東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

コマツナの誕生(理:福島和紀)

2016年10月 8日 (土)

上の写真は現在活躍中の温度計です。擬人化してみるとこれが助手みたいで面白いです。



今日の報告です。まずはコマツナについて。
朝(7:30)、種子をのぞいてみると・・・

P1000448.JPG
ついにコマツナが発芽していました!
発芽していたのはのは光に当てていないほう。5個全て発芽しています。

P1000451.JPG
部屋が比較的暖かかったからでしょうか。温度計によると、最低でも22℃はあったようです。(今部屋にある温度計は最低気温最高気温を記録してくれています)
一枚目の写真をよく見てみると、根は容器の底に向かって出ていますね。(分かりにくいかもしれませんが・・・)

これが重力屈性でしょうか。
ちゃんと地面に向かって伸びてくれそうです。
これだけ発芽しているので、これらの種子はあらかじめ湿らせておいた土に移動しました。


ここでどのくらいの密度にしようかと考えました。この鉢は円形なので直線状に種子を並べてしまうと、縁に種子を置くことになりそうです。
今回はこれを避け、中心に円を描くよう等間隔に並べました。並べた後は、軽く土をかぶせておきました。

一方、光に当てていたほうはというと・・・

P1000449.JPG

一見発芽していないように見えますが、よく見てみるとこの種子だけに発芽の兆しがありました。もう少しです。

光を当てたほうが早く発芽すると予想していましたが、当てないほうが早く発芽しました。どうしてでしょうか?以下考察です。
A-袋をかぶせていたので温度が少し高くなっていた。
B-種子を置いた容器の底が、光を当てないほうはティッシュペーパーにしたのでこのようにしたほうが水を吸いやすかった。
C-あまり光の影響は大きくない。

発芽したのは夜だったので、もしかしたらAの可能性が高いと考えています。


そして、昼(14:30)に見てみると・・・

P1000457.JPG

朝には発芽していなかったものが発芽していました。もちろんこちらの種子も土に移しました。

この時、この記事のコメントを参考に後に発芽した種子の場所には棒を立てておきました。今後、同じ環境になって何か違いが生ずるのでしょうか?これからの生長が楽しみです。

一方、キャベツについては発芽の兆しが見えません。初回に配布された資料によれば発芽には3~5日かかるようなので、キャベツの種子に関してはこのまま様子を見ます。

これからの天気予報を見てみると、急に気温が下がるようです。僕は室内で栽培しているので比較的暖かい環境で育てることができていますが、温度管理はきちんとしたいと思います。
以上。

コメント

福島さん、投稿ありがとうございます、ラボスタッフマスコです。

発芽後、適期を逃さず移植されていて、素晴らしいと思います。淵の方に置かなかったのも良かったと思います。出来たら、移植後の鉢の写真も見たかったですが、次回以降に。その際にも、今回のように定規をあてて撮影されると良いかと思います。

光をあてたほう、光をあてなかったほう、あまり大差なかったですね。考察の通り、種皮は十分水を吸った方が割れやすく、温度が高めの方が発芽しやすいため、高湿を保つティッシュとフタが良かったのかもしれません。ティッシュ・コップという環境が発芽に必要な空気に触れやすいものだった、というのもあるかもしれないし、黒い袋で覆っても、ちょっと光が入ってたのかもしれません。ともあれ、うまく発芽して良かったです。

根の重力屈性、その通りです。根には重力を感知する細胞があり、重力にひかれて先端が伸びていく、という習性があります。ほか、水分のある方に伸びる水分屈性という性質もあるため、複合的な要因かなとは思いますが、しっかり根が伸びてくれると思います。それらの分子機構は、生命科学研究科の宇宙環境適応分野で研究されております、よろしければご参考になさってください。

これから、朝晩の温度が非常に低くなります。初期成育において低温が与える影響は大きいので、暖かくして育ててくださいね。とはいえ、日に当てなさすぎると加湿になりカビたり、徒長したりするので適当に。ピンクの温湿度計(助手)とともに、頑張ってください。またの投稿をお待ちしています。



ラボスタッフマスコ