東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[23日目]ミズナのアクシデントと・ブロッコリーの土寄せ等(農:八巻慶汰)

2018年10月28日 (日)

こんにちは。農学部1年の八巻です。寒い日が続く中、今日28日は一転して暖かい気候に包まれていました。街中の方では全日本大学女子駅伝が開かれている仙台市ですが、先10月21日に元東北大学長である西澤潤一博士が逝去されました。今の東北大の雰囲気を作り出してきたとも言える西澤博士の研究は半導体をはじめダイオードなど現在のスマートフォンやPCに不可欠な技術の礎となるものでした。特許申請のしがらみやノーベル賞を逃そうともひたむきに研究に励む姿勢を私も見習いたいと思います。
IT分野で言えば、新しいガジェットを見るのも楽しみになっています。最近ではlenovoの二画面ラップトップの電子ペーパーディスプレイ技術やカナダの新興企業Northが開発したスマートグラスのレンズホログラムプロジェクション技術がとても斬新で面白いものでした。最近はHuaweiXiaomiなどの中華メーカーが市場を物凄い勢いで駆け抜けていますね。

今回の写真が全体的に不明瞭です。申し訳ございません。次からちゃんと鮮明な写真が撮れたか確認をしたいと思います。
まずミズナブロッコリーの成長過程についての報告

10/21 10:50 18.0℃ 52%

ミズナの本葉が見受けられました。ブロッコリーは依然として本葉は出ていません。
だいぶ前の話になりますが、鉢植えに水をためていたことによる水分過多も成長が遅かった原因の一つだと思います。オガタさんに教わった「重力水」について調べてみると、土壌中の水分にも植物が有効に使うことができる水(有効水)とできない水(非有効水)があることがわかりました。水はただ多く与えるだけではかえって不利益をもたらしてしまうと言う事や、いわゆる「いい土」とは栄養が豊富に含まれているものだけではないことが言えます。
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10/22 16:42 18.0℃ 53%


ミズナの鉢を見たところ1つ倒れているものがあり、ほかの個体も徒長により倒れてしまいそうなものもありました。また、一つ葉のところが白く変色しているものがあったため、栄養不足・また病気であった場合の感染の防止を考え間引きと肥料を混ぜた土寄せをすることにしました。この時のミズナは約3~6㎝でした。
調べたところ「うどんこ病」という典型的な植物病ではないかと思います。うどんこのカビは冷涼で乾燥した気候の時に活発になるそうなので。対策としては間引き・農薬などが主流らしいです。無農薬で野菜を育てることの厳しさのほんの片鱗を味わいました。
うどんこ病とは...
若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いかびが生える。花梗部につくと開花を阻害する病気。なんとなく全体がうっすら白くなり、次第に濃くなりうどん粉をまぶしたようになる症状が葉や花首に発生する。葉の表面が覆われると光合成が阻害されたり、葉から栄養を吸収されるので生育不良になり、花が咲かない、野菜では食味が低下する、果実が肥大しない、ひどい場合には枯死するなどの被害がある。(住友化学園芸のHPより)
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10/25 10:53 18.0℃ 58%


ミズナは本葉も成長し、(本葉の上からの写真を撮り損ねていました)最大のものでは7㎝程になりました。
ブロッコリーを見たところついに本葉が!水をかけると倒れそうで心配でしたのでこちらもミズナ同様土に肥料を混ぜて本体を支えるように土を追加しました。
このまま成長を続けてくれるのを期待。
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それから次に帰宅・観察したのが28日の夜になってしまったのでうまく写真がとれませんでしたが、ミズナの他の個体は白くなることもなく成長しています。ブロッコリーも同様です。
アドバイスを受け、レッドキャベツスプラウトの方は密度を高くすべきと言う事に気づかないという失策をしてしまったので少し修正をしました。成長は順調のように感じます。報告の方はまた次の回に。
次回もよろしくお願いします。

コメント

八巻さんこんにちは

 仙台の気温も変動大きいですね。学生は若くとも風邪を引かないということはないので気をつけなくてはいけません。喉を暖かく保つだけでだいぶ違います。

 さて、西澤氏の逝去はとても残念です。私としては、そういった先駆的な研究がありながら、そのリードを日本が全然守り切れていないことが悔しいですね。書かれている通り、もう世界は中華メーカーのものです。研究分野でも中国の勢いはすさまじく、日本は圧倒されつつあります。誰がなんといってもそうなのだから仕方ありません。ここはそんなことを語る場でもないしふさわしいことでもないのですが、中国韓国の熾烈な受験戦争と暗記競争、それが結果を出してるわけで、一方日本は何でも個性の風潮になっています。

 新しいガジェットは自分が使うわけでもないのに知るだけでワクワクします。18コアのCPU,5GHz、全固形電池、光触媒効率5%とか世の中進歩してます。まあ、個人的にはレトロな真空管アンプやゲルマニウムトランジスタアンプに魅かれますが。

 さて報告は農学部らしいものですね。土壌の物理的性質についてのものです。学年が上がれば、土壌学でもっと詳しく結合水などの話があるかもしれません。そして当然、物理とくれば化学的な性質もありますし、土壌によって千差万別です。

 実はこんな時代になっても土壌の腐植質の化学式は明らかになっていません。そして更に生物学的な性質とくれば、ほとんど手つかずの分野なのです。どんな菌がいて、どれが植物と作用しているのか、栄養的なものか情報的なものかも分かっていないのです。もちろんそういうことを知らなくても農業はできるのですが、発展のためには誰かが明らかにしなくてはいけません。

 報告を見ますと、先ずは徒長の方が気になりますが、むしろ子葉の白色の方を気にされていますね。肥料について今は与えないで下さい。むろん肥料不足で生育不良のことも度々ありますが、それかどうか分からないうちは控えた方が賢明です。つまり弱った人に次々食べさせると胃腸をかえって壊すかもしれずお粥にした方がいいのと同じです。

 間引きはこのタイミングでは早すぎるのですが、明らかに異変をおこした株を除去するのは賢明とも思います。そしてウドンコ病についてよく調べました。そういう知識を探そうというのは良いことです。

 まあ、この場合はウドンコ病ではないと思います。時期と植物の大きさ、何よりも画像の感じからすると違うものでしょう。ウドンコ病は粉をまぶしたようになるもので、このように境界明瞭にはなりません。第一、白いところがくぼんだようにはなりません。では何かと言われると確証はないのですが、小さな蛾の系統の幼虫に食べられたか、あるいは生理障害、生育途中の傷などが考えられます。他の株にも増えてくるようだと害虫と確定しますので観察して下さい。

 徒長が進むようでしたら、他の受講生へのコメントで書いたように株元を押さえ込む土寄せにも挑戦して下さい。

ではまた ラボスタッフ オガタ