ればせながらあけましておめでとうございます。

ふだんそう、だいぶ大きくなりましたね!株を抜き、薬剤で処理するという心意気、えらいことだと思います。

放線菌について私もちょこっと調べてみたところ、全地球上にいる放線菌のうち、人類が培養できている放線菌は1%未満らしいですね。

わざわざジャングルの奥地に行かなくても、身近にも培養方法を工夫すればまだまだ未知の放線菌が居るとのこと、放線菌の可能性はすごいですねえ。

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