東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ホウレンソウ2 子葉がでました(農:土肥裕花)

2016年10月17日 (月)

こんばんは。明日は久しぶりに気温が高くなるようで、鉢を安心して外に出せそうです。

この三日間のホウレンソウの成長を報告させて頂きます。

はじめに、タイトルにある通り、植えた種がさっそく子葉をだしてくれました!

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1番早いものでは、植え替えした次の日の夜(一昨日の夜)に観察したときにもう子葉が見えていました。そして昨夜二つ目、今朝鉢を見たときに三つ目、帰宅したときに四つ目、五つ目の子葉を確認しました。まるで相談したかのように順番にでてきているのが何だかかわいいです。

植えてから子葉が出るまでのスピードもですが、出てきた子葉が生長するスピードにも驚かされます。最初に発芽した種の使用は、その日の朝はかったところ1cmで、夕方はかると1.5cmに伸び、さらにくっついて一枚に見えていた葉が二枚に分かれていました。現在は3cmになっています。本当に早いです。

20161017223057-080f5ef9c95d97c872d8a35a9d7b7a83961adabe.JPG20161017223146-d02aad5667a86d2c75882896f7566047bb3d57fb.JPG

子葉に関して、まだまだ報告したいことがあるのでもうしばらくお付き合いください。

まずは、子葉を出した種の位置についてです。前回載せた図を再掲しますが、この図と子葉を出した種の位置を比べると、最初の3つは☆の種だと思われます。(☆は根が長くでたもの、●は短かったもの

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子葉を出すスピードが☆の方が明らかに早くなったのは、根が長く出ていた、つまり成長が進んでいたから、そしてその根でより多くの養分を吸収できたからではないかと考えています。成長スピードはこのまま差がついていくのか、間引く前に分かる範囲になってしまいますが、葉の大きさや数などに違いは出るのか、今後も観察していきたいです。

次に、子葉の周りの土についてです。写真を見ると分かるように、鉢の大部分の土は黒く湿っているのに、種の周りの土だけが茶色で、やや乾燥していました。これは種がこの部分の水分を吸収したからだと考えられます。植物にとって水はいかに大事かが伝わってくる気がします。水管理、頑張ります。先ほど、乾いていた部分だけ霧吹きで水をやりました。

子葉の話は以上ですが、前回の私の投稿内容に2点、間違いを発見したのでそれもお伝えします。1つは、「種を段ボールで覆って育てた」ということについてです。こちらのサイトをはじめ、いくつかのサイトを見た結果、ホウレンソウの種は好光性でも嫌光性でもないことが分かりました。つまり、覆いをしてもしなくてもいい、ということのようです。覆いをしてもちゃんと発芽してくれたので問題はないですが、もし来年の受講生で私の記事を見てくれた方がいて、混乱したら申し訳ないのでここに書いておきます。

もう1つは、「シャーレの中の種の向き」についてです。前回の私は、種の先端が上を向いているものはもともと自分がそう置いたのだと考え、「種をまく向きも大切」と結論づけたのですが、シャーレの中の種を観察していて、一概にそうとは言えないと気がつきました。

20161017223435-7c05a174a4839ce02504318dd9732bfaa44a3763.jpg20161017223516-a5092a750636e1cc5cabf8687276f6e0c944b4a1.JPG下の写真は、シャーレを上の写真の矢印の向きから撮影したもので、上の位置に写っているのが上の写真の○で囲んだ種です。

この二枚の写真を見比べると、横向きになっていたはずの種が発芽したときは先端を上に向けています。これは光屈性に関係があるのかなと思いましたが、覆いの中の暗さは同じだったはずです。どうしてどの種の根も横に伸びたりせずにみんな上に伸びたのか不思議です。何か調べて分かったことがあれば報告します。

また、シャーレの中に残っていた5つの種のうち3つが発芽したので、プレートの前とその両脇に、鉢の中央からやや離れた位置に植えました。の種のように、少し長めに根がでてから植えたので、すぐに子葉を見せてくれるのではと期待しています。

ブロッコリースプラウトは、もう少しホウレンソウの成長が落ち着いたらとりかかろうと思います。マスコさんのアドバイス通り、種の固さにも注目してみます。長くなりましたが、この辺で失礼します。

コメント

土肥さんこんにちは。

 ホウレンソウ、いい感じですね。種に蓄えられたエネルギーはすごいものでしょう。それでも各々スピードに違いがあります。個性といえばそうなのですが、自然界においては早ければそれで有利、という簡単なものではありません。ばらつきがあるのが生存にとって一つの戦略であることが多いのです。栽培においては、早くて大きいほうが有用ですので、大きなものを残しますが。

 好光性嫌光性というのはそれぞれ意味があります。この場合のホウレンソウはどちらの条件も必要ないのですね。来年の人のためにここに書いておいて下さりありがとうございます。それと根の向きの話をされています。種が上がる?つまりは根の先端が下に向いているのですね。根や茎が曲がるのは光も重要ですが、重力(根であれば水も)が関係します。この根は重力の方向にまっすぐ伸びたのです。そのメカニズムについては、後で習うかもしれませんね。

では、頑張って下さい。ラボスタッフ・オガタ