東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ミニハクサイをごっそり移植「後」(教:井上千晴)

2017年11月17日 (金)

こんにちは。井上です。

七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かります。恵比寿様以外はインドや中国から来た神々だそうで、多文化が共生している一船です。


先日、ミニハクサイの移植についてご報告いたしましたが、その後のいきさつについて取り急ぎお伝えします。

まずは、移植してから5日が経ちましたが、土への移植は成功のようです。(コマツナも元気です!)

20171117234843-3637c516da91743e357839ce18df7466dcf2c0c8.jpg

根はしっかりと土に馴染み、水分や栄養分を吸収できているようです。土に移したときに茎元を強めに押しつけて固定したのが良かったのかもしれません。こちらの詳細は日を改めることにします。


オガタさんから沢山のコメントをいただきました。ありがとうございます。

「一応確認しますが水耕以外のものは容器の底に穴を開けたでしょうか。開ける数や大きさは、水が抜けるというよりも空気が流通できるくらいかどうかを考えて下さい。ついでに言うと底から出た水が横方向に外へ出られるというところまで考えなければなりません」

はい。スナック菓子の容器の底に穴を開けています。

20171117134532-5689119b8ff112948b3489bd535683a3c5ef8a0b.jpg竹串でぷすぷすと刺しました。この容器は高さが13cmですので、通気性はあまり良くないかもしれません。確かに植物にとっては空気の出入りが容易であり、根が活発に呼吸できる環境が理想です。しかし、いただいた植木鉢は比較的通気量が少ないとのこと。さらに、寒い季節では冷気を取りこみ過ぎても植物には良くないとも教えていただきました。日中は太陽が出るので、ベランダに置いていますが、朝夜は10℃を切る程まで気温が下がるので部屋に入れています。帰宅が遅い時もあるので、保温という意味で多少通気量が少なくてもよい条件下にあるかと思います。ホッとしたと同時に、また、新しく学ぶことが出来ました。

「早急(さっきゅう)にやってほしいことがあります! 水耕栽培、水面を下げて株元1/3の部分を空中に出して下さい! 根は呼吸するものです。(中略)普通の植物は根は空気中の酸素で呼吸しています。水耕栽培ではその呼吸をいかにさせながら水分を吸わせるかが勝負で、いろいろな栽培形式が試されたのです」

20171117141055-185ac6873d2153bd1b8b3fd03265071377681873.jpgはい!早急に減らしました。ミニハクサイ、ごめんなさい。浅はかな知識ので栽培に踏み切ってしまいました。苦しかったですよね...ふーふー。部屋に成長しきった「オリヅルラン」がありまして、それには比較的たっぷり水を入れていたので同じようにしてしまいました。土の理想の条件に通気性があることを考えれば、呼吸を考えるのは当然のことでした。調べること、知っていることを使うのは大切ですが、今ある状況を「考える」ことは常に必要なことです。

「水耕栽培では植物体の保持が課題になります。土が無いとふらふらしますから。そこも工夫ですよ」

はい!ふらふらします!株が小さいのでとても不安定です。ベランダに出しているために少しの風などで根が水につかずに時間が経ってしまう可能性もあります。

20171117141639-5d05f084dfe5121cc82f0466d2dfd8385142da2d.jpg写真のように、パンなどの袋についているワイヤーで固定してみました。イメージは支柱からです。20171117141655-d16de6c5d25f6e704f4009e1882f91c457afb8f8.jpgもちろん、水を入れすぎないように注意します。

「肥料ですが基本水耕栽培用の肥料を使います。一般店で手に入るものでしたらハイポネックス微粉、ハイポニカくらいしかないです。普通の土用の肥料とは微量要素(マンガンなど、調べて下さい)の有無、pHの違いがあります。より詳しく言えば水溶性か(当たり前のようですが、根からの放出物質に触れて初めて有効化されるタイプもあるのです。また、お渡しした肥料のように鉱物吸着で固形にして溶けにくいものもあります)どうか、そして中でも窒素成分が硝酸かアンモニアか、違いがあります。この辺も語り出したら切りがありません。植物が種類によりどちらを好むか、微生物でどう化学変化するか・・・」

はい...。肥料が一番困りました。いただいていた粒状の肥料を水に溶かしてみたはいいものの、濃度や交換のタイミング、さらには水を清潔に保つことも必要な要素であるとの経験から、そもそも肥料をやるべきか...どうすべきか迷った結果、渡辺先生のご判断を仰ぐことにしました

すると、数粒ほど溶かして施肥することもできるが、「あの」肥料にはリン酸とカリが入っているだけで、微量要素が足りないとのこと。

液体肥料用の粉末肥料[ハイボネックス複合肥料1号](スティック一袋5g×2本)をいただきました。ありがとうございます。

20171117142759-41c82e3a477f7226f2b467d87e435eaeb49b0e82.JPG20171117142839-dce097307b23b06d92027abb3caf6052f79e8f60.JPG[保証成分量:窒素全量6.5%(内アンモニア性窒素1.0%、硝酸性窒素5.5%)、可溶性りん酸6.0%(内水溶性りん酸4.5%)、住溶性加里19.0%]

なんのことやら...確かに「微量要素」は入っているようです(汗)。自分に良い効果をもたらす成分の名称がこんなにも複雑だと植物自身が知ったらぎょっとするかもしれません。科学の力を借りて、元気に生長してほしいです。濃度に注意しながら、水に溶かします。

20171117143001-98ef95fd986768bb74c201cdfb2f363e3884933a.jpgAが肥料入りの水、Bが水道水です。やはり、肥料を溶かした水は少し白っぽく濁っています。

鉢が増えて、手間も増えましたが、日々の生長を微笑ましく見ております。考えて、調整して、こつこつと頑張ります。


是非ともクリスマスまでに、弁財天(愛嬌縁結び)のご慈悲をいただきたい...

それでは、また。失礼します。

コメント

教育学部・井上さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。土曜、日曜と高校生が研究室に実験に来ていて、その対応などがあり、コメントが遅くなりました。24hr以内を目指しているのですが。。。一応。。イントロをしっかり「オチ」で使っているのも、文章の書き方を工夫していますね。今朝はこの冬一番の寒さとか。植物は大丈夫と思いますが。人間の方が応えるような気がします。

 さて、移植した植物は、根付いたようですね。まだ、もちろん、完全ではないですが、土ごと移動すると言うことで、あまり根を傷めなかったのが、功を奏したのだと思います。今回の記事を見て、こちらからのコメントに対して、どの様に対応したかということを色分けをして、分かるようにしていること。niceな取組です。こちらからコメントしたことが活かされているなと言うのも、こちらで分かりますので。あと、水耕栽培で、根の部分を1/3は、空気中に出すというのは、根っこ、つまり、横向きに根が出ている部分が根っこです。その部分を空気中に出してほしいということです。もう少し水位を下げて下さい。あと、水耕栽培の植物体を固定するというときに、身近なものを使っていますね。これもniceです。これなら、植物を痛めることなく、予算もかけずにできたと思います。水耕栽培の液肥、難しい成分のことが書かれていますが、時間のあるときに、是非、調べてみて下さい。Google先生は、偉大だと思いますので。

 そうそう、弁財天様はどこかできっと見ていると思いますよ。すぐにということはなくても。きっと。。。またの投稿を楽しみしております。


 わたなべしるす

 PS. 他の受講生の方も、積極的に自分でやってみる、あるいは、こちらに何かを取りに来るということ、チャレンジしてみて下さい。その積極性が普段の生活を変えると思いますので。