東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

カイワレダイコンをザルで育てました!(農:開田有紗)

2016年11月14日 (月)


こんにちは。すっかり寒くなり、昼に外に出している鉢の防寒をどうしたらいいか考えています。

さて、遅いスタートになりましたが11/7にカイワレダイコンを育て始めました。
いつでも始められると思うと逆になかなか始められないものですね。ただ、ここまで他の受講者のスプラウトの記事を多く見ることができたので参考が多くて助かりました。

栽培にあたり、私も何か比較実験や工夫を加えて育ててみたいと思っていたのですがなかなか新しいアイデアは思いつかず...。最初は下に敷く素材を変えてみようかと思っていたのですが、こちらは高橋さん武田さんなどが実験しているようなので誰もやっていないことをやってみようという思いもあり、少し調べてみました。

そして見つけたのが、カイワレダイコンをザルで水耕栽培したというブログです。ザルだと毎日簡単に水を交換することが可能で、なおかつ根まで収穫することができます。
スプラウト栽培における私の1番の懸念がカビの発生だったことと、根まで全て食べられることが魅力的だったこともあり、私もザルで栽培してみることにしました。

使うのは、春に買ったものの最近あまり使っていなかった100円ショップのザルとボウルのセットです。ちょうど重ねることができます。

Kaita-1114-01.JPGこのザルの部分にさらに三角コーナー用のネットを洗って敷き、密度がなるべく均等になるように種を並べました。

Kaita-1114-02.JPGKaita-1114-03.JPG
6時間ほど種が浸るくらいまで水を入れ、その後は種の半分くらいが水に触れるくらいまで減らしました。
下の写真は水に浸した後のものです。既に芽が出始めているものもありました。
暗所はダンボールの中に入れることで作りました。室温は約20℃です。

翌日、水を減らしてから約30時間後の様子がこちらです。
Kaita-1114-04.JPGほぼ全ての種が発芽し、二枚の子葉と根が出ています。根の長さは1~1.5cmほどでした。

さらに7時間後、ダンボールを開けてみると...
Kaita-1114-06.JPG写真では分かりづらいですが、根が伸びています。長さは2~2.5cmほど。わずか7時間の間にこんなに変化が目に見えることに驚きです。
根の先端1cmほどにびっしりと根毛が生えていることを観察することができました。
重力屈性で下に根を伸ばそうとしている感じはあるのですが、密度が高いこととザルの目が限られていることもあって、横向きに伸びているものも多いです。水の交換時には根の様子も観察できました。
Kaita-1114-07.JPGこの写真は背景が分かりづらくてすみません。次回は気をつけます...。
根は長いものでザルの下から5cmほど伸びていました。

さらに次の日。
ここもまた観察の間隔があいてしまったのですが、30時間ほど経過して次のようになりました。

Kaita-1114-08.JPG長さはかなりばらつきがあり、2cmくらいのものから7cmくらいのものまであります。
平均して5cm程度です。葉は半開きです。
根はこんな感じになりました。Kaita-1114-09.JPGザルの目からまんべんなく生えています。長さは総じてザルのそこから7~8cmになりました。太さも1mmほどあり、先端にかけて細くなっていました。

さて、およそ9時間後の翌日。
Kaita-1014-09.JPG長さに差はありますが、十分に徒長したと考えたので、日光に当てることにしました。
朝の7時頃から日没まで日光に当てて、前回の写真から約16時間後の様子がこちらです。

Kaita-1114-10.JPGすっかり葉が濃い緑色になりました!
いよいよ収穫です。今まさにこの記事を書き終わったら収穫しようとしているところです。
食べての感想はまた次回に。

参考までに、ここまでザルで栽培して感じたメリットとデメリットをまとめてみます。

メリット
・水を替えることができるので衛生的、カビが発生しにくい
・根の観察ができる
・根まで収穫できる
・乾きにくい

デメリット
・毎日水を替える手間がかかる
・真横からの観察や撮影が難しい

均等な長さに育たなかったのもデメリットかと思いましたが、コップで育てた方も長さにばらつきがあったようなのでザルということには関係ないとみて今回は省きました。
私の使ったザルは底面と側面のカーブの部分にザルの目が無いものだったということもあるかもしれません。カーブのないものや、底面全体が目になっているものだと種にもっと均等に水が触れるのではないかと思います。

反省としては、観察の間隔に幅があったことです。
第二弾の挑戦では毎日同じ時刻に撮影するなど、経時変化を分かりやすく伝えたいと思います。

さてここまで書いたところで、早速収穫していただいてきます!

コメント

開田さんこんにちは。

 カイワレ、ザルで初めるとは斬新なアイデアでのっけから驚きました。よくブログから拾ってきました。しかも、そのアイデアの行く末をきちんと予測しながら丁寧に進めていますね。最後のまとめでそのメリットとデメリットを把握しているのも良い感じです。写真もきれいですね。根がザルから伸びているのもわかります。

 確かに水替えが簡単になりますね。暑い季節にはことのほか有効でしょう。ただザルはもちろんそれ用の形ではありませんので密植しても背丈がそろわないのは仕方ないことですね。

 そして最大のポイント、根を食することができるということですが、実際食べてみてどうだったでしょうか。そこの感想を次回是非お願いします。普通にはカイワレで食べる部分ではありませんから。ちなみに、モヤシでは根をわざわざとる場合もあります。モヤシでは根がどうしても(土がなくとも)泥臭いので、取ったら風味が格段に良くなるからです。中華料理では根を丁寧にとったモヤシのことを「如意菜」というのではなかったですかね。

 それでは、また頑張って下さい。 ラボスタッフ・オガタ

追記:気温20℃とのことですが、時間を見ると成長が結構早いですね。種が残ってる限り、またどんどん挑戦して下さい。