東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

雪(工:井野塲遼馬)

2017年12月28日 (木)

こんにちは,昨日事件が起こりました。

朝,目を覚まして外を見てみると一面真っ白。

何の対策もしないで外に置いていた鉢はもちろんこのありさま。

20171228141918-db965b4732224be017c266a686944c850a764c0a.jpg雪 に 埋 ま っ て い る 

軒下に置いているので雨は全然問題ないのですが,ふわふわ風に舞う雪に対しては完全に無力でした。しかも風向きが悪かった...。

とりあえず雪に埋まったままではまずいと判断し,表面の雪を払うとさらに衝撃の事実が発覚しました。

(焦っていたため写真撮り忘れ)

葉 が 凍 っ て い る

ええ,これには本当にびっくりしました。もうカッチンコッチンです。冷凍食品です。ちなみに土も凍ってます。

植物内の水分にはいろんな成分が溶け込んでいるので凝固点降下によりもっと凍りにくいものだと思ってました。

とりあえずどうしようもないので調べてみました(参考にしたのはこちらのサイト)。

するとなんと植物はあえて細胞外に氷を作ることで,細胞中の溶質濃度を高くして細胞中に氷ができないようにしているらしいです。これを細胞外凍結といいます。細胞内に氷ができてしまうと細胞中の器官が傷つけられて枯れてしまうので,それを防いでいるのですね。

まあなんとか希望はでてきました。とは言えこのまま氷漬けにするのはあまりよくないと判断し,その日の夜は外と大して気温は変わらないですが,気休めに室内へと移しました。


次の日の朝,見てみるとこんな感じ。

20171228144820-154cf889aba18db300d81da30f83a2b0b76ff039.jpg

20171228144835-fe7e17f7a9afe74ab5ebdf2c313ea485878f7f1a.jpg無事に溶けておりました。ただ,なんとなく特にシュンギクの葉がしなしなしている。それこそまさに冷凍したキャベツの葉を解凍したときみたいに。確実にダメージは受けています。

正直かなりまずい気がする。しかもさらに悪いことに明日から一週間ほど帰省の予定。世話ができない上に,万が一のことが起きた時に看取れない。

ああ,どうしよう。とりあえず今はビニール袋をかぶせる等の対策を考えています。

コメント

井野塲さんこんにちは。

 あ、これは私が言い忘れていましたね。まことに済みません。

 先ず、雪が有る無しは凍るのにあまり関係がなく、むしろ基本的に雪がかかった方が、日照は減りますが植物は暖かいものです。畑のハクサイやキャベツを見ても分かる通り、多少の雪はそれほど支障ありません。葉先が少し枯れるかな、という程度です。

 しかし、ここからの対処が問題なのです。

 最悪はそういった葉に力をかけること、簡単に葉脈が折れてしまいます。それは大ダメージになりますので葉や茎を触らないで下さい。次に絶対に溶かそうとしないことです。慌てて加温すると結氷したところが急激に溶けて植物にとって火傷と同じ障害を受けます。深刻な場合いっぺんに枯死します。

 とにかく慌てず放置が最善の処置です。例年の展開ゼミでは雪に埋もれることはありませんでしたので、ここまで考えませんでした。仙台は例年なら12月にちらほら雪が数日舞うかな、1月で数日は雪が積もるかな、2月でドカ雪が2,3回あるかな、根雪があったりなかったり、くらいなのです。今回思わぬ積雪でしたがたぶん数日で消え去ると思います。

 雪のために気温の低いところで停滞しますので生育は落ちるでしょうね。本当、今年はなかなか条件が厳しいです。栽培期間が長くなると受講生の皆さんも大変だとは思いますが、どうか飽きずに続けて下さい。

 ラボスタッフ・オガタ


工学部・井野塲さん

 こんにちは、遺伝の渡辺でございます。雪はびっくりかも知れないですが、普段から、天気予報を見るようにしておいて下さい。植物はもちろんかも知れないですが、毎日の生活、さらには、例えば、金属でも機械でも温度の影響は受けると思います。そんなちょっとしたことに、気をかけるというのは、だいじですから。で、今日の様子はどうだったでしょうか。無理にとかしたので、少し負担がかかっているかも知れないですが、この感じであれば、大丈夫なような気がします。あとは、ラボスタッフのオガタくんのコメントも参考にして下さい。何より、もどったときに、レスキューできる範囲であることを祈っています。


 わたなべしるす